俳優でラリードライバーだった夏木陽介さんが亡くなった。また昭和のスターが逝ってしまった。
今を去る55年前、夜遅く愛知県潮見坂のドライブインに、年上の遊び友達とふたりで入った。海側の席に、夏木さんがたったひとりで居た。
世慣れている上に有名人好きの遊び友達は、図々しくもサインをねだり、勧められるままに席に着いてしばらく3人で雑談した。何を話したかは憶えていない。彼は東京からひとりで車を飛ばして西に向かう途中、其処に立ち寄り休憩していたのだった。
間近に見る銀幕の青春スターは、はたち前の私にはひどく眩しく見えたが、浮いたところのない育ちの良さそうな感じと、孤独の影は印象に残った。
東宝きっての二枚目俳優だったが、後進の加山雄三が入社して人気を集め、その陰に回る形になったのは不運としか言いようがない。日活の石原裕次郎と小林旭との関係に似ている。テレビドラマに進出して成功をおさめたこともあった。その後は、パリダカールラリーなど、趣味で話題になることが多かった。
訃報記事で、生涯妻帯しなかったことを知り驚いている。家庭よりも大切なものがあったに違いない。女は乗せないラリー人生、飄逸の人だったのだろうか?
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