よむよま

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+act 勘九郎インタビュー

2015-08-03 21:18:06 | 見る
「+act(プラスアクト)」9月号 勘ちゃんのインタビューがとてもいいです。

9月の赤坂大歌舞伎について聞いているが、これを聞いたときはまだ7月の「阿弖流為」の稽古中。
新作はセリフ覚えるのが大変、覚えが悪くなったとぼやいている。
以前は2、3回読めば覚えられたのに、と。
勘ちゃんはいま34歳。

身体能力が優れていますよねと聞かれた答えが、
「いや、そう見せてるだけです」
本当、まじでと言ってるけど、そうお?優れてると思うけどなぁ。
前にテレビで海老蔵の「鏡獅子」の、弥生が花道を走りこんでいくところを見たとき、
「あ、勘ちゃんて、身体能力凄いんだな」とわかったもん。(^_^;)

筋肉はトレーナーに、いい筋肉だと褒められると。
ただ、関節が弱点だから、そこは問題なのね。

「一回言われたことは次にはできるようにしておく、
見たもの聞いたもの、ハイ、やってと言われたらできるようにしておく、
歌舞伎のお稽古はそこからスタートするので」
ひゃ~

「阿弖流為」のいのうえ歌舞伎、野田秀樹、宮藤官九郎、コクーン歌舞伎などの話もいろいろ出て、
梨園というと上流階級みたいだけど、江戸時代は一番底辺の人間、
僕達が縛られずにいろんなことをやっていかないといけないと思う、と話し、
「とはいえ、一方で古典がちゃんとできなければ、ぶっ飛んだことやっても説得力がないので、
そこはしっかりやります。芯がなければダメ」と。
それは父の姿を見て、自然とそう思うようになった。
「ONE PIECE」の歌舞伎化は、出たくてしょうがないんだって。
スケジュールが無理だから、声だけでも出たいんだって。

と言いながら勘ちゃんは、
いまいろんなことが「歌舞伎だから」と自由にできるようになっている状況を、
「これからが難しい。なんでもできるからと、やればいいってもんでもない。
恐怖と覚悟をもってないといけない」

私が、勘ちゃん偉いなぁと思うのは、こういうところ。
冷静に把握してるところがある。

七緒八くんが病気したときに弟に、
「おまえが桃太郎をやるんだよ」と泣きながら遺言してたというエピソードも。(^▽^;)
それを見た勘ちゃんパパ、まさしく俺の子だと思ったんだって。
勘ちゃんも子どものころ、できなくて思い詰め、
家を出て九州に行って20年後に弟の襲名をこっそり見て泣いている、
というストーリーを妄想してたらしい。
新派にありそうな筋だわ。(*_*;

古典の継承については、
古典を代々教えていくことは、まちがいないように伝えていきたい。
回を重ねるとどうしても自分の感覚が入る、
そこは、教わったことと自分の感じたこと、別にして手渡すと言ってるのが驚きでした。
そこを混ぜてしまわないようにするって。
ほかの人はわからないけど、僕はそうやって父から教わったから、と。

勘ちゃんの話を聞いてると、あのお父さんはああ見えてちゃんとした役者だったんだねえ。
知らなかったわ。
コメント
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