(またしても)唐突だが、あるお笑い芸人さんにご登場いただいた。
彼の名は、諸見里大介。
先日の「アメトーーク」スペシャル「滑舌悪い芸人」の中でも一際異彩を放っていた、愛嬌あるキャラクターの持ち主である。
最大の特徴はサ行の音がシャ、シュ、ショにしか聞き取れないというその発声。
サワーはシャワーに、ローソンはローションに、赤坂サカスはアカシャカシャカシュにしか聞こえない。
いささか強引な設定ではあるが、
もしも、ヨンゲソムンが彼のようなキャラクターだったとしたら・・・
(以下、妄想上のやりとり)
ヨンゲソムン:私の名は「ヨンゲソムン」だ(と、本人は言っている)
役人:はっ? ゲシュモンさんで?
ヨンゲソムン:違う!ゲソムンだ(と、本人は言っている)
役人:ガシュムンですか?
ヨンゲソムン:ゲ・ソ・ム・ン!!!(と、本人は言っている)
役人:はあ・・・わかりました。ガシュモンさんですね(と言って彼は来客の名を「賀取文」と記録したのであった。)
ヨンゲソムン:ちょいちょいちょーい!
「乙相賀取文」(おつさうがすもん)という人物が高句麗から日本へ渡ってきたのは660年のことである。(「乙相」は苗字ではなく官職名という話もある)
「日本書紀」巻26斉明天皇6年の記録によれば、その年の正月、百人余りの従者を従え筑紫(九州)に到着。5月には難波(大阪)の館に到着し、7月に戻っていったとのことである。
660年といえば、唐と新羅の連合軍によって百済が滅亡させられた年。
高句麗の国内情勢もかなり緊迫していたはずなのであって、そんな時期に100人もの使節団が日本へやってくるというのはただならぬことで、これはもう軍事目的としか考えられない。
しかし、日本の滞在中に彼らが何をしていたかということに関してはまったく記録がないのである。
賀取文=ゲソムンというのはちょっと苦しいところもあるのだが、決してありえないことではない。
朝鮮半島の要人が日本にくるわけないじゃないか、と思う人もいるかもしれないが、彼のキムチュンチュくん(@善徳女王)だって日本にやってきている事実があるのだ。
7世紀の東アジアは想像もできないくらい各国の交流が盛んだった。