笑顔あふれる生活へ!~股関節と共に~

田山陽平が、股関節とリハビリについて、皆様のためになる事を、選りすぐって書いています。
頑張ろう!日本!!

経験談。

2012-08-27 11:08:02 | 日記
このブログでキーワードのように、良く出てくる言い回しに、

股関節症の方は

骨盤が前傾しやすい」

と言うのと、

骨盤が前傾した結果

腹筋が使いにくい」

と言う言葉をよく使います。



今年初めに、このブログで話題に出しましたが、

私は、両側先天性臼蓋形成不全です。



そこで、私が昔から思っていた自分の身体の「?」をテーマにします。



10代の頃、私は野球を小学4年生~20歳まで続けていました。

そのため、身体は一応スポーツマン体系だったと、自分では思っていました(第三者からは分かりませんが・・・)。

私の周りも部活をやっていて身体が締まっている友人が多くいました。

中には腹筋が綺麗に6つに割れている人がいて、羨ましく思ったものです。

そこで自分も、あの漫画のような腹筋を手に入れようと決心し、日々、家で腹筋に取り組んだ時期がありました。

結果から言うと、いつまで経っても、私の腹筋は割れる事はありませんでした。

お腹を触ると、ちゃんと硬いんです。

でも、見た目は縦にも、横にも割れません。

なんだか筋肉の上に厚い皮膚が覆っているような感覚があり、なかなか腹筋が姿を見せてはくれませんでした。

そこで、腹筋はついているはずだから、表面についている、この何かを取らなければならないのだと思い、

これには有酸素運動が必要と考え、腹筋と併せてランニングを開始しました。


が、しかし、いくら走っても腹筋は割れる事はありませんでした。

この頃、体脂肪率は9%まで落ちていました。

9%は、イチローや中田英寿と、そんなに変わりません(長友は6%!)。

でも、腹筋は見た目には全然割れませんでした。


これが何故だろう?


自分の中に疑問として残っていました。



そして時は経ち、医学の世界に入り、理学療法士になった頃から気づき始めたのです。

問題は、自分の「骨盤前傾」と言う姿勢にありました。


10代の頃は全く思いもしなかった「姿勢」です。

実際、10代の頃にも、割れた腹筋が見えるようにとお腹に力を入れている時は、無意識に骨盤を後傾していたのを思い出します。

骨盤を後傾すると、普段は姿を見せなかった腹筋が表面に割れて現れていました。

でも、力を抜いてしまうと骨盤が前傾に戻ってしまって腹筋はまた、消えてしまいまいた。


これが問題だった事がわかりました。



つまり、何が言いたいかと言うと、

股関節症で骨盤が前傾してしまっていると、これだけ腹筋が使えない環境にあると言う事です。

腹筋は十分にあっても、その能力を日常で発揮できないと言う事が考えられます。


骨盤が前傾腹筋が使えないことが、足や腰などに様々な形で症状として現れます。


姿勢を意識する事が、身体に変化を出していくためには必要不可欠です。



では、股関節症ではない人や、骨盤が前傾していない人が、常に腹筋を意識して歩いているのか?

それは、意識していません。

ただ、意識をしなくても腹筋が必要な時に力が出しやすい身体の環境が整っています。

そのため無意識に腹筋が必要な時には身体が腹筋を収縮させています。

この状態になる事が理想です。



24時間「骨盤を後傾させる」ことや「腹筋を意識し続ける」ことは不可能です。

ふとした時に骨盤を後傾させ腹筋を意識してみて下さい。

それだけでも腹筋の収縮は少しの間、持続されます。

これを繰り返す事が大事です。


私も、意識する回数を増やしています。

皆さんも一緒に姿勢改善していきましょう。


勿論、骨盤後傾して痛みが出る方は、まずは痛みを「深圧」&「らっこちゃん」で取り除いてからですね





久しぶりの「夢」ちゃんです

だいぶチワワらしくなりました。

「待て」「お手」「おかわり」が出来るようになりました。

まだ「お手」と「おかわり」はゴッチャになっている感はありますが・・・。









股関節の不安を一緒に取り除きましょう












筋トレは本当に必要か?

2012-08-20 14:52:45 | 日記
今日はオリンピックメダリストのパレードがあるため、朝から銀座に向かう電車は混み込み。

パレード中、le salon ginzaの中で施術をしていても、

中継のヘリコプターや、救急車(熱中症で何人か具合悪くなったのかな?)の音で騒がしかったです。

銀座ではなくて、被災地でパレードした方が、被災者の励みにもなるだろうし、人も呼べて集客も見込めるから良かったのでは・・・。

と思いつつ。

都知事の力かな?

とも思ったりしています。





では、2週間ぶりのブログです。




股関節症の方が、一番耳にする機会が多い筋肉は「中殿筋」ではないでしょうか。



病院にかかると「中殿筋を鍛えために、横向きに寝て上になった方の足を天井の方に上げる筋トレをして下さい」

と指導されることが多い傾向にあります。


中殿筋とは、足を外側に広げる筋肉です。

また、歩く姿勢を正すために必要な筋肉と言われています。



この事から中殿筋の筋トレを病院では勧めます。


しかし、足に痛みを持った人が、本当に中殿筋の筋力をつける必要があるのでしょうか?


私が以前、務めていた病院の経験から言うと、

筋力があっても、歩く時に骨盤や肩が揺れる方がいました。

逆に筋力が無くても、上手に歩ける人がいました。



このことから、筋トレは必ずしも必要な手段ではないと思っています。


例えば、街中を歩いていて、

すごく細いガリガリの体をした年配の方が、腰を猫背に曲げ、両手を腰の後ろで組んで、杖なしで歩いているのを見た事がありませんか?


このような方は、筋力があるのでしょうか?


一般的な筋力の検査をした場合、筋力が無い、あるいは少ないと言う結果が出ると思います。

しかし、杖なしで一人で歩けています。


皆さんと、この年配の方の筋肉の量を比べた場合、どうでしょう?

足がガリガリな年配の方のほうが筋肉の量は少ないと思います。

でも、歩けるのです。


と言う事は、皆さんの筋力が足りていないかと言うと、そうではない気がしませんか?

世の中、肥満体質の方も中にはいらっしゃいますが、その中身が全て脂肪かと言うと、そのような事は決してありません。

脂肪があっても、その下には、十分な量の筋肉が存在しています。


つまり皆さんは、筋力は十分に持っている事が多いのです。

では何故、上に書いた年配の方のように歩けないのか。

その原因は筋力以外にあるということです。


理由はいくつかあるのですが、ここでは代表的なものを2つ挙げます。

1つ目は、筋肉の質の悪さです。

これは、筋肉の量は十分あるのですが、筋肉が凝り固まってしまっていて、持っている筋肉の能力を発揮できない状態です。

もう1つは、関節の動きの制限によるものです。

動きの制限は、骨によって制限されることと、筋肉などの軟部組織によって制限されることがあります。


この2つの原因を取り除くことで筋トレをしなくても、身体は大きく変化してくると考えています。


そのために自宅でも出来る事は、マッサージストレッチだと思います


筋トレが保存療法の全てでは無い事を知っておいて下さい。

筋トレは必要なタイミングがあります。

それは、筋肉の質が良くなったとき、あるいは痛みが無くなった時です。

時期を間違えないように注意しましょう。






股関節の不安を一緒に取り除きましょう










ROM(関節可動域)。

2012-08-06 19:30:25 | 日記
今回は、大作です。

と言うのも、来週はお盆休みを13・14日と頂いているため、

来週月曜日のブログ更新も休ませて頂きます。

そのため、2週間分の量にあたる文章を一気に載せました。

大変長いですので、2週間かけて、ゆっくりと吟味して読んで頂ければ幸いです。

少し内容も難しいかもしれませんので・・・。





関節の動きの事を「関節可動域」と呼びます。

医療の世界では「ROM」と言われます。


松本深圧院に通って頂いている、ほとんどの方に、この関節可動域の制限があります。

例えば、股関節が曲がらないくて、靴下が履きにくい。

股関節が広がらない。

などが、関節可動域制限です。


この関節可動域制限の原因の1つに加齢があげられます。

これは、誰にでも起こる事で、防ぎようのない面もあります。


問題は、それ以外の原因にあります。


その中でも大きい原因が「痛み」です。

痛みは活動性の低下をもたらします。

つまり、関節可動域制限を引き起こす直接的な要因は「活動性の低下」と言う事ができ、

その期間が長くなるほど関節可動域制限が著しくなります。


次のような実験が行われました。

ネズミの足首をギプス固定すると、1週間で関節可動域制限が発生し、

しかもギプス固定の期間を延長すると、それに準拠して関節可動域制限も進行することが明らかになりました。


他の関節可動域制限の原因として挙げられるものに「筋の収縮」「拘縮」があります。

「拘縮」とは皮膚・筋肉・関節包(関節を囲む袋)・靭帯などの関節の周囲にある軟部組織が変化し、

その柔軟性・伸張性が低下したことで生じた関節可動域制限です。

拘縮の場合、関節可動域を改善させるのに難しいのは、上記の軟部組織の中で、どれが原因なのかを探らないといけないところです。


再び、ある実験の話をします。

ネズミの足首を1週間ギプス固定した後、

ふくらはぎの皮膚と筋肉を切除し各固定期間の関節可動域制限に対する皮膚と筋肉の関与率を求めました。

その結果、皮膚は全ての固定期間とも約10%の関与でした。

筋は、1週後で80.5%関与していました。

従って固定による拘縮は、筋肉の変化が占める割合が高い事が分かります。


施術中、拘縮の原因となっている筋肉を触ってみると「硬い」「伸びない」と感じ取ることが出来ます。

これは筋の長さの「短縮」「伸張性低下」が起きているためです。

上記、実験においても、固定1週間後のネズミのふくらはぎの筋に「短縮」が認められました。

また、同様にネズミの足首を固定し、1~12週間固定し、ふくらはぎの筋の「伸張性低下」の推移を調査した結果、

固定期間が長期化するほど「伸張性低下」が顕著となる事が分かりました。

このように「拘縮」が発生した筋には、筋の長さの「短縮」と「伸張性低下」が影響を及ぼしている事が示されています。


筋の伸張力は、その大部分が「筋の線維」「筋を包む膜」によって発揮されます。

しかし、最近の研究の結果から活動性低下に伴う筋の伸張性低下に対する「筋の線維」の関与は少ないと言われています。

これに対し「筋を包む膜」を構成しているタンパク質であるコラーゲンが活動性低下によって

「量」「質」も変化する事が明らかになってきました。

このような変化が筋の伸張性低下、すなわち筋の「拘縮」の発生・進行の原因に大きく関与していることが伺えます。


再び足首を固定したネズミの、ふくらはぎの筋を使った実験の登場です。

コラーゲンの含まれる量は、その伸張性を決める要因の1つで、病気でコラーゲンの量が増加すると伸張性低下が起こります。

実際に1,2週間、足首を固定したふくらはぎの筋にはコラーゲンの量が増加していました。

この変化は「拘縮」の原因の1つと考えられます。


「筋を包む膜」のコラーゲンは網目状の形をしており、その伸張性は1つ1つのコラーゲンが十分に動くことで成り立ちます。

つまり「筋を包む膜」のコラーゲンは筋の「弛緩」「収縮」によって並び方に変化が生じると言う事です。

1,2週間足首を固定したネズミの、ふくらはぎの筋にも「筋を包む膜」のコラーゲンの並び方に変化が認められました。

従って、筋は活動性低下により「筋を包む膜」のコラーゲンの動きが減少し「伸張性低下」が起きると考えられ、

これは「拘縮」の進行の原因に関与していると思われます。



急性痛でも、慢性痛であっても痛みが発生している時には神経は興奮状態にあります。

この影響で運動神経が刺激され、安静にしている状態でも、筋は硬さを強めていきます。

そしてこの状態が持続してしまうと関節の周囲にある軟部組織(皮膚・筋肉・関節包・靭帯)は不活動状態にさらされることになり、

このことが直接的に影響し関節可動域制限が発生してきます。

また、筋の硬さは一時的な筋の収縮ではなく、持続的な収縮であるため、この筋の硬さは軟部組織の「貧血」を招き、

これが続くと新たな痛みを作ることに繋がり、いわゆる痛みの悪循環が形成されることになります。



次に、最近の人や動物を対象とした実験研究では、

ギプスなどで関節の一部を固定した状態にするだけで痛みが発生する事実が報告されています。

痛みが発生し始めるのは固定を開始して2週目からで、

それ以降は固定の期間に準拠して痛みが顕著になることも明らかになっています。


以上のように、痛みの発生による筋の硬さの悪化が関節の活動性低下を招き、

活動性低下そのものが痛みの増加あるいは新たな痛みを発生させ、

関節可動域制限も発生・進行するといった悪循環を形成していると考えられます。




では我々は、どう対処して言ったら良いのか。



まず、関節可動域制限の悪循環を断ち切る必要があります。

そして、いかにして活動性が低下している状態から脱却させるかが、関節可動域制限に対して重要なポイントになってきます。

活動性が低下する原因は「痛みの発生」です。

痛みを生み出す原因である筋の硬さを取り除くことが、

「痛みの緩和」

「関節可動域の改善」

「活動性の向上」


に繋がっていきます。

『深圧』で皆様の活動性を向上を目標に施術させて頂きます




実家にも、スッカリ慣れて、くつろいでいる夢です。




それでは、来週月曜日のブログはお休みさせて頂いて、次回は27日の月曜日に更新予定です。

宜しくお願いします。






股関節の不安を一緒に取り除きましょう