復耶会というのはおそらくドラマ上の設定で実在した組織ではないと思われるが、伽耶が新羅に統合されたのち、実際に伽耶を復興させようとする運動があっただろうことは容易に想像される。それは百済、高句麗が滅んだあと現実に同様な運動が起きていることでも十分考えうることだ。(百済が滅んだ際には、日本に滞在していた扶余豊璋(義慈王の息子)が百済復興のため中大兄皇子に送り出された。)
興味深いのは復耶会のトレードマークとして使われている亀の図柄(写真)。
亀の甲羅の上に6個の卵が乗っているというものだが、6個の卵というのは六伽耶とも呼ばれた伽耶連合を象徴しているのだろう。つまり以下6つの国である。
金官伽耶
大伽耶(伴跛)
阿羅伽耶(安羅)
古寧伽耶
星山伽耶
小伽耶
さらに重要なのは亀が使われているということ。亀は伽耶のシンボルそのものだという話もある。金官伽耶があったとされる地域には亀旨峰(くじほう)という伽耶の建国神話に語られる山がある。
伽耶と日本の関係が深かったことからすれば、例えば、飛鳥を代表として各地に見られる亀石の存在には何がしかの意味があるのかもしれない。
あるいは亀を助けてどうのこうのという昔話には、隠されたメッセージが潜んでいるのかもしれないのである。
どういうわけか日本書記には浦島太郎に良く似たエピソードがある。
『日本書紀』巻十四雄略天皇二二年(戊午四七八)七月◆秋七月。丹波國餘社郡管川人水江浦嶋子乘舟而釣。遂得大龜。便化爲女。於是浦嶋子感以爲婦。相逐入海。到蓬莱山歴覩仙衆。語在別卷。