数日前のニュースに、7世紀のモンゴルの墓から「高松塚」に似た青龍、白虎が描かれた壁画が見つかったというものがあった。
以下、記事から引用。
モンゴルの中部、ボルガン県の草原で、極彩色の壁画を備えた突厥(とっけつ)時代の有力者のものとみられる墓が見つかった。
日本の高松塚古墳やキトラ古墳に描かれた「四神」の青龍、白虎の特徴を持つ生物や、西洋、中国の多彩な人物の姿が描かれ、当時の活発な東西交流を伝える発見だ。
7世紀のアジアというのは驚くほど国際交流が盛んで、知れば知るほど興味深い時代だが、これもまた当時の文化交流を示すものでとても興味深い。
突厥というのは、6世紀中央ユーラシアに存在した遊牧国家である。
代々の王の名は可汗(カガン)と呼ぶが、カガンとかカンというのは伝統的に中央アジアで王の呼称として使われてきたもので(cf:チンギス・カン=ジンギスカン)、新羅の始祖「赫居世」(ヒョッコセ)の王号が「居西干」(きょせいかん)であったり、5世紀から6世紀にかけての新羅の王が麻立干(まりつかん)と呼ばれていたのも中央アジアとの関連をうかがわせる。
ところで、唐の将軍として高句麗戦で活躍した契苾何力(ケピルハリョク)は、もともと突厥の王子だった。「日本書紀」にも次のような記録が残っている。(「日本書紀」上では、「契苾加力」(けいひつかりき))
『日本書紀』巻二七天智天皇即位前紀
斉明天皇七年(六六一)七月是月◆是月。蘇將軍與突厥王子契苾加力等。水陸二路至于高麗城下。
是の月に、蘇將軍と突厥の王子契苾加力等と、水陸二路よりして、高麗の城下に至る。
ちなみに、ドラマ「ヨンゲソムン」でケピルハリョクを演じたのは、「朱蒙」でモパルモ親方役だったイ・ゲイン氏だった。