第24回情報通信学会大会聴講レポート

2007年06月24日 | 人生はマーケティングもある。
タマ@第24回情報通信学会大会聴講レポート(1/3)


文中【】内はタマの意見・補足です。

情報経済研究会発表
「映像コンテンツの国際流通」

発表者 
内山隆(千葉商科大学)
細谷遊(株式会社シュヴァン)
菅谷実(慶應義塾大学)


≪著作権処理の国際化状況≫

1.基本的な問題意識

 映像コンテンツの国際流通というテーマにおいて、著作プロセスのモジュール化
 とともに、それぞれのモジュールにおいての著作処理といった「デザインルー 
 ル」の共通化が重要なものになってくる、という問題意識から、細谷氏が中国・
 日本・韓国の著作制作と著作権利管理について、調査を行った。

2.中国・日本・韓国におけるコンテンツ権利管理の実態調査報告(細谷遊氏)

 日本と他の2国との比較において著作隣接権を管理するという機能で差がある。
 中国・韓国において、著作隣接権に関する条約は批准されていない。
 【著作隣接権:著作物を伝達する場合に、実演家、レコード製作者、放送事業 
  者、有線放送事業者に与えられる権利で、もとの著作物の著作権に抵触しない
  範囲で伝達者に認められる権利。】

3.権利団体という組織は日中韓ともに現存しているが、著作管理全般にわたって存
在しているとはいえない。

 韓国と日本は集中管理している権利団体があるといえるが、中国において、文 
 芸、レコード、実演を集中管理する団体が無い。
 【したがって、CD海賊版問題は制度的に現出するのは当然ともいえる。もちろ 
  ん、中国では制度作成に向かっている。】

4.紛争処理

 中国は政府コントロール主義であり、すべての紛争を政府が判断するというスタ
 ンス。日本は、すべてを当事者どうしの係争で処理するという方式自体を再考し
 ている状況である。

5.共通課題:海賊版対策

 各国とも、海賊版対策については、大きな課題として取り組んでいる。
 【ネット時代において、海賊版の定義自体が変わりつつある中で、既存のメディ
  ア定義にあわない状況が現出していることを十分に考慮しなければならない】

オールドコンテンツをニューメディアに流すにあたってのもろもろの課題

1.基本的な問題意識

 日本のコンテンツを国外へ、またIP(インターネット)へ発信しようという国策
 があるが、なかなか、うまく行っているとはいえない。
 なぜか?という問いかけに対して、一般仮説して「著作権と海賊版」が提示され
 る。
 しかし、コンテンツ流通の現実をとおして内山氏が別の仮説と課題を提示した

2.内山仮説
 ・コンテンツ流通においての信頼確保
 ・市場規模に応じたビジネスモデルの確立

3.現実に即した問題定義

 まず、メジャーコンテンツと小資本コンテンツ、または、営利性物と芸術性物を
 同じ流通チャネルに流す必要があるかという、問題定義をした。
 量的にどんどんOKOKOKと流通して、現存の(コンサバな)事業者にうまみがある
 か?情報の渇望感(今しか流れないよ)を使ってより高値でコンテンツを配信す
 るという、希少性を元にしたモデルが今までの媒体ビジネスであり、そこに、大
 量・時間限定なしのコンテンツが流れることが、必ずしも「良い」といえるかと
 問題定義した。

4.日本のコンテンツの国際化に立ちはだかる問題「日本の映像のジレンマ」

 ・アジアの国は身近に感じて日本コンテンツを受け入れてくれるけど、アジアの
  人たちは貧乏だ。 
 ・欧米は金持ちだけど、日本コンテンツはあくまでニッチだ。

5.課題

 大手資本は、マーケットや見本市(映画祭)からエージェント経由で販売、小資
 本は、IPでゲリラ的に販売という流通が認められてきているが、そのあいだに、
 いまだに大きな壁が生じており、連続性がないためにいくつかのコンテンツ流通
 が阻害されていると思われる。

6.情報流通の進歩とビジネスの深化(ステルス化)
 活発な取引は、深いところ(信頼と情報流通の高速化)で、行われるようになっ
 ており、見本市(トレードショー)は単なるブランディング行為の場になりつつ
 ある。そしてこの取引のステルス化は、取引関係の固定化(仲間取引)による、
 排他的市場を形成している
 一方で集中豪雨的コンテンツ輸出をすると、すぐに枯れるという状況もある。日
 本においての韓流ブームはすでに過ぎ去って、韓国映画市場はシュリンクしてい
 る。日本アニメも、状況は似ているかもしれない、

 【基本的に日本語でつくられた日本アニメは本当に強いといえないね。バイリン
  ガルで作られた「レジェンド」はどうだったのだろうか?】
 
 一方テレビゲームは、、どうよ。
 欧米市場に特化した形での展開がゲーム市場では貿易黒字を達成している。(ぱ
 ちぱち)。
 
【つ~か、「ゲーム市場」そのものが日本オリジナルにつくられた市場といえない
 か?また、ゲームコンテンツ市場そのものに、地域性(日本という地域性が)無
 いと言えなくないか?】

7.結論的に

 ネット時代のコンテンツ取引は「信頼感の醸成」が重要である。
 急速な拡大は文化的な反動を引き起こすかもしれない。


質疑応答

1.コンテンツ流通の壁はなんでしょうか?

 日本テレビの田村氏【って田村和人第2日本テレビ事業本部次長 か?】
 コンテンツ流通の拡大において、著作権処理が大きな壁になっているという実感
 はある。ただ、その議論の中に「ビジネス性」が不足しているんじゃないかと思
 う。広告市場においても、(Gyaoとか、Yahoo!動画とか、ネットメディアにおけ
 る動画広告などの)ネット広告に、市場性が小さいので、コンテンツ流通って 
 いっても大きな論議になるほどではない。
 【どうせ、ネット広告市場はちっちぇ~よ。ぶつぶつ】

2.権利処理がうまくいくために重要なのは「法整備か?」「実務か?」

 法律は整備するけど、実務に追いつかない。実務の積み上げが秩序をつくるので
 はないか。たとえば、現場の取引のなかで、「全体の1.5%ぢぁあ払えね~よ~、
 じゃあ一個0.5円だぁ・・」みたいにして秩序が出来てくるのではないか。その
 ために、YOU TUBE的、とりあえずやっちゃおうよ的文化が解決策になるかもしれ
 ない。

3.コンテンツ流通において、コンテンツの良否を判断する技術をどうするべきで
しょうか?

 いままで、市場取引で行われていたステルスな「信頼」を含めた”暗黙知”が” 
形式知”になるよう手法を開発しなければいけないだろう。

 【おいおい、コンテンツの良否は、結局"めきき"だよ「目利き」。そんなもの形
  式知にできね~だろぅ?そこがプロ・商売人・匠の技って~やつじゃねえ  
  かぁ・・・・。】



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1 コメント

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初めまして。 (ミナ)
2007-06-26 08:19:37
初めまして。
ここに書き込むべきか悩んだんですが
あたしは銀魂ファンです!!
そこで銀コレの銀さんをとっても探しているんです!!
ブログを拝見させて頂いたところ、
お持ちのようで・・・。
良かったら譲っていただけないでしょうか?
返信コメントお待ちしています。
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