よむよま

よむ・よまない、それから。

平成中村座 2011(つづき)

2011-11-09 21:21:16 | 見る
最初が「双蝶々曲輪日記」角力場(すもうば)で、濡髪が橋之助、放駒が勘太郎。
私、ずっとこの場の放駒は、生意気な若い子で大人の話を受け付けないと思ってました。
ちがったよ、勘ちゃんのを見たら。
人気力士の濡髪に勝って舞い上がってる若い子ではあるけど、まっすぐなの。
まっすぐだから、「わざと負けてやったんだから頼みを聞いてくれ」というのは、
とうてい受け入れられる話じゃないの。
癇癪を起して、座ってた縁台にまたがってガンガン跳ねるところも、
生意気な青二才的な感じじゃなくて、純粋に怒ってるの。
「頼みを聞けというなら、なぜ、負けてやったからでなく、
自分を土俵の砂にねじ伏せて言わぬのか!」って。
そうか!いい子だったのね!
贔屓目ですかしら?

勘ちゃんは決まり決まりの形がよくて、きれいだった。
といっても、斜め上から見てたわけですが。
でもサ、おお、いい格好だなぁと思ったんだもん。

勘太郎はもう一役、若旦那の与五郎がある。
こっちはいわゆる「つっころばし」というんでしょうか、じゃらじゃらとした役。
悪くないんだけど、じゃらじゃらし切れないのね、勘ちゃんは。
どうも、ちょっと「芯」があるのが出ちゃうのかな。
不思議と、古典的な狂言もののふにゃふにゃした殿様なんかはいいんだよねー。

二番目の「お祭り」が、勘三郎の復帰祝いの演目。
待ってました!の大向うの掛け声に応えるように、
「待っていたとはありがてえ」とセリフのある、粋でいなせで賑やかな踊り。
幕切れ、中村座のお得意の演出、舞台奥を開けます。
そこにはスカイツリーが見えている、はずです。
私の席からは見えないの。
江戸の鳶の頭が21世紀のスカイツリーを見上げている、という構図になっている、はずです。

勘三郎はやっぱりちょっと元気がないようすで、
そしてそれがちょうどいい感じだった。ほどがよくて。

最後が仁左衛門の演目で「義経千本桜」の渡海屋~大物浦。
渡海屋というと、眠いって印象なんですよね、私。
そしてやっぱり眠かったゎ。
斜め上から見る仁左衛門の横顔は実に美しかったけど。

碇をかつぎ上げた知盛の最期は、大好きなシーン。
先代の松緑で覚えてるけど、仁左衛門の知盛もカッコよかった。

花道で、知盛にわらわらとかかっていく源氏の武士たちの1人が、
ポテッと落っこちてました。
踏みはずしたというか。
昔の芝居小屋ふうに作ってるから、客席の前半分は平土間で、
花道も低いので大事にはならなかったですが、
真上から見下ろしてたので、オモシロカッタ。

今日の歩数計:6,209歩
コメント
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