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燃えてる人間を消火、パニック乗客を誘導... 「のぞみ号」自殺事件、JR乗務員に「対応素晴らしい」の声

2015-07-02 20:55:47 | 時評

事件に際して、切実なる行動で挑んだ人々に、賛辞を贈りたい。
不幸にして災難に命を落とした人に、深甚なる感情を抱いている。

当初、個人的テロということも聞かれたが、藤田氏の「下流老人」という著作が思い浮かんだ。
個人的行動が、なぜ、新幹線を選んだかにも、少しく疑問が残る。傷害等で誰でもよかったとは
よく聴く言葉であるが、不特定者をターゲットに選ぶ、話しの種になる場所を選ぶ、など、
他人の迷惑を顧みぬ一面には、ある種の感情を抱いてしまう。身勝手な犯行である。

自殺者、 林崎春生容疑者(71)は、月額にすると約12万円の収入だったそうだ。
それでも、自己責任の欠如を感じさせる面がある。苦しいのは、お前だけじゃない。


燃えてる人間を消火、パニック乗客を誘導... 「のぞみ号」自殺事件、JR乗務員に「対応素晴らしい」の声
J-CASTニュース 7月1日(水)19時14分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150701-00000004-jct-soci


JRの乗務員や駅員の対応に称賛の声!(写真はイメージ)
 神奈川県小田原付近を走行中の東海道新幹線「のぞみ 255号」の車内で起こった、乗客の男が焼身自殺したとみられる事件で、インターネットには乗客らの対応にあたったJRの乗務員や駅員に、「素晴らしい」「レベル高すぎ」といった称賛の声が寄せられている。

新幹線内で焼身自殺? 男女2人死亡 「死ぬかとおもった」乗客がツイッターで緊迫する現場実況

 この事件は、油のような液体をかぶって火をつけた男が死亡したほか、女性の乗客一人が巻き込まれて死亡した。「安全」とみられていた新幹線での事件だけに、JRの関係者のみならずとも大きなショックを受けた。

■トンネルを抜けて安全な場所に車両を緊急停止

 東海道新幹線の車内で起こった事件は、先頭車両の1号車が火元で、炎や白い煙が立ちのぼり、車内が見通せないほどだったとされる。そのときの状況を、この新幹線に乗り合わせた乗客とみられる人がツイッターなどで、こう伝えていた。

  「のぞみ255号なんだけど、車内アナウンスで『1号車火災です!』とか言ってんだけど…」
  「車内は焦げ臭くて、電気も来てない」
  「熱い… 助けて」
  「マジ死ぬかと思った。新幹線乗ってたら、目の前で火災」
  「車内は蒸し風呂のよう」
  「今、警察や消防のサイレンが聞こえ始めた。復旧までもうしばらく時間がかかりそう」

と、現場の緊迫したようすがうかがえる。

 そうしたなか、こうした現場で新幹線の運転士や車掌らは、迅速かつ冷静で「素晴らしい」対応をみせたようだ。

 その対応について、JR東海は「現在、警察による捜査が進められているところで、詳細についてはお答えすることはできません」と話しているが、走行中の 車内での火災に、トンネルを抜けて安全な場所に車両を緊急停止させ、消火器で火を消して車両の全焼や脱線などの事故を防いで、被害を最小限に抑えたことへ の評価は高まるばかり。

インターネットでは、

  「自分も煙を吸ってケガしているのに、事件発生から小田原駅まで運転してから救急搬送された運転士と、逃げずに火を消した乗務員の勇気ある行動と仕事に対しての責任感は称賛されるべきだと思います」
  「素晴らしい! 本当に素晴らしいです」
  「新幹線の乗務員は今回の場合を含めて非常時に対応する訓練をきちんと行っていますから、乗務員が消火器で火災を落ち着いて消火できたと思いますね」
  「本当にすごい。燃えてる人間を消火して、パニックになっている乗客を誘導して、何が起こるかわからない車両を調べて、現場の状況を会社や警察に何度も報告する。これらをこなして当然とか、レベルが高すぎるでしょ...」

と、称賛の嵐。「新幹線の『安全』がこうした人によって支えられていることがよくわかった」との声も多く寄せられている。
「訓練は数多く、さまざまな事態に対応できるようにしている」
 さらには、事件の影響で続々と遅れて到着する新幹線から降りてくる乗客一人ひとりに対する駅員の接客も絶賛されている。

 ツイッターでは、

  「本日の新幹線の事件で散々な思いをしたのですが、無事東京に戻り改札を出る際にあまりにも駅員さんが『本日は本当に申し訳ありませんでした』と言い 続けるので、逆に今日一日ご苦労様と言ったら、そんな事言われたら涙が出ますと泣かれてしまいました。日本人の職に対する意識の高さにこちらも涙が出てき ました」

と、こんなつぶやきが拡散され、

  「本当に駅員さんはじめJRの方々は貶されることがあっても褒められることがありませんよね。でも、彼ら彼女らの真摯な仕事ゆえに安全運行があるわけで、私も感謝しながら使いたいものだと思います」
  「乗客も働く方々も何も悪くはない!日本の美学=人を思いやれるココロ。そこに私も泣かされました!」

と、JRの駅員の対応に感服する声は少なくない。

 JR東海は、「異常時の対応については、運転士、車掌にそれぞれ取り決めがありますが、その内容については控えさせていただきたい」と話すが、「ただ訓練の数は多く、さまざまな事態に対応できるようにしています」という。

 JRでは乗務員、駅員を問わず、単にマニュアルを覚えるだけでなく、「自分で考えて行動することを身につけてもらう」よう、心がけているようだ。



記事
藤田孝典
2015年06月29日 07:00
なぜ日本の高齢者はこんなに貧困なのかー『下流老人』を発表して思うことー
http://blogos.com/article/119371/
<『下流老人』を発表して>
拙著『下流老人』(朝日新書)を発表して以降、大きな反響が続いている。
本書では、不十分ながらも、日本の高齢者の貧困の実態について、現実の一部をお伝えし、そこから何が起こっているのか考察することができた。
「明日は我が身である」
「老後を迎えるまでに資産や貯蓄をして備えたい」
「下流老人になることを前提に、家族や友人などの人間関係を大切にしていきたい」
など、寄せられるご意見や感想は多い。
そして、同時に、「なぜ高齢者はこんなに貧困になってしまうのか」といった疑問も多く寄せられる。
そもそも、貧困を抑止するためには、個人の努力云々も大事だが、個人的な努力ではどうにもならない実態もある。
だから、社会保障を先人たちは”防貧対策”として、用意してきたのだが、この貧困を防ぐための対策が弱いと指摘しておきたい。
<生活に金がかかりすぎる日本>
皆さんは日常的に「贅沢」しているから貯金ができないのだろうか。
「浪費」をしているから金が少なく、生活が苦しいのだろうか。
そんなことはないだろうと思う。
多くの人は堅実に自分の可能な範囲で生活を営んでいるように思う。
ではなぜ生活が苦しいのか。
まず、日本は家賃や住宅ローンの返済など、住宅費負担が極めて重たい。
ゼネコンや建設、不動産業界の政治介入もあり、持ち家政策を推進してきた日本では、国民は基本的に住宅を購入してきた。
だから多くの国民は、住宅ローンを組んで家を買う。返済できるか否かは別として。
銀行から多額の借金をさせてまで進む建設ラッシュは、人々を苦しめながら経済成長を支えてきた「日本型経済成長モデル」の一端といえる。
一方で、住宅を購入しない場合、購入できない場合には民間賃貸住宅を借りることが一般的だ。
「住宅購入」か、「民間賃貸住宅」かのほぼ二者択一であった。
現在は、親と一緒に実家に同居し続ける選択肢が「第三の道」として、増えてきたことは、過去の記事(家を借りることがリスクの時代:檻のない「牢獄」と化した実家)で触れたので参照いただきたい。
もはや住宅購入も家賃負担もできない人々が大勢現れている。
ただし実家に住む若者が悪いのではない。政策が遅れているのである。
公営住宅の数が少ないことでも有名な日本の場合、本来は公営住宅程度の家賃しか負担できない人がいても、ローンを組ませたり、高い家賃の住宅を借りている。
この住宅費は毎月の固定費であり、必ず支出しなければならないものだ。
その固定費が建設業界や不動産業界、銀行や金融業界を維持するために機能しているため、極めて高いのである。
貯蓄ができなくて当然だし、住宅費のために働いていると言っても過言ではない人々によく出会う。
日本のサラリーマンの多くも住宅ローンを組んでいる(組まされている)ことは明らかだ。
月給24万円のある正社員サラリーマンでも、月額返済が10~12万円程度の住宅ローンを組んでいる。
そんな事例は珍しくない。給与の約半分がローンの返済である。
さらに、日本の住宅は高額な割りに耐用年数が短く、老後は老朽化してリフォームが一定期間ごとに必要な住宅が残る。
一方で、ある非正規雇用の若者は、月額16万円の給与から8万円程度の家賃を支払えば、生活が苦しくなるのは当たり前だ。
正社員でも非正規社員でも関係なく、日本の住宅費負担は、極めて重いといえる。
この「住宅費」という固定費が公営住宅の毎月約1万円~5万円程度だったらどうだろうか。
貯蓄もできるし、老後の備えも可能だし、消費も好転していくはずである。
他にも交通費や高熱水費、教育費、パソコンや携帯電話料金など生活に必要なインフラへの負担も大きい。
物価も上がっている。
これらは社会生活を送る上で、なくてはならない支出である。
このような別に贅沢などしていなくても、日常的にかかる生活費が日本は高すぎるのである。
老後の貯蓄に回せるだけの金銭を現役時代に、知らず知らずのうちに消費しており、それゆえ老後は緩やかに貧困の渦の中に巻き込まれていく。
緩やかゆえに、貧困が迫っていることを当事者は切実に感じることは少ない。
気づいたら・・・、ということである。
<社会保障の方向転換を!>
だから私は社会保障を転換させたいと思っている。
このままの社会保障体制だと賃金の減少や非正規雇用の急増などに対応できず、「一億総老後崩壊」が起こると思っている。
なるべく前述したような社会生活に必要な生活インフラを金がかからず利用できるように転換させたいのである。
ひとことでいえば、低賃金でも低年金でも金をかけずに暮らせるようにするべきだ。
そのために、社会保障を多様に捉え、社会資本への投資や生活インフラの整備に今のうちから、少しずつでも予算を投下しておきたい。
具体的には、公営住宅や社会住宅を整備できないだろうか。
海外のように「家賃補助制度」を導入できないだろうか。
あるいは大学の学費や塾代など、教育費負担を軽減できないだろうか。
日本の社会保障は、高齢者・障害者・母子・児童・失業者など一定の枠組みにカテゴライズされた対象へ不十分ながらも支援をおこなってきた。
しかし、これらのカテゴリーの人々を含みつつ、一般国民の多くが普遍的に助かるような社会保障制度に変えられないだろうか。
欧州や北欧では、すでにそのような体制に転換している国々は珍しくない。
貧困は個人的なレベルで対処できるような生易しい「敵」ではない。社会的に向き合うべき巨大で手ごわい「敵」である。
下流老人の問題は、私たちに社会保障について考え直すように、問題提起をしているように思っている。
ぜひ国民的な議論を心からお願いしたい。
※Yahoo!ニュースからの転載



記事
藤田孝典
2015年07月02日 01:08
新幹線火災事件と高齢者の貧困問題ー再発防止策は「貧困対策」ではないか!?ー
http://blogos.com/article/120105/
<高齢者の貧困が動機だったことを伝えるべき>
71歳の男性は白昼の新幹線内で、自身の身体と周囲にガソリンを巻いて火を放った。周囲の人々を巻き込みながら。
死傷者を多数だし、甚大な被害を与えることとなった事件だ。
さらに新幹線など多数の人々の足に影響を与えた。
このような行為はいかなる理由であれ、許されるものではないだろう。
ただ、事件の背景や動機に正しく迫らなければ、再発や類似の事件は止められないことも事実である。
個人を責めて終わりにするのではなく、事件の全容を多角的に検証する必要がある。
一部の報道では、生活苦が犯行の動機であったように伝えている。
男性はアパート家賃の支払いに困り、さらに働いていた仕事をやめ、生活費も足りないと周囲に漏らしていたそうである。
さらに年金支給額についても、一部で報道がされている。
2か月に一度、24万円の支給であり、月額にすると約12万円だったそうだ。
国民年金と厚生年金のいずれにも加入しており、35年ほど年金を掛けてきたそうである。
厚生年金は現役時代の報酬比例で決められるため、男性は生涯にわたり、低賃金であったことが理解できる。
そのなかでも一生懸命働いて、年金をかけてきたのだろう。その年金が足りないという。
この年金金額で男性が住み慣れた東京都杉並区で生活が可能だろうか。
この事実をマスコミ報道機関は伝えるべきだと思う。
<71歳の男性は「要保護者」だったのではないか>
実はこの年金12万円が事件を考察する上で決定的に重要な数字だといえる。
東京都杉並区の生活保護基準は、144,430円(生活扶助費74,630円+住宅扶助費69,800円)である。
資産の状況やその他の要素も検討しなければならないが、報道が事実だとすれば、年金支給額だけでは暮らしが成り立たないことが明白だといえる。
月額2万円程度、生活費が足りない。生活に不安を抱え、どうしたらいいか途方に暮れる男性の姿が思い浮かぶ。
要するに、生活保護を福祉課で申請すれば、支給決定がされて、足りない生活保護費と各種減免が受けられた可能性がある。
このような生活保護が受けられるか否かを知らない高齢者は多く、未だに「要保護者」は地域で生活に困難を抱えながら暮らしている。
そもそも国が決めている最低生活費以下では、暮らしが成り立たないのは当たり前で、援助を求める必要性がある。
わたしはこのような高齢者の実態について、あえて過激な言葉を用いて警鐘を鳴らしている。
「下流老人」である。
下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義した。
(拙著『下流老人―一億総老後崩壊の衝撃―』朝日新書 2015)
これからも貧困に苦しむ高齢者は後を絶たないだろう。
今から対策を講じておかなければならない課題だといえる。
これを個人の問題にするのか、社会の問題として捉えるのかによって、日本の未来は全く違ったものとなるだろう。
<下流老人や高齢者の貧困への対策こそ講じるべき>
現在、国では国土交通省やJRが防災対策やテロ対策として、再発防止策の検討を始めたそうだ。
もちろん、そのような対策も大事であろう。
しかし、貧困対策もしっかり打ち出してほしいと思う。
生活保護が必要な高齢者にはしっかり広報をおこない、支援をおこなえることを伝えてほしい。
これは厚生労働省や自治体の最低限の役割である。
さらに今年度からは生活困窮者自立支援法が施行されている。
本件のような生活困窮者に対し、生活保護申請も含めた支援策を一緒に考えてくれる機関だ。
当然、杉並区にも「くらしのサポートステーション」が下記の通り、開設されている。
このような相談機関は全国各地にある。ぜひお住まいの相談機関がどこにあるか調べて活用いただきたい。
生活保護や生活困窮者支援制度の存在を男性が知っていたら、同じような結末にはならなかったのではないか。
非常に悔やまれる事件である。
「くらしのサポートステーション」は病気や失業などで経済的に困っている、お子さんの学習環境に悩みがある、収入はあるけれど支出とのバランスがとれていないなど、生活をしていく上で心配事を抱えている方のための相談窓口です。
この窓口は、「生活困窮者自立支援法」(4月1日施行)に基づき、杉並区が設置し、杉並区社会福祉協議会が運営を受託しています。専門の相談員が話を聞き、一人一人に寄り添いながら、一緒に考え、解決に向けてお手伝いします。
本人だけでなく、ご家族など周りの方からの相談もお受けします。
一人で悩みを抱え込まず、ぜひご相談ください。
出典:杉並区社会福祉協議会

そして、強調しておかなければならないことは、貧困と犯罪の直接的な因果関係はないということ。
誤解しないでいただきたいのは、貧困にあるから犯罪を犯したり、犯しやすいというわけではないということだ。
71歳の男性は貧困にあったかもしれない。しかし、すべて貧困にある人が犯罪を起こすというわけではない。
そのような因果関係は立証されていないからだ。無用な偏見を助長してはいけない。
最後に、誰でも生活に困ることがないように、貧困対策を一歩でも前に進めてほしいと思う。
71歳の男性は普通に年金を掛けながら働いてきた人である。日本の経済成長にも貢献してきた人物である。
その人物が絶望し、人生の末路がこのような悲惨な事件でいいのだろうか。
ぜひこれからの私たちの老後や貧困について議論を展開していただきたい。
※Yahoo!ニュースからの転載