道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

BBQと水遊び

2021年07月18日 | 随想
昨日、東海地方に公式の梅雨明けが発表された。喧しいセミの鳴き声が暑さを煽る。夏休みは目の前だ。

夏休み中の水難と山の遭難には、くれぐれも注意してもらいたい。海も川も山も、危険は日常の比ではない。

息子一家が川遊びをしていた10年間の始めの2・3年は、心配でもっぱら監視係を務めていた。幸運にも小沢に安全な遊び場を見つけてからは、同行しないで済むようになった。

若い頃に、気田川のマス釣り大会に参加したことがあった。私が入った釣り場は中洲に面していたので、渡渉してその中洲で釣ることにした。全く危険の予想される場所ではなかった。

マスは釣れず、イクラの餌にウグイばかりが掛かり、意欲が衰えて来たちょうどその時、川の水が薄く濁り始めた。釣りにとってササニゴリは吉兆、好感して気を取り直し釣りに集中した。ところが晴天で雷の音も聞こえないのに、川の水が目に見えて増えてきた。慌てて岸に戻ろうとしたが、先刻膝までだった川の水は、既に太もも上に達するまでになっていた。竿を杖代わりにして一歩一歩足を踏み締め、どうにか岸にたどり着いた。

気田川には発電用取水ダムはいくつか在るが貯水ダムはなく、放水の影響はあり得ない。遠い上流部の山嶺で驟雨があったとしか考えられない。
警報も広報もなく、静かに上昇する晴天下の水嵩。流域が広い大きな川では、気をつかなければいけないと痛感した。

日本の河川の勾配は、ヨーロッパやアメリカなど大陸の河川に比べるとより滝に近い。浅いが流速は速い。川は海より遥かに危険な遊び場である。浅瀬・中洲があっても対岸の岸際の水深は深い。子どもを水遊びさせながらのんびりBBQなどやれる場所は少ない。BBQは楽しいが、どうしても火加減・味加減に注意が向かい、子どもたちから目が離れる。BBQは奉行ひとりに任せ、他は子どもから目を離さないようにしたい。
子どもたちが水から揚がるまでは、酒など飲むのはもっての外。救難の役に立たなくなる。できるなら、川には30mおきに監視員を置きたいくらいだ。

キャンプばやりで、夏は河原まで車の乗り入れができるキャンプ場が活況だが、管理人は老人1人というところも多い。海に比べると、川の安全管理の不備は昔と変わらない。利用者個人で注意するほかない。


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