誰が日本の広告を変えていくのか?【IPTV】

2008年10月26日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
写真はシャリが違う江戸前寿司こちらを参照ください

私は幸いなことに新幹線に乗れば3時間ほどで東京に行けるので、貴重なセミナーを聴くことができます。

今回下記のセミナーに行ってまいりました。

メッセージワイアードビジョン主催・IPTVセミナー第2回
「IPTVビジネスはどのようにデザインされるか--コンテンツ制作の現場から」

<内容>
1:ITU-T ─ IPTVの国際標準化最新動向:岸上順一(NTTサイバーソリューション研究所・所長)
2:NHKオンデマンドはどのようにプロデュースされるか:元橋圭哉(NHK-Ondemand方面の方)
3:新しいデジタル公共圏の出現:水島久光(東海大学文学部広報メディア学科・教授)
4:オープンコンテンツ時代の到来:角川歴彦(角川グループホールディングス代表取締役会長)

私は用があって、角川歴彦氏の講演は残念ながら聴けなかったのですが、岸上氏、元橋氏、水島氏の大変興味あふれる講演(というよりは講義)を聴くことができました。

IPTVというお題でのセミナーではあったのですが、私には「テレビ放送のオンデマンド化」に対するビジネスデザインについての議論であったように思います。このあたりはご参加者の立場ごとに違う味わいがあると思うので、あくまで私の受け止め方を記します。

動画(テレビ放送番組を含む)のオンデマンド化は、技術的には既に完了されていると言えるでしょう(画質は別にして)。
それが、ビジネスとして成り立つのかどうかは別にして、YOUTUBEやニコニコ動画などのCGMovieや、GYAOやISPが提供する動画コンテンツ、さらに、企業サイトに上げられている数限りない、いわゆるブランデッドエンタテインメントビデオ作品など、インターネットを経由して多くの人が「見たいときに見たい動画が見られること(VOD)」を体験している。

したがって、今回は、"動画のオンデマンド化"では無く、あくまで"テレビ放送のオンデマンド化"についての議論であったことを押さえておかなければならないと思います。

そういった視点で三者の講義を私なりに解釈すると、下記のようになります。

  • 岸上氏:単にテレビがIP伝送路を流れていくのでなく、NGNというネットワークに流れるIPTVは高品質を担保して視聴者に新しい興奮品質を届けるようにならねばならない。
  • 元橋氏:テレビ放送とは映像ジャーナリズムと文化創造という使命感を持つからこそできる、価値あるコンテンツを造り、届ける活動である。コンテンツに価値があれば、出口を問わず伝達するべしである。
  • 水島氏:IPTVを公共財としての放送サービスの延長に位置づけ、公共性を担保するために一定の秩序が必要である。

    そして、三者の主張を一つにすると
  • IPTVとは、テレビ放送事業者がジャーナリズムとしての使命感を持ち、視聴者に興奮品質レベルで高品質な番組を、高い公共性を持って届けていく、文化創造活動である。

    とまとめてみました。

    テレビ放送が新しいステージに立っていく(立たなければならない)という主張がこのセミナーで感じられたのであります。

  • そもそも、テレビ放送がVODに適するのか。
  • メディアはあくまで一つの主張の形であり、すべての人達の意見は代表できないのではないか。
  • 公共性は国体がベースになる。国体は政治制度であり、政治体制の整備・維持は別のシステムでの議論ではないか。

    といった派生する議論がいくつか思いつけるのですが、メディアの変化は極めて広い場でさまざまな議論を巻き起こす可能性があるわけで、今という時代がそれほど多様性に満ち満ちた状態であるということとも言えるでしょう

    いずれにしてもすべてのメディアはコンテキストを持つわけで、広告は、メディアの持つコンテキストに沿って対象商品を表現することであり、そのコンテキストに乗らない商品はそのメディアを使って広告するべきではない、と感じています。

    広告でメディアを維持しようとするのであれば、そのメディアが持つコンテキストと広告収入をあらかじめ、よくよく計算しなければならないでしょう。

  • 門前仲町寿司あおき:容疑者Xの献身:共時性

    2008年10月25日 | 人生はマーケティングもある。
    今年の私の人生のテーマは"共時性"にあるのですが。こちらをご参照ください。

    この週末にもまさに共時性を感じさせる出来事がありました。

    23日(木)に本当の江戸前寿司を門前仲町の「寿司あおき」でいただく機会を得ることができました。私、こう見えて(どう見えて?)関西人でありますが、寿司は大好きです。それと共に、生魚(刺身)も大好きです。

    それと、食べ物というものは、本場で喰ってから判断せよ、という祖父の遺言もありますので(ナイナイ)、本場で本当のものをいただくというのを食人生において外してはいけない規則にしています。

    で、今回幸せなことに「寿司あおき」で、江戸前寿司をいただくことができました。

    結論的に言わせていただくと しゃりが違う

    一貫を口にほおりこみますと、シャリが口の中にパラパラと広がります。そして、そのまま噛むと刺身の魚肉がばらばらになります。
    パラパラと散らばった一粒一粒のシャリの上に噛んで細かくなった魚肉の肉片がひっついて、魚肉+寿司飯=にぎり寿司という方程式が完了するわけです。誠に旨い。

    関西のにぎり寿司は残念ながらそういった環境にはありません。

    大阪寿司は箱寿司を基本としますので、押して形になるために寿司飯はどうしてもやわらかめになります。ぱらっとした寿司飯だと形の保持ができませんから、これは仕方が無い。形だけ整えるから後はオマエラがんばってなぁ、という無責任的自己責任が関西の寿司といえましょう。

    今回、本当の江戸前寿司をいただいたのが、門前仲町の寿司「あおき」さんでございました。そして、門前仲町という江戸時代からの下町=江戸前の中の江戸前=でなければいただけない味という必然性を感じていたのでした。

    鮨あおき (寿司 / 門前仲町)
    ★★★★ 4.0


    <>

    で、これでこのエントリーが終わってしまうと件名はただの"釣り"かよ、ということになるのですが。

    今日、福山雅治と柴咲コウという出演者情報以外まったく事前情報を持たないまま(厳密に言うと面白そうだという情報は持っていましたが)、映画 "容疑者Xの献身" を見ました。

    この映画で容疑者Xが住んでいるアパートは、都営地下鉄浜町の先の新大橋のあたりに設定されています。

    一昨日寿司を食べていた門前仲町から2Km ほどのところでしょうか。このあたりも江戸前な場所と言えましょう。

    映画で出てくるアパートがたまたまそこであって、中央線吉祥寺であっても、東横都立大学駅前あたりであってもいいじゃないかと感じるのは自然な思考だと思います。

    しかし、私が食べた本当の江戸前寿司が門前仲町であることが必然であるように、映画"容疑者Xの献身" の場所が都営地下鉄浜町あたりでないとならない必然があるのです。

    これ以上は、ネタばらしになりますので止めることにします。

    (1)の現象が、他の現象と独立して必然的にある。
    (2)の現象が、他の現象と独立して必然的にある。

    そして、現象としての(1)と(2)がそれほど時間的距離を隔たずに現前に現れる。

    それこそが、共時性、というものだと感じています。

    この件について湯川准教授の論理的な解釈を聞きたいものです。

    阪神高速道路5号湾岸線中島パーキングエリア

    2008年10月13日 | 人生は旅である。
    この3連休(2008年10月11日~13日)は天候に恵まれて、秋らしい晴天が続きました。

    日本中の観光地は人並みでごった返しているように、各地の高速道路も渋滞が発生したことだと思います。

    阪神高速道路5号湾岸線中島パーキングエリアからは、こんな"フェニックス"のような雲が見えました。

    日本初の海上パーキングエリアとしても有名な「中島PA」。
    レストラン「プラージュ」からは大阪湾が一望でき、窓一杯に海の眺望が広がります。(阪神高速道路株式会社のサイトから

    こちらのPAはなんと無料の無線LANサービスが提供されているということです。

    海に面した無料休憩所で、写り行く空模様を眺めながら一仕事にも適したサービスエリアですね。

    あなたは、どんな3連休を過ごされましたか?