笑顔あふれる生活へ!~股関節と共に~

田山陽平が、股関節とリハビリについて、皆様のためになる事を、選りすぐって書いています。
頑張ろう!日本!!

痛みの原因は何?

2011-06-30 10:47:25 | 日記
先日、色々な先生の施術を受けてみよう。

と言う事で、吉祥寺に行き、大原先生の施術を受けさせてもらいました。

施術を受けながら、大原先生と話をしていると身体も癒されつつ、心も浄化していくような不思議な気持ちになりました。

大原先生の人柄を感じました。

また、自分の身体の問題点などを色々と指摘していただき、新たな発見もありました。

実際の施術の指導も受け、実りある現場研修となりました。

翌日には、明らかに体が変化していることを感じました。


今後も、高崎・名古屋と突撃現場研修に繰り出して行く予定です。

加藤先生・早川先生よろしくお願いします。





手術前の方、手術後の方にとわず治療をする一番の目的は股関節痛の軽減・消失だと思っています。

もちろん、施術を受けに来て下さる方の中には訴えが股関節痛でない場合もありますので一概には言えませんが。

しかし股関節痛が一番の問題点になることが多いです。

股関節痛の軽減・消失に加えて関節の動きを広げることで、股関節の安定性を増大し歩行や日常生活動作を改善・向上させていきたいと思っています。


股関節痛に悩んでいる方が非常に多いわけですが、「股関節が痛い」とは、具体的に何が痛いのでしょうか?

筋肉はもちろん痛みを発しますのでそれ以外を考えると、

「骨」ですか?

「神経」ですか?

「皮膚」ですか?

関節で痛みを感じるのは、靭帯・関節包(関節を覆う袋)・滑膜(関節包の内側の膜)などの軟部組織にある神経が原因です。

この中でも特に関節包に神経が豊富に分布しています。

ここが股関節痛の主な原因のことが多いです。


たまに膝が痛いのに原因が股関節にあったりします。

これは、関連痛と呼ばれるものです。

背骨から出た膝に向かう神経は、必ず途中で股関節周囲を通ります。

この時に股関節にも神経を伸ばしているのです。

それが原因で関連痛が起きます。


関節は関節包で覆われています。

関節包の中には内圧が存在します。

これは、陽圧(関節内の圧が高まる)・陰圧(圧が低くなる)という関係が重要になります。

関節をいろいろな方向に動かすことによって、関節の内圧が変化します。

痛みが出現する際、この関節内圧が重要な因子になる事がわかっています。

内圧が高まると痛みを引き出しやすいのです。

一番内圧が低下するのは股関節を70°曲げ(屈曲)、5°開いて(外転)、10°外側に捻った(外旋)姿勢です。

この姿勢が関節内圧だけでみると一番低く楽な姿勢だといえます。

日常生活動作だと、布団に仰向けで寝ている姿勢→上半身を起こして座る→正座する→そのまま座礼する

、といった行程で段々と股関節の内圧が高まっていきます。

他に、足を骨盤から大腿骨頭を引き離すように足裏の方向へ引っ張ると顕著な内圧低下がみられます。

ですから、ご自宅で股関節が痛い時に、ご家族の方などに寝た姿勢から足を持って持続的に引っ張ってもらうと股関節痛が楽になる事があります*無理に急に強く引っ張らないでくださいね。「じわ~」っと、ゆっくり持続して。

以前のブログの松本先生の娘さんの上手な絵を使わせていただくと・・・



こんな感じです。


最後に面白い実験結果を書いておきます。

この結果は杖を使わなくても歩ける方を対象にしたものなのですが、

右手に30㎏の荷物を持った状態で片足立ちをすると、股関節へかかる重さは体重の5.8倍になります。

次に、両手に30㎏ずつ荷物を持って片足立ちをすると、股関節へかかる重さは体重の4.9倍になります。

・・・・・。

合計では後者の方が30㎏重いはずなのに、股関節へかかる負担は軽くなっています。

これは股関節に痛みを出さないため、あるいは今ある痛みを増強させないために、日常生活の中で工夫していけそうな結果ではないですか?

是非、股関節を良い状態で長く使えるよう、重い荷物は左右になるべく均等に分けて持ちましょう




股関節の不安を一緒に取り除きましょう




変形性股関節症 パート2 ~ダイエットは必要か!?~

2011-06-27 10:20:58 | 日記
よく、お医者様から「とにかく、やせなさい」と言われると言う話をよく耳にします。

確かに片足立ちの時に体重の3倍が股関節にかかるわけですから、それも治療の1つの要素だとは思います。

しかし実際には、ほとんどの方が股関節の「骨盤」と「大腿骨頭(股関節の太ももの骨側)」の当たっている面が小さいために、そこの部分に局所的に過大な負荷がかかり、異常を起こしたものなのです。

やせても、多少変化はあるかもしれませんが、関節が体重を受ける面積が広くなるわけではないので、根本的な解決にはならない事が多いです。


『変形性股関節症』は骨の変形とともに、レントゲン上、骨盤や大腿骨頭に黒く透けた部分(骨嚢胞)が出現したり、その周りに他よりも濃い白色になった部分が出現したりします。



この濃い白い部分では骨の細胞が死ぬ→それを吸収→死んで無くなった部分を補ったりと、活発な修復反応が見られることが分かっています。

骨が良い方向へ治ろうとしています。


「関節の動きの低下」は原因として

・「骨棘」の形成

・軟部組織(筋肉、腱、靭帯、神経、皮膚、血管など)の柔軟性の喪失

が挙げられます。

「骨棘」と言う骨のトゲが出現します。

トゲと言うと、あまり良い意味には受け取られないのですが「骨棘」は生体の骨の変形に対する防御反応の手段であり、決して悪者ではありません。

「骨棘」は、それ自体が新たな関節面を形成することにより、体重をかける事が可能な面積をを増やすようになるため、人間の持つ自然回復能力の合目的な修復反応なのです。

それを、悪者扱いせずに積極的に利用しない手はないですよね。

本来、球状をしている大腿骨頭も「骨棘」の形成とともに変形し、適合していくため、球状ではなく楕円形になっていきます。

レントゲン上の見た目は正常と言われるものとは違ってしまいますが、これも決して悪い事ではありません。

「骨棘」が有効な荷重する面を形成すると痛みは軽減してきます。

「骨棘」も骨ですから、形成には血管が必要です。

つまり、血管が無ければ「骨棘」は形成できないため「骨棘」が形成されるところは場所が決まっており、それぞれ名前が付けられています。

下図の灰色部分が全て「骨棘」と呼ばれており、「骨棘」ができやすい場所になります。


ただ、残念なのは「骨棘」は痛みをとるために出てきてはくれますが、反面、関節の動きを減少させると言うデメリットも伴ってしまいます。

しかし「骨棘」がある方で関節の動きに制限がある方も、ほとんどの方が骨棘だけが制限の原因ではなく、軟部組織(筋肉、腱、靭帯、神経、皮膚、血管など)の柔軟性の喪失も合併しています。

股関節に「痛み」が続くと股関節の周りの筋肉に、常に異常な筋肉の収縮状態が持続し(攣縮)、

・股関節が後ろに伸びない(伸展制限)

・股関節が広がらない(外転制限)

・股関節が内側に捻じれない(内旋制限)

と言った「動きの制限」が起こります。

その結果、歩き方もビッコを引いたようになってしまいます。


しばしば「痛い方の足が短くなったような気がする」と訴える方がいらっしゃいます。

これには大きく分けて原因が2つ考えられます。

1つ目は「骨・軟骨」の問題。

2つ目は「筋肉・腱」の問題。

原因が「骨・軟骨」だけであれば正直「深圧」だけでは骨そのものを伸ばす事は出来ないですから、改善は難しいです。

しかし「筋肉・腱」の問題であれば改善は見込めます。

特に股関節が広がらなくなると、広がらなくなった方の足の骨盤が頭の方に上がった姿勢をとり、自分自身では股関節痛のある足が短くなったように感じます。

下図の向かって左側の骨盤が上に上がっているのが分かりますか?
その結果、足の骨の長さは左右同じなのに、実際の足の長さは左足が短く感じます。


いったい何が原因なのかはレントゲンを撮らなくても、メジャーを使って検査すれば、すぐにわかります。

原因の要素が「筋肉・腱」であれば、筋肉・腱を正常な状態に施術すると、足の長さは揃ってきます。

短くなった太ももの内側の筋肉を柔らかくし、伸ばす事で自分で感じる足の長さを両足揃え、ビッコを解決し、綺麗に歩けるようにしましょう




クッキー!
そんなところに居たら、気が付かないで踏んじゃうぞ~





股関節の不安を一緒に取り除きましょう








変形性股関節症 パート1

2011-06-23 10:52:26 | 日記
梅雨ではありますが、暑い日が続いています。

体調、崩されていませんか?

通勤などで電車に乗りますが「冷房ガンガン

節電でエスカレーター止めるのも良いですが、冷房温度低めに設定するくらいなら、冷房温度を高めに設定して、エスカレーターを動かして欲しいものです




『変形性股関節症』

・痛み

・関節の動きの制限(関節可動域制限)

・筋力低下
が主な症状です。

今後の経過を見るために、レントゲンを見た場合、CE角もよい指標になると言われています。



正常値は25°以上です。


多くの場合「痛み」が第一に現れる症状です。

「痛み」は主に体重をかけた際に強く出現します。

「股関節の動きが制限」されてくると、周りの骨盤や腰、膝にその分の負担が掛かるようになり、腰痛や膝痛を併発したりします。

そのため「深圧」では股関節を施術しただけで「腰や膝の痛みが取れた」と訴えられる方もいらっしゃいます。


「筋力低下」は痛みがある為に、日常生活の中で股関節痛のある方の足を使う量が低下し、症状(筋委縮)として現れてきます。

筋肉は使わないと小さくなります。

例えば、筋肉を1~2か月使わないとその大きさは正常の1/2になります。

また、瞬間的に筋肉が最大に発揮できる力は、1週間筋肉を使わないだけで10~15%低下します。

筋肉が使えなくなると歩行の耐久性が落ちたり、股関節周囲の筋肉の痛みが更に生じやすくなります。

これらは『変形性股関節症』自体が直接の原因ではなく、2次的な症状と考えられます。

つまり「痛み」が取れれば、この2次的を改善させることが可能だと言うことです。


正常の股関節にかかる力は歩いているときに片方の足が宙に浮き、片足立ちになった瞬間に体重の3倍かかります。

正常では片足立ちの瞬間に重心位置は、宙に浮いている足側の腰骨あたりにあります。

つまり下図の黒い丸印が重心位置になります。



片足立ちになった瞬間に上半身が左右に倒れないように「中殿筋」「小殿筋」が働き、骨盤を平行に保ちます。

しかし、股関節に「痛み」があったり、筋肉がうまく使えないと、自然に上半身を右か左に傾けるようになります。

例えば、股関節痛がある足で片足立ちになった瞬間に、上半身が股関節痛がある足の方に傾く理由は「中殿筋」「小殿筋」の力が少なくて済むように、かばっているのです。

言い換えると、この歩き方は身体全体をうまく使ってバランスをとる歩き方です。

この場合は、下図の黒い丸印が重心位置になり、上の図とは重心位置が変わります。



身体ごと股関節痛のある足の、股関節の上に重心を持ってくる事で、重心位置を股関節に近づけ、少ない筋力で歩けるように工夫した結果なのです。

これが「デュシャンヌ歩行」です。


この絵は最近、定番の絵ですね・・・。

また、「中殿筋」「小殿筋」の筋肉がうまく使えないことによって片足立ちになった瞬間に、もう片方の足側の骨盤が地面の方に下がる現象が出ます。

これを「トレンデレンブルグ歩行」と言います。


『変形性股関節症』のレントゲン上での変化は、まず関節の軟骨の異常から始まります。

次いで骨盤と大腿骨頭の骨の変形が起こってきます。

関節の軟骨には、栄養を運ぶ血管が通っていません。

軟骨は血液ではなく「関節液」と呼ばれる、股関節にある袋(関節包)の内側から産生される液体に栄養をもらっています。

これは、関節軟骨に対する圧迫除圧筋肉の収縮と弛緩)により「関節液」が軟骨内に入ったり、出たりする事で栄養を受け取ります。

従って、関節軟骨が元気に機能を維持するためには適度な、繰り返される圧迫除圧(筋肉の収縮と弛緩)が必要なのです。

この圧迫除圧とは、具体的には歩くことです。体重をかければ圧迫、体重を反対側に移せば除圧になります。

歩くということは関節軟骨の為にも非常に良いことなんですね

ちなみに、ここでマメ知識

関節軟骨には血管もありませんが、神経もありません。

ですから、関節軟骨は痛みを感じませんので、「軟骨が痛む」と言う表現は間違っています。



クッキー散歩 第三弾




股関節の不安を一緒に取り除きましょう

深いところまで失礼します。

2011-06-20 16:35:34 | 日記
股関節周囲の筋力と、関節の動き(可動域)は、一般的に放っておけば変形性股関節症などが進行するとともに低下すると言われています。

股関節外転筋(股関節を開く筋肉)は歩行時の骨盤の平行を保持するのに重要であり、歩き方に重要な役割を果たします。

従って、股関節外転筋が低下すると「トレンデンブルグ歩行」「デュシャンヌ歩行」がみられるようになります。




股関節外転筋は主要な筋肉が2つあります。

『中殿筋』

『小殿筋』

です。

聞いた事はありますか?



上の図で右側にある赤い筋肉が『中殿筋』です。

そして、その左側の股関節の一番近くにあるのが『小殿筋』です。


筋肉の役割分担は非常に複雑かつ面白くできています。

寝た姿勢で、股関節を内側に閉じた状態や、直立に立った姿勢のように真っ直ぐ伸ばした状態から足を広げる時は『中殿筋』が頑張ります。

しかし寝た姿勢で、股関節を外側に広げた状態から、更に外に広げる時には『小殿筋』の出番になるのです。

また、片足立ちをした時に働く筋肉も『小殿筋』がメインなのです。


よく歩行は、片足立ちを交互に行っている事の連続動作だと言われます。

実際には完全な片足立ちまでは体重は乗っていませんが、近いものはあります。

つまり、片足立ちで重要な『小殿筋』が健康に動いてもらわないと正常な歩行は難しいと言えます。


「深圧」ではベッドの上で、横向きになったり、うつ伏せになってもらいながら股関節の周りを肘を使って深く押させてもらっています。

これは、上図を見て分かるように指で表面を押しただけでは皮膚の近くにある『中殿筋』までしか圧が届かないのです。

この大切な『小殿筋』が正常に働くように施術を加えるため、肘を使って強く押します。

少々?いや、かなり痛いですかね・・・。


でもここは、こらえ時ですお客様!


重要な筋肉ですので少しの時間、ご勘弁を。

『小殿筋』をしっかりと回復させて、モデルのような歩き方を目指しましょう



クッキー散歩part2






股関節の不安を一緒に取り除きましょう








突発性大腿骨頭壊死症

2011-06-16 10:20:35 | 日記
Le Salon Ginzaで、これも多くの患者様が悩まされている「大腿骨頭壊死」

痛みは変形性股関節症と異なり、急激に襲ってきます。

この痛みは骨折に近い激痛です。

体内では、股関節の大腿骨骨頭が陥没し、骨折と同じような事が起きているからです。

しかし、この痛みはいったん軽快する事が多いです。


原因は大腿骨頭を通っている血管の異常により血行障害が生ずるものです。

血管に異常が起こり、大腿骨頭に血液と言う栄養が行かなくなる事で、骨が部分的に死んでしまうのです。

多くの場合、この動脈血管の内側が肥厚していることが見受けられます。

内側が肥厚していくと血液が、その部分を通れなくなり、栄養が骨まで運ばれなくなってきます。



また、「大腿骨頭壊死」の方はもともと「肝脂肪」「高脂血症」をもっている方が多い傾向にあります。

「大腿骨頭壊死」の方と話をしていると、「ステロイド使用」「アルコール愛飲」の方も多いです。

女性は「ステロイド使用」が多く、男性は「アルコール多飲」が多いです。



体内では痛みが出現した時点で、大腿骨頭が軽く潰れ始めていると考えられます。

壊死した側の足に体重をかける事で、壊死した部分がへこんだり、球状の大腿骨頭が平坦になったりします。(上図の壊死層)

ただ、壊死した骨と壊死していない骨(血管が通っている骨)の間には活発に修復へ向けた動きがある事が分かっています。(上図の増殖層)

修復の動きとは、具体的には壊死していない骨から、壊死した骨に向かって血管が伸びていく動きです
壊死した骨に再び完全に血管が通るまでには、年単位の時間を要します。


大腿骨頭の表面には関節軟骨があります。(上図参照)

関節軟骨は「大腿骨頭壊死」になった初期には正常のままです。

しかし、大腿骨頭がへこんだり、平坦になったりと進行していくと二次的に関節軟骨も破壊されたり、消失がみられます。


Le Salon Ginzaでは「大腿骨頭壊死」と診断されているが、手術をしないで頑張っている方がいらっしゃいます。

これは、私の中では驚きでした。

病院に勤めていたころは「大腿骨頭壊死」と診断されれば、手術が当たり前だと思い込んでいたからです。

勉強不足。知識不足でした。

それが、松本先生の考え方を聞いて根底を覆されたのですから、衝撃でした。


骨は自己治癒能力によって修復します。

人間のが生まれながらに誰しもが持った大きな力です。

使わない手はないですよね。

この自己治癒能力が更に効果的に体内で行われるように「深圧」で痛みをとったり、股関節の意圧迫を取り除いたりと、手助けをさせてもらいたいと思っています



クッキー散歩中

おしり、ふりふり!



股関節の不安を一緒に取り除きましょう




どちらかに当てはまりますか?

2011-06-13 11:24:43 | 日記

地震から3か月が経ちました。

自分が気づきもしない、様々な事に影響が及んでいる事を、Le Salon Ginzaに来ていただいている皆様と話をしていると切々と思い知らされます。

被災地の方を最優先に考えた政治を!!

と言うのが、何故、出来ないのでしょうか?

首相だけの問題なのでしょうか?

復興へ向けて前に!前に!進んでほしいです。




股関節に

・痛みがある方

・動きに制限のある方(股関節を閉じたり開いたりする動き)

・筋力の低下している方(股関節を開く筋肉)

は、おおまかに歩き方が2つのタイプに分けられます。



まず1つ目は「トレンデレンブルグ歩行」

これは、痛い足で片足立ちをすると良い方の足(浮かせている足)側の骨盤が下にさがります(上図の真ん中の絵を参照)。

特に「変形性股関節」「先天性股関節」「大腿骨頭すべり症」の方に多い傾向にあります。

これは不安定性を防ぐために、身体が無意識に行っている動きです。

股関節の周りの筋肉に持久力(筋持久力)の低下があると、それに相応して歩行時に地面からの衝撃を吸収する機能が不足し、それが原因で腰に痛みを起こす事があります。

腰痛の原因が背骨の周りの筋肉が原因ではなく、痛いところとは離れた場所の、股関節周囲の筋肉が原因と言うことがあります。

また、トレンデレンブルグ歩行を続けていると、大腿筋膜張筋と言う下絵の筋肉が必要以上に使われ緊張します。



緊張状態が続くと、筋肉は常に縮んだ(収縮した)状態になり、硬くなります。

そうすると筋肉内にある血管が圧迫され、筋肉を血液で栄養できなくなります。

こうなると筋肉は痛みを発するようになります。



2つ目は「デュシャンヌ歩行」と呼ばれます。

痛い足で片足立ちをすると、痛い足(立っている足)側に上半身が傾きます(上図の右の絵を参照)。

これは身体が無意識に、体重を痛い足の股関節(大腿骨骨頭)上にもっていき、

・痛みを軽減させたり

・筋力が弱い分を補ったり

している動きになります。


さぁ、みなさんはどちらかのタイプに当てはまったでしょうか?

一度、鏡の前に立って行ってみると良いかもしれませんね。


「深圧」では施術で

・股関節の痛みをとる

・大腿筋膜張筋の緊張を落とす

・股関節の開く・閉じる動きを出す

・痛い足に体重を掛ける

ことで「トレンデレンブルグ歩行」「デュシャンヌ歩行」の改善を図っています



寝起きでクッキーが伸びてます。




股関節の不安を一緒に取り除きましょう






先天性股関節脱臼

2011-06-09 10:46:58 | 日記
先天性股関節脱臼と言う名前を見ると

「お母さんのお腹の中に居た時から脱臼してたのかな」

「生まれる時、産道を通った時に脱臼してしまったのかな」

と言ったイメージを受けやすいと思います。

いかがですか?

でも、実際には出産時から脱臼は少ないのです

真の意味での先天性と言うよりは、多くは生後、何らかの環境が要因となって脱臼してしまう事がほとんどです


発生頻度は0.3~0.5%と報告されています。

1970年代前半までは発生頻度は5~6%と高かったようですが、育児法が改良され、

・服の改良

・抱き方の指導

・おむつ指導

等が徹底されるようになった1970年台後半からは、生後脱臼してしまう事が減少してきたようです。


先天性股関節脱臼の特徴は「開排制限」です。特に左右差がある場合に疑われます。

開排とは、仰向けで寝ている姿勢で、両膝を立てて、両脚を左右に広げる動きです。

次いで開排時の「クリック音」がよくみられます。

「クリック音」とは、足を開排すると『コリッ』と何かを乗り越えるような、スジの突っ張りが外れるような音が鳴ります。

更に下の図のように



大転子(足の外側で触れられる股関節の骨の部分)と坐骨の位置関係を診ることで診断できます。

脱臼があると大転子が下(寝ていた場合床の方)に落ちます。

また、脱臼側の足は短くなっています


治療の原則は開排位を保つことです。

そのために専用の装具が使われます。

1歳前後までは装具で整復可能であり、3~6ヶ月装着します。

脱臼が重度な場合には牽引を行います。

まれですが、1歳を過ぎてから先天性股関節脱臼が見つかった場合には手術になります。

手術後は半年位、装具を着用します。


私は今まで病院で勤務をしている間、変形性股関節症や大腿骨頭壊死の患者様を担当させていただく機会が多かったのですが、その方が、もともと先天性股関節脱臼があったのかを聞く事は、ほとんどありませんでした。

しかしLe Salon Ginzaで働くようになってから先天性股関節脱臼でお悩みの方が大勢いらっしゃる事をしり、衝撃を受けました。

同じ股関節の病気ですが、もっともっと勉強しなければならないと思う、刺激の多い今日この頃です。

みなさんと一緒に乗り越えて行きたいです


眠いのを必死に耐えているクッキー






股関節の不安を一緒に取り除きましょう

痛みと会話のキャッチボール!

2011-06-06 19:26:27 | 日記
先日、宮川先生のブログに登場した「コージーコーナー銀座店」に私も行ってきました。

生クリーム多めのシュークリームを購入し、頂いたのですが『絶品』でした!

しかも200円で、味と量からみたら値段も申し分ありません。

是非、皆様もle salon ginzaまで来た帰りにでも、場所は近いですから寄ってみたら、いかがでしょうか!?

お勧めですよ!




クッキーが「そ~っ」と隙間から覗いています。

下に続く・・・



痛みの発生には様々な原因があり、痛みはいくつかの種類に分けられます。

以下に痛みの種類をいくつか挙げていきます。

みなさんの痛みから、ある程度自分自身で診断をすることが可能です。

自分自身でお医者さんと同じように自分の身体を診断してみましょう。


①何処が痛いのか?

痛みの部位が何処なのか、はっきりさせましょう。

・一点が痛い場合

・一点とその周囲が痛い場合

・漠然とした全体的な痛みの場合

・「放散痛」と言い、障害を受けている部位と一見関係ないような部位の痛みとして感じられる場合

などがあります。

股関節など身体の深い位置に存在する器官は、痛みの部位がはっきりつかめない場合が多いです。

例えば、股関節の痛みは、太もものあたりに痛みとして感じられる事があります。

また「内臓放散痛」と言い、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などは背中に痛みが出現し、膵臓の障害は肩に痛みが出現することがあります。

内臓の放散痛も注意が必要です。



②どのような痛みなのか?

・「ズキッ」

・「チクチク」

・「ズキンズキン」

・「重たい」

・「ジンジンしびれる」

など痛みの訴えられ方は様々です。

「ズキッ」とするような短時間の動作に関係する痛みは、その動作に関連した組織に原因があります。

「チクチク」と刺すような痛みの場合は、皮膚表面の知覚神経が刺激されている場合が多いです。

「ズキンズキン」と拍動するような痛みの場合は、炎症が生じている時で、血液の拍動が刺激となり拍動性の痛みが生じます。

「重たい」ような鈍痛は、慢性疲労に関与した大きな筋肉の痛みが関与している場合や、変形性股関節症などの長い時間経過で生じた痛みが関与している場合が多いです。

「ジンジンしびれる」痛みは、しびれと称される感覚神経の障害から生じている場合や、自律神経の障害による血流障害から生じている場合があります。

このように、痛みの訴え方を聞くだけでも、おおよその痛みの原因を推測する事が出来るのです。



③いつから痛いのか?

痛みの発生した時間的経過をつかむことが大切です。

痛みには急に発生した「急性」の痛みと、いつから痛いのかはっきり分からない「慢性」の痛みがあります。

「急性」の痛みの場合は、何らかの組織が損傷を受け、炎症を引き起こしている場合が多く、まずは安静が必要となります。

「慢性」の痛みの場合には、安静は特に必要ありません。




④どのような時、どのような動作で痛いのか?

「運動時」に痛いのか、「安静時」に痛いのかでその意味合いが異なってきます。

「運動時」の痛みは関節軟骨の適合性に乱れが生じて、関節包に無理な力が加わり痛みを発生させている場合や、筋肉に損傷がある場合などがあります。

「運動時」の痛みは更に、「運動開始時」「運動中」「運動終了時」の痛みの発生時期を知る事で、痛みの原因の貴重な情報を得る事が出来ます。


「安静時」の痛みは、関節や筋肉自体に炎症がある場合が多く、滑膜の炎症、軟骨・骨の損傷がある場合が多いです。

この「安静時」の痛みは夜間になるとより強い痛みとして感じられます

「夜間の痛み」には2つに理由が考えられます。

1つ目は、夜間は本人の意識が痛みの部位に集中しやすく、日中は意識されなかったかすかな痛みも意識されるようになるからです。

2つ目は、日中何らかの損傷があったにもかかわらず、痛みが軽度であるため放置され、そのまま動いて無理した結果、関節や筋肉に少しずつ炎症が広がり、それがになって強い炎症となり、痛みとして感じられるようになる事もあります。




⑤痛みが発生してから現在まで、どのような変化をしているのか?

痛みは時間の経過とともに軽くなっていますか?

逆に次第に強くなっていますか?

2週間くらいの安静により軽減してくれば「炎症」により引き起こされた痛みです。

「関節液」が貯留しているような場合は、痛みの発生した翌日に痛みが強くなってきます。

数カ月の慢性の経過で痛みが強くなっている場合は「関節軟骨」の障害や「筋肉」の状態が悪化している場合が多いです。


痛みについての情報を正確に知る事が出来れば、痛みの原因を把握でき、痛みの解決法が見つかり易くなります。

みなさんの今、悩んでいる痛みは、どのタイプに当てはまりますか?


その後、何か気になるのか、更に首を突っ込んできました。

首しか見えないから、チョット怖い・・・



股関節の不安を一緒に取り除きましょう

足の裏の道を脱線しないでね!

2011-06-02 10:45:26 | 日記
股関節に問題が生じると、股関節だけではなく膝・足首と足全体の姿勢が崩れます。

そうすると足に体重をかけた際の足の中心軸が変わる影響で、足首かかとの周りに変化が起こります。

一般的に多い変化は、足首を後ろから見た場合にかかとが内側に倒れます。




その事が原因で、二次的に土踏まずも潰れてしまう事が多いです。

土踏まずが潰れた足の事を「扁平足(へんぺいそく)」と言います。

下図の斜線部分が本来ある土踏まず。

土踏まずがなくなると下図のように足の裏は真っ平になります。


このような姿勢で歩くと「トレンデレンブルグ歩行」になる事があります。

真ん中の絵がトレンデレンブルグ歩行の特徴的な姿勢。


つまり「トレンデレンブルグ歩行」であっても、股関節周囲だけを治療するのではなくて足全体の姿勢をみていく必要があるのです。


また、左右の足の長さが違う「脚長差」があると、問題が足だけではなく腰痛などへも悪影響を及ぼす事があります。

「脚長差」が歩行に与える影響としては、本来の足の裏を重心が移動していく道とは異なり、足の指の方まで体重が十分に乗らずに、地面を早い段階で蹴ってしまう(足がすぐに地面から離れてしまう)事が多いです。

そうすると、十分に前への推進力が得られず歩行速度が落ちたり、痛い足の方が反対の足に比べて体重が乗っている時間が短くなり、歩き方に左右差が出てしまいます。

本来の足の裏を重心が移動していく道とは下図のように、

かかとでから地面に着き→小指側に向かい→小指の付け根の方から親指の付け根へ向かい→親指の指の腹で地面を蹴ります。



それが「扁平足」だと下図のように、

小指の方へ体重は乗らず、かかとから直接親指の方へ真っ直ぐ体重が乗っていきます。



また「脚長差」があって、体重が前方まで乗り切らずに地面を蹴ってしまうと下図のようになります。



皆様の歩いている時の体重移動は、どのタイプでしょうか?

是非、本来の重心移動を頭において歩いてみることを試してみて下さい。

歩き方が少し良くなるかもしれませんよ


「扁平足」にはインソール、

「脚長差」には中敷の厚みで治療する方法もあります。



股関節の不安を一緒に取り除きましょう