ご飯食べにいくくらいしか予定がなかった土日というのはどうも寝すぎてしまいます。医大生・たきいです。
さて、本日ご紹介したいのがこれ。
著者はご存知、感染症の大家の岩田先生。タイトルは「絵でわかる」ですぐが、「絵でわかるシリーズ」というのがあるんですね。他には「漢方医学」「東洋医学」なんかがあるんですがこれらも気になります。「人類の進化」「日本列島の誕生」とかも面白そう。ていうか「日本列島の誕生」って医学と関係ないと思うんだけどどういうこと(笑)。「絵でわかるシリーズ」、
必殺!カルバペネム!的な香り漂う広域スペクトラムな人気シリーズでした。
岩田先生のブログを見てみると、軽く本書の紹介文が。
「プロフェッショナルな内容なんだけど、だれでも読み通せるものを目指しました。ぜひどうぞ。」
とのこと。
かわいい顔してるけどこの本中身結構ガチです
感染症科の先生から病棟で教わって「それマニアたちの小ネタっしょ」と思ってしまった内容も、この本にしれっと書いてあってビビりました。優秀な学生様を除いた多くの凡人医学生の皆様、軽いノリのこの本で簡単に感染症の知識がゲットできると思ったら間違いです。確かに「だれでも読み通せる」のは確かなんですけど情報量多いです。気合いいれて読まないと。
特に抗菌薬の話なんかはページ数も多く割かれていて、ガチです。勉強中の辞書的な使い方もできてしまいそう。「ボクなんも抗菌薬理解してないんすけどとりあえずまずはポイント教えてください」というわたくしを代表とした凡人医学生のニーズには「やさしイイ」のほうがマッチするかも。それくらい「やさしイイ呼吸器」の抗菌薬の説明は肺炎限定だけれどもコンパクトにまとまっています。
「絵でわかる感染症」、読みどころはなんといっても「絵」。これだけでも買う価値あり。ゆるキャラたちが抗菌薬の構造式を挙げながら、「これは覚えないよ?」とか言ってみせつつ「天丼」で攻めてくる2章とか結構笑ってしまいました。あとはプロフェッショナルの本音。「
まあ、本業の医者でも、というかHIV診療を本気でやろうと考える感染症屋でも、この薬には萎えます。ウンザリします。」(p.112)っていう何気ない一節も「ほほー」と思えます。
ところで。本書の随所に「構造主義」を意識したと思しきフレーズが散見されますが、岩田先生は本書の執筆期間にこんな本読んでたんじゃないかとか推測しました。下の本「積ん読」してるんですよね(笑)。東大に行った高校の同級生はそういや高校生のときから読んでたなぁ、と。「構造主義」といった現代思想も語れないようでは知識人を名乗れないんだろうな、と、ややピンボケした感想を第一に思ってしまった「絵でわかる感染症」なのでした。調べもので今後もお世話になりそうです。
(レポート書かずに土日を終了してしまってやや危機感を感じている人(笑))