「ボタンの掛け違い」という比喩表現をよく聞く。事に当たって熟慮と予見を欠き、発端で何ら難しくない単純な事務処理を誤り、場当たり的な対処をしたがために、最終的に事の破綻に至る事象の喩えである。これを防ぐには、万事最初が肝腎と心得、ことを軽率に扱わず慎重に運ぶしかない。ボタンホールというものは並びが整然としているから、ボタンをかけている最中にボタンの掛け違いに気づくのは難しい。処理をそのまま続けて行っ . . . 本文を読む
「客気」(かっき)とは、物事に逸(はや)る心。「血気」とも言う。これと似たものに「意気」がある。何かしようとする積極的な心のこと。「意気」の発動元になる基盤を具えていない人を「意気地なし」と謂う。老生は幸運にも客気には恵まれたものの、30才を過ぎるまでは意気地が無く、したがって意気が乏しかった。意気のあるなしは男性では重大視されるが、女性ではあまり問題にされない。それに対して客気は、男女共等分に必 . . . 本文を読む
今朝は、予約してあった医院に行く日だったので、7時に家を出た。当地の平日、この時刻の幹線道路は出勤の車で渋滞する。ノロノロ走る車窓から、歩道を自転車で通り過ぎる女子高生の列を眺めていたら、我知らず【女学生】という、60年も前にリリースされた歌のメロディとフレーズを口ずさんでいた。運転していた家内もそれに誘われ、うろ覚えの歌詞を、何とか2人して繋ぎ合わせることができた。同世代だから記憶にあったのだろ . . . 本文を読む
当地では、咳の出る病が流行っているらしい。時々お世話になる薬局さんで耳にしたのは、ごく普通の去痰剤とかが不足気味らしい。先月急に寒くなったから、インフルエンザ・コロナ・マイコプラズマ肺炎など、熱や咳がでて痰が絡まる病気が増えているのだろう。毎年薬価が前年より低額に改定され、ジェネリック薬品メーカーの経営が逆境にあることも、要因のひとつらしい。儲からない薬品は生産量を減らしているところへ需要が急増す . . . 本文を読む
老人が恋について記事を書くと「未だ涸れていないのか?隅におけない困ったジジイだ!」などと謗られそうだが、孫たち若者の幸福な恋のために、恥を忍んで書いている。恋愛とは男女の愛を意味する。「恋」と「愛」とは本来それぞれ独立した、本質的に異質の概念なのだが、明治期に、翻訳のために学者が造った「恋愛」と謂う造語が、定着している。loveの翻訳語として造られたこの漢語は、日本の若者に、「恋」と「愛」とに一体 . . . 本文を読む