よむよま

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八月納涼歌舞伎第三部

2015-08-19 18:34:37 | 見る
八月納涼歌舞伎第三部は、「芋掘り長者」と「祇園恋づくし」の2本。
私はどちらも初めて見た。

「芋掘り長者」は狂言ふうの舞踊劇で、
三津五郎に捧ぐとなっている。
三津五郎が復活させた作品だそうです。
お姫様が婿選びをすることになって、舞いの名手を選ぶというので、
お姫様に恋していた、名手じゃない芋掘りの男が、名手の友達と一緒にやってきて、
面をつけて代わりに舞ってもらったけど、面を取れと言われてアタフタ、
結局、「芋掘り音頭」を踊ったらお姫様がすっかり気に入っちゃって、
最後は全員で芋掘り音頭をにぎやかに踊って幕、というのどかで明るい舞台。

芋掘りが橋之助、舞いの名手が巳之助、お姫様が七之助。

花道七三の近くの席だったのですが、国生(橋之助の息子)と鶴松クンがお婿候補の二人の若侍で、
裃・長袴の衣装で、花道で入れ代わりながら踊るの。
狭い花道で長袴で踊りながらすれ違えるって、歌舞伎役者じゃなければできない芸当だわ。

「祇園恋づくし」は、京都が舞台で、
京の茶道具屋の主人夫婦、その友達の江戸っ子の職人、夫婦の妹、彼女と恋仲の手代、祇園の芸妓などなどの
恋模様がいろいろもつれたりからんだりして、最後はハッピーエンドのお芝居。
京と江戸のお国自慢で喧嘩になるところが見せ場だったり、
主人夫婦を扇雀が二役でやっていて、
勘ちゃん(江戸っ子の職人)が「あんたたち、そっくりだ」なんて笑わせたり。
これは勘三郎が演じたものだそうで、
小山三さんが亡くなる前、「八月にやりなさい」と言ってたものだと勘ちゃんが話してる。
コメディだし、祇園祭りを背景にしてるから、八月歌舞伎にぴったりということね。

妹役を鶴松くんがやっていて、これは虎ノ介(扇雀の息子)が病気休演で代役がまわってきたのね。
大きな役です。代役は出世のチャンス。

妹と恋仲のなよなよした京男の手代をみっくんがやっていて、
なかなかおもしろかった。
みっくんはどうも、踊りより芝居のほうがよさそうな。

勘ちゃんは一人、江戸っ子の役なので、早口でポンポンポンポンまくし立てたり、
まあ、江戸っ子は慣れた役どころですね。
勘三郎がやったときは、この江戸っ子の職人と祇園の芸妓を二役でやったんだって。
今回は芸妓は七之助がやってるんですが、
ぜひ勘ちゃんに二役やってほしかったなぁ、いっそうおもしろくなったと思うが。

おもしろいものだなぁと思ったのは、芸妓の七之助がが出てきたとき、
その横顔がお父さんそっくりだった。やっぱり似てるのね。
コメント
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