味を感じる舌にある感覚器官を味蕾(みらい)といいます。
ネコの舌には味蕾は470~780ほどしかありません。
イヌは1700個、ヒトは9000個といわれています。
体の大きさ、舌の大きさが違うので、単純には比較できませんが、ネコの舌には味蕾が少ないのです。
味蕾も、甘味、酸味、苦味、うま味、塩味など感じる物質によって違いがあり、5つの味蕾があります。
ネコで一番敏感なのはうま味です。これはアミノ酸を敏感に感じるところです。
ネコは肉食に特化した動物ですので、アミノ酸の豊富な新鮮な肉の味に一番敏感なのです。
もう一つ敏感なのは酸味です。酸っぱい味はネコは大嫌いです。腐った肉は酸味がします。
酸っぱさを感じる味蕾で、すっぱい腐った肉を食べないようにしているのです。
いま人気のおやつ「ちゅーる」には、ネコの大好きな味のアミノ酸がたくさん入っています。
当然、ネコはうま味を刺激するチュールにはぞっこんになってしまうのです。
肉類しか食べないネコにとって、まずアミノ酸を含む肉かどうか、
そして、それが傷んでいないかどうかが分かれば、舌の役目は十分なのです。
人間は沢山の味蕾を使って、微妙な味わいを楽しむことが出来ますが、
ネコはそんなことは生きる上で必要には感じていないのですね。
とくに、甘味が大好きな(先祖が果実を主食としていた)人間にとって、
甘いものにまったく無関心なネコは不思議な存在と思うかもしれませんが、
甘味の味蕾を持たないネコは、甘味は生きる上で必要ない味だったのです。