セカンドライフでのプロモーションについての一考察:真性同期型

2007年11月15日 | 人生はマーケティングもある。
リンデンラボのセカンドライフでのコミュニケーションの特性についてWiredVisionで濱野智史氏がかなり長文の考察を上げられています。



ここで、濱野氏は
『「(セカンドライフは)コミュニケーション空間に参加する主体が、同じ現在(時間の流れ)を共有するという、インスタント・メッセンジャー(IM)やチャット等と同じ性質を持っています。つまり、セカンドライフは「真性同期型」のアーキテクチャであるということです。」』

そして、

『セカンドライフが取り入れているのは、誰もが自由にオブジェクトを持ち込み、仮想空間上の土地を所有することができるという、いわゆる「UGC(User Generated Contents)」のプラットフォームとしての性質です。』

としています。

以上の観点をベースに考えると、セカンドライフで"楽しいコミュニケーション"を体験するという状況は。「そこで、何かを作ること」そして、「そこにいる人たちと同じ時間を過ごすこと」と言えます。私の個人の体験でも、どこか知らぬ入り江の画廊で、奇妙な魚の絵を前にそこにいた画家と「これは貴方の絵ですか?」「はいそうです。」「そちらはどちらですか」「はい、カナダ東海岸です」といったコミュニケーションに、空間を越えた不思議な同期感を覚えたものです。

ただし、

『実際には、「プライベートSIM」(企業がセカンドライフから購入するメタバース上の「一区画」)に「共在」できるユーザーの数は、現在のところだいたい 40人から50人程度が上限になっています。つまり、セカンドライフは、実際には同じ場所を共有できるユーザーはかなり小規模だということです。』

というのも事実であり、仮に、企業のプロモーションSIMを想像すると、ある時間に数十人の人がそのSIMに集まって、何かをする、と言う状況はあまり起りえず。せめて、私とその企業の担当者(たいてい立ったまま死んでいることが多いですが)が、サシで何かを話すとか、2~3人でゲームをするといったところが精一杯かと思います。

たいてい一人しかいないのであれば、リアルタイム3Dといった空間はただ目新しいだけでwebサイトでのプレゼンテーションとたいした差はないと感じられます。

ついでに書くと、「Akiba」SIMにある有名な 「Arare Cafe」には、いつも数人以上のアバターが集まっていますが、それぞれのアバターが着ている色とりどりのコスチュームを楽しむ以外は、現場でなされているのは単なるマルチメンバーチャットなわけで、こちらも別にリアルタイムに3D画像を処理するほどの環境で行われなければならないようなコミュニケーションじゃないよな、と正直思うこともあります。
ArareCafeについて

濱野智史氏の考察は数回にわたって続くのですが、企業SIMの運用については、「訪ねても誰もいない」というのは「当たり前」という状況を元に考えた方が良いように思います。たとえば、足あと機能といったものの実装といった対応も考えられます。

「人の入っていない感」と言う印象を与えると言う意味では、企業のショールームも実はこれとおんなじことなんですけどね。(だから、長続きしない)


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