笑顔あふれる生活へ!~股関節と共に~

田山陽平が、股関節とリハビリについて、皆様のためになる事を、選りすぐって書いています。
頑張ろう!日本!!

「深圧」が対象とする病名は?

2012-12-24 08:41:47 | 日記
今年、最後のブログとなりました。

気合を入れて、長文です。

じっくり、ゆっくり飲み込みながら読んでみて下さい。


本文の前に、1つ告知を。

1月12日16時30分~の仙台出張施術の予約に空きがございます。

東北地方で施術ご希望の方は、松本深圧院ホームページから、お問い合わせください。

お待ちしております。






松本深圧院グループは、股関節専門を前面に出して、施術をしています。

それは特に、

「変形性股関節症」

「特発性大腿骨頭壊死」

「先天性股関節脱臼」

「先天性臼蓋形成不全」

などが代表例として挙げられます。


これらの診断名は全て「骨」に視点を向けてつけられた名前ばかりです。


しかし「深圧」で施術対象としているのは、主に「筋肉」です。

「骨」ではありません。

私共グループが対象にしている病名は、

『筋筋膜性疼痛症候群』です。

聞いたことがある方もいらっしゃれば、初耳の方もいらっしゃるかもしれません。


筋筋膜性疼痛症候群は、日本ではメジャーな診断名ではありません。

それは、一般的にもそういえますし、整形外科のドクターですら知らない人もいます。


これが、問題です。


筋筋膜性疼痛症候群を知らないドクターに診察に入ってしまうと、間違った診断名をつけられてしまいます。

例えば、

「坐骨神経痛」

「椎間板ヘルニア」

「脊柱管狭窄症」

「すべり症」

などです。


しかし筋筋膜性疼痛症候群は、診断がつけにくいのも事実です。

その訳は、血液検査・レントゲン・CT・MRI・病理検査など一般的に病院で行われる検査では何も異常が出ないからです。

そのため、医学界や患者様の間で病気の存在そのものが十分に認知されていません。

そうこうしているうちに、痛みがあるのに異常が出ないため、無駄な検査や治療が行われ時間だけが経過していきます。

結果的に慢性痛になっていまうケースが出てくる分けです。



筋筋膜性疼痛症候群は、筋肉や筋肉を包んでいる膜(筋膜)が原因となって痛みを引き起こす病気です。

痛み以外の症状としては、シビレ感・感覚鈍麻・筋力低下・関節可動域制限・筋肉の短縮が認められます。


筋筋膜性疼痛症候群の原因は、

急激に重いものを持ったり、習慣となった長時間の同じ悪い姿勢、筋肉に負担のかかる無理な姿勢、筋肉の外傷(転倒・事故)などによる、

繰り返し筋肉への過負荷をかけると筋肉に小さな損傷が起きます。

いわゆる筋肉痛の状態です。

通常この痛みは数日程度で自然と回復します。

しかし更に繰り返し筋肉に負荷を与えたり、冷えたりと血行の悪い状態ができ、

筋肉が収縮したまま戻らなくなり、硬くなります

こうなると自然回復することが出来なくなり、痛みを発生させます。

この状態が筋筋膜性疼痛症候群です。


変形性股関節症の方には、骨盤の左右不均衡や、脚長差が筋筋膜性疼痛症候群の原因になる事があります。


筋肉に硬い部分が発生すると、その部分の血流が悪くなり、その部位が酸欠状態になります。

酸欠状態が起きると、血液から痛みを出す物質が作られ、痛みを発生させます。

筋肉内の血流が悪くなり痛みが発生しますので、痛みが発生している付近に血流の悪さによる軽い、むくみが発生する場合があります。



筋肉の硬い部位に外から力を加えると、そこから痛みを強く感じる点が見つかります。

これをトリガーポイントと呼びます。

トリガーポイントは痛み物質によって刺激され、過敏になっているポイントです。

簡単に言うと、最も痛い部分・最もこっている部分・押さえると痛みが放散する部分をトリガーポイントと言います。


トリガーポイントからの痛みを感じ取った脳、脊髄が反射によって、興奮する神経を発信します。

そうすると更にトリガーポイントの部位と、その周辺の筋肉の血管収縮を行わせます。

するとトリガーポイントがある筋肉は持続的に収縮し、更なる酸欠が発生し、

再び血液から痛み物質が作られるという「痛みの悪循環」が出来上がります。

この状態は筋肉が弛緩できない状態と言えます。


トリガーポイントのある筋肉を収縮させると、痛みが増悪するので、

それを避けるために無意識に、その筋肉を伸ばした姿勢をとっている方も多くいらっしゃいます。


筋筋膜性疼痛症候群の治療法は、

筋肉内のトリガーポイントの筋肉の硬さを取る事です。

硬い部分で発生している血流の悪さによる酸欠状態を取る事により、血液内の痛み物質をの発生を止めさせます。

硬い部分での痛みを取ることにより、脳・脊髄の反射によって発生した痛みも取る事ができます。


ストレッチは筋肉を引き伸ばして血流の改善を促す事が出来ます。


「深圧」ではトリガーポイントに対して圧を加える事で、一度、血流を止めます。

その後、圧を解除することにより、一気に血流をトリガーポイントの部位に流れ込ませようとしています。

この血流作用により痛み症状に対して改善の効果が見込めます。

また筋筋膜性疼痛症候群には筋肉を鍛える事が逆効果になる事があります。

「深圧」で筋肉内の血流を改善し、栄養を筋肉の隅々まで送り届けましょう





銀座店は12月29日~1月4日まで、誠に勝手ながら、年末年始休暇を頂きます。

そのため、来週月曜日の31日はブログ更新を、お休みさせて頂きます。

新年一回目のブログ更新は1月7日を予定しています。

来年も宜しくお願い致します。

今年一年ブログに目を通していただき、また「夢」に会いに来ていただき、誠に有り難う御座いました。






散歩から帰って来ても、家に入りたがらない「夢」・・・

紐を引っ張っても、踏ん張って動きません。






股関節の不安を一緒に取り除きましょう







仰向けで寝る時に、膝の下にクッションを入れると楽じゃないですか?

2012-12-17 16:05:40 | 日記
股関節症の方の多くの関節可動域の特徴として挙げられることが、股関節を後に伸ばす動き(伸展)が苦手だと言う事です。


更には、股関節が伸展方向に動かなくなり、常に股関節を曲げた状態(屈曲)で日常を過ごし、歩いている方もいらっしゃいます。


何故、このように股関節伸展が動きにくくなり、股関節が曲がって(屈曲)しまうのでしょうか?


理由は、人それぞれ違った要因がありますが、根本の問題として、股関節の「内圧」が影響します。


関係してくるのは筋肉と靭帯です。

普段このブログでは筋肉の話が多いのですが、今回は靭帯の話をしていきます。


股関節の周りには靭帯がグルグルと巻きついています。

股関節の靭帯を前から

横から

後から

白く捻じれて巻き付いているのが靭帯です。


その中には体の中で一番強い靭帯も存在します。

この靭帯の巻きつき方に特徴があります。

股関節が真っ直ぐ伸びている時(直立姿勢)には、捻じれながら股関節に巻き付いています。

これが股関節を60度曲げると(屈曲)、靭帯の捻じれが取れて、靭帯が真っ直ぐになります。

言い方を変えると、股関節を真っ直ぐ伸ばしている時は靭帯の張りが強い状態です。

これを股関節60度に曲げると靭帯の張りが無くなります。つまり、靭帯が緩むのです。

向かって左が股関節が真っ直ぐに伸びている時の靭帯の状態。赤い線が靭帯の捻じれの方向。
向かって右が股関節を60度に曲げた状態。赤い線が靭帯の捻じれが取れて緩んだ状態。


向かって右が靭帯が緩んで、上と下の板の間隔が開いた状態。
向かって左が靭帯が捻じれている状態で、上と下の板の間隔が狭まり、関節だと圧迫が強まった状態。



更に言い方を変えます。

股関節を真っ直ぐに伸ばしている時は、靭帯がその張力で、骨盤と大腿骨を引き付けあうので「内圧」が高まります

しかし、股関節60度では、靭帯が緩むため、靭帯による骨盤と大腿骨を引き付けあう力が弱まり「内圧」が下がります


どちらの方が、姿勢が楽でしょうか?

当然、骨盤と大腿骨を引き付けあっている状態よりも、緩んでいる状態の方が楽になります。


これがタイトルにも書いた、夜寝る時に、膝の下にクッションを入れると痛みが楽になり、良く眠れる理由です。

股関節の「内圧」が下がるのです。

そのため股関節に痛みがある方は無意識に、仰向けの時に膝を立てます。

身体が、その姿勢の方が楽な事を知っているからです。


では、楽な姿勢が1番だから、常に楽にしていれば良いか?

と言えば、そうではありません。

始めに書いたように、股関節伸展の動きがドンドン低下してしまうからです(股関節伸展制限)。


そこで対策として挙げられるのが、股関節を真っ直ぐ伸ばしていても、痛みが出ない程度の内圧におさえる事です。


その為には、股関節周りの筋肉も、硬くなっていると靭帯同様に、骨盤と大腿骨を引き付ける働きをします。

これをおさえる為に、筋肉を正常の硬さまで緩めます

それと同時に、筋肉の更に奥にある靭帯少しだけ緩めます

何故、靭帯少しだけなのかと言うと、靭帯の役割は関節を安定させることです。

靭帯を緩めすぎてしまうと、関節の安定をが失われてしまします。

ここは気をつけなければいけないポイントです。


筋肉と靭帯を緩めるには、マッサージ・ストレッチが有効です。

靭帯は股関節に近く、奥深くに存在します。

その靭帯少し緩めるためには、なかなか指では届きません。

そこで「深圧」は肘を使って、奥の靭帯をイメージしながら、股関節に迫ります。

時には肘を立てて、奥を狙います。


この靭帯は、本当に深い場所にあります

皮膚から靭帯までの距離は遠いです。

まずは表面にある筋肉を緩め、表面の筋肉・深部の筋肉が緩むと、ようやく靭帯にアプローチ出来ます。

表面から順々に緊張を落として、仰向けで足を延ばした状態でも楽に眠れるようにしていきましょう



ちなみに、文章中に股関節屈曲60度と書いてあるのには理由があります。

股関節屈曲60度が一番靭帯が緩む角度、または「内圧」が下がる角度になります。

股関節が伸展した状態から屈曲60度に向けて徐々に「内圧」が下がっていき、

屈曲60度から更に深く曲げていけば、また「内圧」は上がっていきます。








何だか散歩が楽しいようです










股関節の不安を一緒に取り除きましょう








「歩いていると急に足の力が『ガクッ』と力が抜ける時があるんです」

2012-12-10 20:52:42 | 日記
「足に力が入らないんです」

「足から急に力が抜けてガクッとなるのが怖いんです」


という話を良く伺います。

中には、痛みは無いのに、力が抜ける事が心配で歩けないといった方もいらっしゃいます。


原因は、何でしょうか?


急に筋肉が無くなる訳は当然ないのに、実際にこのような事が起こる方がいます。


原因は「姿勢」「股関節の動き(可動域)」「筋力」と様々です。

しかし上記の3つの要素が全て別々に悪さをしている分けではありません。

それぞれが影響しあって、足に力が入らなくなるという現象を起こしています。


まず、一言でそれぞれの問題点を表すと、

「姿勢」・・・骨盤前傾と、反り腰(腰骨が前に凸)。


「股関節の動き(可動域)」・・・股関節が後に動かない、伸びない(股関節伸展可動域の低下)。


「筋力」・・・お尻の筋力(殿筋群)。


となります。


まず「筋力」の話からしていきます。

通常、歩いている時に使うお尻の筋肉の量は、お尻の筋肉に最大限に力を入れた状態を100%とすると、25%程度です。

これが股関節症で、上記のような「姿勢」「股関節の動き(可動域)」に問題があると、60%もの力の発揮が必要になります。

本当は一歩一歩の歩行で25%の力の発揮で済むものが、股関節症の方は倍以上の力を使って一歩を歩いていると言う事になります。

これは、疲れて当然ですし、隣で歩いている人よりも早く休憩を取りたくなるのも納得いきます。

この60%の力を発揮することが出来なくなった時に足が「ガクッ」と抜けてしまいます。

つまり言い換えると、股関節を後に動かす(伸展)筋肉を常に働かせないといけない状態と言えます。


股関節を後ろに動かす筋肉は、お尻(殿部)の筋肉です。

股関節症の方は、お尻の筋肉がこっている方か非常に多いです。

これだけの力を普段、発揮しているわけですから、こっていても頷けます。



それでは、どうすれば60%使っている力を25%に近づけられるでしょうか?

「筋力」に対しては、お尻の筋肉のコリをほぐすと、力が出しやすくなります。筋肉の持久力も出てきます。

ここでのお尻の筋力トレーニングは、お薦めできません。

何故なら、こり固まっている筋肉をトレーニングしてしまうと、更にコリが強くなってしまうからです。


「股関節の動き(可動域)」に対しては股関節が後ろに行く動きを邪魔している股関節の筋肉を緩めてあげないといけません。


「姿勢」に対しては骨盤を前傾から後傾になるよう調整していくことが必要です。

この骨盤の調整には筋力トレーニング(腹筋)も必要かもしれません(痛みが出ない範囲で)。

それとあわせて、背中の筋肉を緩めてあげる事も必要になります。


上記の対処法を組み合わせて、省エネ歩行を身につけていきましょう。

そうすると、足に力が抜ける事が無くなってきますよ






途中で散歩に疲れたのか、抱っこされている夢・・・










股関節の不安を一緒に取り除きましょう







股関節って、どこ?

2012-12-03 11:02:39 | 日記
股関節のある位置を正確にいえる方が、意外と少ないようです。

これは医療の勉強をしたプロにも言える事のようです。

先日、北海道の方から、下記のようなメールを頂きました。

ある接骨院に初めて行ったところ、担当の先生が「ここが股関節ですから」と指をさして説明したそうです。

その指をさした場所が、大転子だったと言うのですから驚きです。

このような事が無いように、股関節の場所を正確に覚えておきましょう。



股関節がある場所は、骨盤の一番前に飛び出た骨(上前腸骨棘)と、




太ももの骨(大腿骨)の一番外側に飛び出ている骨(大転子)結んだ線を想定します。




この線を3等分します。


その下1/3にあたる位置から内側に5~6cm進んだところに股関節の中心があります。




覚えておきましょう






散歩中の、夢の大あくびです








股関節の不安を一緒に取り除きましょう