和歌山でゴールデンウィークを過ごしています。
緑の風に乗って鶯の声が谷あいを渡って行きます。
一年で一番いい数日間です。
今日は、早起きの村のおばあさんから取れたてのフキをいただきました。
もちろん採れたてですから葉っぱはついていないものの表面は黄緑色に輝いています。
さて、どうしたものやら・・。
とりあえずネット検索。「塩ゆでにする」そして「皮をむく」というのが、下ごしらえであることがわかりました。
そこで、家にある一番大きなおなべで2~3分茹で上げたところが、上の写真であります。
ご覧のとおり、自然に生えたものを採ってきていただきましたので、細身のフキたちです。直径1cm未満×長さ30cmほどのものが30本ほど。いただいたのは100本ほどにもなりましたが、とりあえずトライアルということで、これだけ茹でてみました。
水道水を流してさらしながら熱を取ったら、つぎは、薄皮を剥きます。端のほうからつめではさんで、ツイ~~~と剥きます。多くの場合、表をツイ~~~。裏をツイ~~、で残った部分のツイ~、ツイ~と3、4回で一本出来上がりという感じ。
で、この皮むきを午前中の明るい光の中でやっていると、結構気持ちがよい。ありふれた表現をすれば「都会暮らしでくすんだ心の薄皮を一枚一枚はいでいる。」といった状況であります。
野菜を料理するって結構こういった繰り返しの手作業がありますね。さやえんどう、グリーンピース、ソラマメといった豆方面の下ごしらえも筋をとったり、豆をはずしたり繰り返し作業が気持ちいい。そういえば、無限そらまめ、って発売になりました。無限ぷちぷちとか、、。そういう指を使った繰り返しは精神のどこかを清浄する効果があるようです。
さて、フキの薄皮剥き作業をおえて、とりあえずお味見ということで、手近にあった、金山時味噌をちょいと乗せていただきました。
う~~~む。まさに5月の薫風の味であります。
ここから、炊き込んでいくわけですが、お袋はいつもは佃煮にしてしまいます。そりゃそうで、いつも結構大量にいただきますから、そうすれば日持ちもする。実際冷蔵庫には今もフキの佃煮があります。
今回は、こちらのサイトを参考に「ふきの旨煮」に挑戦しました。
・出し汁(即席だし粉で作る) 5
・薄口醤油 2
・味醂 1
以上を、長さ2~3cmに切ってなべに入れたフキひたひたに注ぎ、火をつけて沸騰したところで火を止める。
あとは、さめるとともに味がしみこんでいくのを待つだけであります。
さて、出来上がりは。ま、まずくできるはずもなく。シャリシャリとした歯ごたえとともに、酒のあてには最高の春の珍味が出来上がったのです。
季節を味わう。
それは、朝の早くからフキを刈り、私に届けてくれた、村のおばあさんのお気持ちを味わうことでもあるのでした。