硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

これも時代の流れというものなのかな。

2013-01-27 20:39:01 | 日記
随分昔。休日のお昼によく行っていたうどん屋さんがあった。 そのうどん屋さんは店は小さいが、そこそこの値段で美味しく、お腹いっぱいうどんが食べられたので、平日のお昼時や夕食時は随分繁盛していた。僕はなるべく込み合う時間帯を避けてカウンターに座り、注文したうどんが来るまでおじさんがよく読む雑誌に目を通すというスタイルなんだけれど、当時ははじらいがあったので書店では立ち読みしにくい雑誌でも、うどんを食べるという大義名分を盾にじっくりと読めるという楽しみもあった。
もちろん当時付き合っていた彼女にもよく一緒に食べに来たけれど。さすがに彼女がいるときは読まなかった。(笑)

時代が移り変わってゆくにつれ、その小さなうどん屋さんの通りにも多くの飲食店が建ち、現在までに店舗が入れ替わったり、現在は更地になったり飲食店ではなくなったりしたお店もあるけれど、その小さなうどん屋さんは変わらずにその姿を残していた。

僕がその小さなうどん屋さんに行かなくなったのは、一人暮らしのアパートを引き払い、実家へ戻ったからであるが、そのお店の前を車で通る度、「ああまだやっているんだなぁ」と感心していたのです。

しかし、時代は留まらない。一昨年その通りに全国展開をしているチェーン店のうどん屋さんがオープンした。

現在僕は小さなうどん屋さんへ一緒に食べに行っていた彼女ではない女性と結婚し、妻とはチェーン店の方へ食べに行った。理由は安くて早くて旨く、妻も好きだからなのだけれど、なぜだか妻とはそのお店には足を運ぶ気にはなれなかった。

そして、つい最近その通りを車で通る機会があって、うどん屋さんまだやっているのかなぁと思って流れる景色の中を見ていると、解体業者の人達がお店を解体している姿が目に入ってきた。

おもわず「あっ」と声が出てしまった。そして、心の奥にチクッとした痛みを感じた。

色々と頭の中に浮かぶ。でも、これが資本主義という経済の姿であることは受け止めなければならないのかなと自己完結する。

本当に勝手な感情だなと自身でも思うのだけれど、あの味を味わう事はもう出来なんだなと思うと少し淋しい・・・。










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