【感懐】
物事に感じてしみじみとした気持になること。身にしみて感ずること。【述懐】
考えている事や思い出を述べること。その述べた内容。
年を累ね還暦を過ぎる頃になると、感懐が年ごとに深まり、それに応じて述懐が増えるのは、とても嬉しいことである。
自分自身と真っ正面から向き合っていれば、心の中にこの二つは必ず生起してくるものだ。生起したものを掬い上げるのは、老いの楽しみのひとつかと思っている。
感懐や述懐は、記録しなければ雲散霧消してしまう。その為に時間を費やすのを厭うてはいけない。
老人に公平・平等に用意されているもの、それは感懐と述懐であると思う。
感懐や述懐の表現の仕方は多様である。散文・詩歌・絵画・工芸など、自分に適した仕方で表せばよいのではないかと思う。
凡ゆる創作は、その動機の核心に感懐や述懐がある。モノを書く人作る人には、その作品に自身の感懐や述懐が無意識のうちに宿っているものである。
園芸や盆栽、手芸や陶芸などでも、必ずそれが籠もっている。
詰まるところ芸術作品は全て、卓越した感性の持ち主の、「感懐・述懐表現」と呼んで良いのではないかと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます