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ゆつ磐群

2015年02月15日 | 万葉集と風土
十市皇女、伊勢の神宮に参赴(まいで)ます時に、波多の横山の巌(いはほ)を見て吹黄刀自(ふきのとじ)の作れる歌
河の上(へ)の ゆつ磐群(いはむら)に 草生(む)さず 常にもがもな とこおとめにて
                            万葉集1−22 吹黄刀自

吹黄刀自はいまだ詳(つばひ)らかにあらず。ただし、紀には「天皇の四年乙亥の春の二月、乙亥の朔(つきたち)の丁亥に、十市皇女、阿閉皇女、伊勢神宮に参赴ます」といふ。

現=三重県津市一志町八太(はた)付近と思われ、その訪問が如月であったことがわかる。

この波多に、一際思い入れがある私は、この如月にどうしても再度その風土を確かめたく首を長くしてハレの日を待っていた。
望むは、青い空の快晴日。
2月1日からは、天気予報とにらめっこ。
そして、いよいよその日がやってきたのです。

波多再訪。

旧暦の如月であるがゆえ、暦を合わせるのなら来月となるのであるが、昨今温暖化が進んでいるので、ここは季節を合わせることにこだわって、あえて現暦での訪問とし、万葉の風を感じてきました。

春というには、まだまだ寒い如月の波多。

今回の目的の1つは、ゆつ磐群。

「ゆ」は、斎み浄められた(神聖な)という意味。
「つ」は、「の」の意味の古語となり、連体助詞。
「磐群」は、ゆつ磐群をある一定の地域にみる古い文献もあったが、そうでなくあくまで岩々の意。

神聖な岩々が群がっている様子、、、ゆつ磐群を求め、そして広義には万葉を求めて、波多再訪問と相成りました。
風土を知れば知る程に、自分の目で確認したくなるのは、近年の曲作りの基本で、自分スタイル。
といっても、既に「とこおとめにて」の楽曲は完成済。
音楽は完成していますが、私の万葉歌としては、まだまだ未完成といったところでしょう。

いつもなら、近鉄大阪線川合高岡駅で下車しておりましたが、今回はJR名松線に乗ってみる事に。
名古屋から近鉄で松阪駅で下車。
一端、近鉄出口を出て、JRの切符を購入。ICカードは使えません。
同じ改札から再入場。






松阪側から眺める波多方面の景色。


白鳳時代の伽藍跡付近の伊勢八太駅付近。開けた場所に位置します。


そして井関駅。ワンマン列車が嬉しい〜。

1両編成でした。乗客は、5名程。ローカル線がいいなあ。

そしてここからは地元の語り部会所属の方々がご案内下さいました。
どこの万葉故地もそうですが、風土にお暮らしの方々と交流させて頂けることは、万葉うたいびと冥利に尽きます。
そして、何より文献に載っていないその土地ならではのお話を伺える事もありがたい事です。


この雑木林の下にみえるのが、波瀬川。
通り易いようにと、道を作りながら河原への道筋を作って下さいました。また近隣への配慮も忘れずに事前にご連絡をして下さったりと、一介のうたいびとにすぎないにも関わらず、ただただ頭が下がります。
それにしてもすごい人脈をお持ちです。

さあ、いよいよゆつ磐群を目にすることに。





そこには想像以上の万葉の原風景が広がっていました。

素晴らしい風土。

7月の名張公演の中で、映像でお伝えしたいと思っております。

今回は、お天気と相談しての急な訪問。
波多再訪は、まだまだ続きそうです。

お世話になりました。ありがとうございました。




















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2 コメント

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Unknown (スターアニス)
2015-02-17 13:25:48
憧れの風土に行かれましたね。
白鳳時代の伽藍跡・・・立ち並ぶ光景を創造しております。波瀬川の磐群・・・ゴロゴロした石、いい雰囲気がありますね。
下から2枚目の写真で、朝陽が差し込み、水面が朝陽で輝く場面が撮れればなぁ・・・と、思いました。

ご一緒出来れば良かったのですが・・・足首の痛みが長谷寺での奉仕で更に悪化し・・・。
近々、撮りに行けるかどうか・・・黄信号点灯です。
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身体が資本 (風香)
2015-02-17 21:02:33
スターアニスさま
ブログ拝見致しました、ご無理されたのでは、、と案じておりました。身体が資本ですものね。
波瀬川。泊瀬川。不思議に音が響き合うとおもいませんか。
泊瀬川同様、こちらもとてもいい雰囲気の万葉故地です。河原をおりながら、昨年の泊瀬川の出来事を色々思い出しておりました。
今思っても、吉本(新喜劇)も真っ青なぐらい楽しかったです。
この日は思いの他、雲が多くて、、、なかなか自分のスケジュールにお天気は合わせてくれません(笑)再度の宿題となりました。
くれぐれもお大事にして下さいませ。

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