笑顔あふれる生活へ!~股関節と共に~

田山陽平が、股関節とリハビリについて、皆様のためになる事を、選りすぐって書いています。
頑張ろう!日本!!

先天性股関節脱臼

2011-06-09 10:46:58 | 日記
先天性股関節脱臼と言う名前を見ると

「お母さんのお腹の中に居た時から脱臼してたのかな」

「生まれる時、産道を通った時に脱臼してしまったのかな」

と言ったイメージを受けやすいと思います。

いかがですか?

でも、実際には出産時から脱臼は少ないのです

真の意味での先天性と言うよりは、多くは生後、何らかの環境が要因となって脱臼してしまう事がほとんどです


発生頻度は0.3~0.5%と報告されています。

1970年代前半までは発生頻度は5~6%と高かったようですが、育児法が改良され、

・服の改良

・抱き方の指導

・おむつ指導

等が徹底されるようになった1970年台後半からは、生後脱臼してしまう事が減少してきたようです。


先天性股関節脱臼の特徴は「開排制限」です。特に左右差がある場合に疑われます。

開排とは、仰向けで寝ている姿勢で、両膝を立てて、両脚を左右に広げる動きです。

次いで開排時の「クリック音」がよくみられます。

「クリック音」とは、足を開排すると『コリッ』と何かを乗り越えるような、スジの突っ張りが外れるような音が鳴ります。

更に下の図のように



大転子(足の外側で触れられる股関節の骨の部分)と坐骨の位置関係を診ることで診断できます。

脱臼があると大転子が下(寝ていた場合床の方)に落ちます。

また、脱臼側の足は短くなっています


治療の原則は開排位を保つことです。

そのために専用の装具が使われます。

1歳前後までは装具で整復可能であり、3~6ヶ月装着します。

脱臼が重度な場合には牽引を行います。

まれですが、1歳を過ぎてから先天性股関節脱臼が見つかった場合には手術になります。

手術後は半年位、装具を着用します。


私は今まで病院で勤務をしている間、変形性股関節症や大腿骨頭壊死の患者様を担当させていただく機会が多かったのですが、その方が、もともと先天性股関節脱臼があったのかを聞く事は、ほとんどありませんでした。

しかしLe Salon Ginzaで働くようになってから先天性股関節脱臼でお悩みの方が大勢いらっしゃる事をしり、衝撃を受けました。

同じ股関節の病気ですが、もっともっと勉強しなければならないと思う、刺激の多い今日この頃です。

みなさんと一緒に乗り越えて行きたいです


眠いのを必死に耐えているクッキー






股関節の不安を一緒に取り除きましょう


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちょっと気になります (かおり)
2011-06-09 22:23:17
初めてコメントさせていただきます。
ちょっと気になる内容だったので質問です。
友達のお子さんがなかなかハイハイしないらしくあと1ヵ月たってもしないようだったら股関節が開きにくいのかも?って診断されたそうで・・・。
股関節ってハイハイにも影響ありますか?
それと、もう一人のお友達の子は3歳になるけど、すごーく転ぶんです。ちょっと歩くと転んでしまうので私は視力を疑っているけど、下半身の関節の不具合では?と言う意見もあり心配です。
もし診断してもらうなら小児科よりどこか別の科が良さそうだけど何科に行けばよいのですか?

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かおり様 (田山)
2011-06-10 21:37:15
コメント有り難う御座います!

どちらのお子様も、まずは整形外科を受診することをお勧めします。

例え、何もないにせよ、現状を把握しておくことは大切な事だと思います。

また、3歳のお子様の件に関しましては、整形外科・眼科・神経内科と色々な可能性が考えられます。

まずは整形外科受診をし、原因を探っていくことが良いのではないかと思います。
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