朱蒙(チュモン)が見た日本古代史(仮題)

「朱蒙」「風の国」「善徳女王」・・・韓国発歴史ドラマを題材に日本史を見つめ直す

アカシャカシャカシュ

2011年04月30日 | お気楽ネタ

(またしても)唐突だが、あるお笑い芸人さんにご登場いただいた。

彼の名は、諸見里大介。
先日の「アメトーーク」スペシャル「滑舌悪い芸人」の中でも一際異彩を放っていた、愛嬌あるキャラクターの持ち主である。
最大の特徴はサ行の音がシャ、シュ、ショにしか聞き取れないというその発声。
サワーはシャワーに、ローソンはローションに、赤坂サカスはアカシャカシャカシュにしか聞こえない。

いささか強引な設定ではあるが、
もしも、ヨンゲソムンが彼のようなキャラクターだったとしたら・・・

(以下、妄想上のやりとり)

ヨンゲソムン:私の名は「ヨンゲソムン」だ(と、本人は言っている)

役人:はっ? ゲシュモンさんで?

ヨンゲソムン:違う!ゲソムンだ(と、本人は言っている)

役人:ガシュムンですか?

ヨンゲソムン:ゲ・ソ・ム・ン!!!(と、本人は言っている)

役人:はあ・・・わかりました。ガシュモンさんですね(と言って彼は来客の名を「賀取文」と記録したのであった。)

ヨンゲソムン:ちょいちょいちょーい!

 

乙相賀取文」(おつさうがすもん)という人物が高句麗から日本へ渡ってきたのは660年のことである。(「乙相」は苗字ではなく官職名という話もある)
「日本書紀」巻26斉明天皇6年の記録によれば、その年の正月、百人余りの従者を従え筑紫(九州)に到着。5月には難波(大阪)の館に到着し、7月に戻っていったとのことである。

660年といえば、唐と新羅の連合軍によって百済が滅亡させられた年。
高句麗の国内情勢もかなり緊迫していたはずなのであって、そんな時期に100人もの使節団が日本へやってくるというのはただならぬことで、これはもう軍事目的としか考えられない。
しかし、日本の滞在中に彼らが何をしていたかということに関してはまったく記録がないのである。

賀取文=ゲソムンというのはちょっと苦しいところもあるのだが、決してありえないことではない。
朝鮮半島の要人が日本にくるわけないじゃないか、と思う人もいるかもしれないが、彼のキムチュンチュくん(@善徳女王)だって日本にやってきている事実があるのだ。

7世紀の東アジアは想像もできないくらい各国の交流が盛んだった。


Gaesomunが「かすみ」になるわけ

2011年04月29日 | 考察ノート

先日たまたまテレビで韓国語講座をちらっと見たのだが、朝鮮語にも濁音はやはりあるようで、「濁音、半濁音という概念がない」というのは間違いのようだ。

それでも、日本語のようにカ行とガ行、タ行とダ行、パ行とバ行がはっきり区別されないという例はいくらでもある。

以前ドラマ「ヨンゲソムン」を観ていたとき、戦闘シーンなどでよく「大高句麗」と叫ぶ場面があったが(「偉大なる高句麗」ぐらいの意味だろうか)、これなども聴き方によっては「デーコグリョ」とも聞こえるし「テーコグリョ」とも聞こえるという、どっちつかずの印象が強かった。

KARAの隠れた名曲に「同じ気持ち(Same Heart)」というのがあるが(このPVの中のドラムをたたくNicoleがむちゃむちゃ可愛い)、原題をアルファベット表記にすると[ttok gateun mam]、しかし、これをカタカナにしてみるとやはり「トッ カトゥン マム」という感じだ。

ついでにいえば、KARAのメンバーのク・ハラの苗字「ク」は漢字表記では「具」で、最近のプロフィールではアルファベットでKoo HaRaとされることが多いが、2010年2月に来日した際のライブ(KARA 1st showcase in Japan)のオープニング・フィルムではハッキリGu Haraと書いてある(写真)。

というわけで、以下のような一般論が導き出せる。

(1) 朝鮮語のgの音は日本ではkに転化しやすい
(2) 朝鮮語のdの音は日本ではtに転化しやすい
(3) 朝鮮語のbの音は日本ではpに転化しやすい

※(3)については逆ではないか、という話もあるが、例えばプサン→ブサンのような例がある。

そこでだ。
Gaesomunという名の人が日本に来て自分の名前を名乗ったとしよう。

頭のgは転化してkになるという法則をあてはめ、かつ、頭に強いアクセントを置いて発声してみると、おそらく聴いた人にはケスムゥン、カスムンのように聞き取れたのではないか。これに表音文字としての漢字をむりやりあてはめ「柯須彌」と表記。のちの人が漢字から読み取ったものが「かすみ」となったというわけである。(おそらく)

ヨンゲソムン(淵蓋蘇文)が『日本書紀』において伊梨柯須彌(いりかすみ)と表記されているのはたぶんそういうことである。
ちなみにヨン(淵:Yeon)の方は「エル」に近い発声だったのかもしれない。

(※ここで重要なのは、7世紀の東アジアにおいても日本と朝鮮半島ではそれぐらい言葉(発声)の違いがあったということ。)


Daesoとは誰のこと?(朝鮮語に関する考察)

2011年04月11日 | 考察ノート

金蛙 扶余 高句麗 帯素 伽耶 徳曼

唐突だが、ドラマ「朱蒙」や「善徳女王」をご覧になった方にはなじみのあるキーワードの数々。
実は、ある目的で抽出したものである。

これらをカタカナに直してみるとこうなる。

クムア プヨ コグリョ テソ カヤ トンマン

さてさて、問題はここからだ。

これらをそれぞれ英語圏の表記(アルファベット)に直してみると・・・

Geumwa Buyeo Goguryeo Daeso Gaya Deokman

うーむ、なんだか妙である。

ぐむわ?ぶよ?ごぐりょ!?でそって誰やねん。がや?どおくまん(ぷろ)とか。

ちなみに朱蒙以来高句麗王の姓である「高」も、英語ではGoなのである。(英語版Wikipediaをご参照あれ)

どうしてこうも濁っているのか。
どうにも不思議だったのだが、韓国語(朝鮮語)を少し勉強してみてようやくそのナゾが明らかになってきた。

ただし、僕は学者でも何でもないので、以降の説はあくまでも個人的見解であることを断っておく。

端的に言うと、朝鮮語にはおそらく濁音、半濁音という概念がないのだ。
朝鮮語には14個の基本となる子音があるのだが、そのうち韓国でgiyeok、digeut、bieupという名称の子音の「発音」はそれぞれこのように表記される。(※発声記号であってアルファベットそのものではない)

[k/g]  [t/d]  [p/b]

つまり、たとえばgiyeokという子音はkでもあり、gでもあるということ。逆にkでもgでもないと言った方が正解かもしれない。日本語で言う「カ行」と「ガ行」が未分化の状態というわけだ(「たぶん」だよ)。

これがすんなり納得できないのは幼少から日本語に慣れてきた日本人だからなのであって、でも、日本人だって英語のr(アール)とl(エル)を正確に聞き分け発声できる人はほとんどいないだろう。

だからネイティブの朝鮮語でgiyeokという音が、日本人にはkに近いものとして聞こえるが、英語圏の人にとってはgに近く聞こえるということなのだと思う。もともと話し言葉と文字は完全に一致するものではないし、国が変われば犬の鳴き声だって変わるのだ。(そういえば、日本ではワンワンなのに、英語ではbow wowでやはり英語の方が濁っているよね)

英語圏の人々の方が濁音の発声に敏感で少しでも濁っている音は濁音と認識する。
日本人は完全に濁っている音と認識されるものしか濁音と認めない。

そういう文化的背景があるのかもしれない。

ところで、普段気づかないが、実は日本語の中にも文字と言葉の発声が完全一致していないケースがいくつかある。

一番わかりやすい例は「リンゴ」と「ゴリラ」。

リンゴの末字の「ゴ」と、ゴリラの頭の「ゴ」は、文字上は同一だが発声される音は完全に異なる。(まったく同じに発声することも可能ではあるが)

リンゴの「ゴ」は鼻から抜けるような発声であり、力強く発声されるゴリラの「ゴ」とは別の音だ。おそらくGoguryeo(高句麗)のGoはリンゴの「ゴ」に近い音なのではないかと思う。

(似たような例でもっと身近なものとして、「僕が」、「私が」の「が」とガラスの「ガ」はやはり別である)

もうひとつ。

ハ行には仲間はずれがひとつある。これはおわかりかな?


「韓流α」でありがちな

2011年04月01日 | お気楽ネタ

昼間テレビをつけると韓国ドラマをやっていることがちょくちょくある。昼間にテレビといっても、決して仕事をさぼっているわけではない。販売用PCのテレビ再生のチェックを行っているのだ。

何枚か写真に撮って残しておくのだが、撮影しているときには意外に気づかないものである。
しかし、なんと言うか、妙に懐かしい感じがしたのだが・・・

あれ?この女優さんは・・・

なぜ気づかなかったのだろう。
主役と同年齢なのに母親役を演じたあの人じゃないか。
(あえて答えは書かないよ)

ちなみに写真のパソコンは現在オークションに出品中(4月6日まで)。
ご興味のある方はこちらへどうぞ。