万葉うたいびと風香®’s ブログ

万葉うたいびと風香®のブログです。

万葉ひとり旅。

2012年11月27日 | なごみ
忍阪区とのご縁のおかげもあって、ここ近年は特に奈良に行く機会が一層増えた。
ありがたいことだ。

ところがよくよく考えてみると、いつもレコーディングであったりミーティングであったりと所用が入っての訪問で、なかなかじっくりと奈良を、、、という訳ではないのだ。

忍阪の魅力に引き寄せられた私であるが、思い返せばゆっくり探訪できたのはいつだっただろうか。

万葉歌を歌っている私にとって、風土を歩いて感じることは、作詞するにも、そして作曲する上においても必要不可欠なのである。
また歌を作る過程においても、また歌ができてからにおいても、今の私にとってはどちらも曲づくりの上で重要なポイントとなり、それは表現力として影響されてくるものとなる。

秋の空はかわりやすいと昔からいわれているように、晩秋の昨今、天気予報をチエックする日が続いていた。

自分だけの都合で動ける身分では残念ながらないので、周囲の様子も伺いながら(笑)

ちょうど、先週の土曜日のこと。

夜21時の天気予報をみていたら、
「翌日、日曜日の朝は一番の冷え込みとなりますが、日中は4~5℃高い暖かなお天気となるでしょう」と。

「年内で動ける日は明日しかない!」そう決めたら、早かった。
母の介護をすぐに妹に懇願して嫌みをいわれながらも(笑)、なんとか了解を得る事ができたのが22時すぎ。

翌朝は5時20分に家をでた。

そして、奈良県桜井市の大和朝倉駅についたのが朝9時過ぎ。

先日の忍坂街道まつりは、桜井市ウオーキングフェスティバルも同時に行なわれており、その中で設定されていた忍阪コースを歩くことを決めていた私だった。
事前に、いろんな方からなんとなく聞いていたコースを頼りに、迷ったら現地で聞き聞き歩いてみた。



(冷え込んだ朝、草木に降りた霜が朝日を浴びて水蒸気となって沸き立つ)


(いい日となりそう)

今回のコースは、桜井市竜谷から忍阪の奥の谷にでる山越えのコース。


(竜谷入り口付近)


(入り口付近の様子、まさかこの先があんなになってるとは、、、)

(野あざみ)


(まだまだ余裕の私)

いつも忍阪側からみる竜谷方面だったが、今回は真逆のコース。
出口をイメージして、とにかく忍坂山の頂上の山容だけを頼りに、ひたすら歩く。

想像以上に山越えの古道で、道は整備されているものの今迄歩いた山道の中では一番の難所である。
不思議と変な人と出逢う怖さはなかった。


(どんどん突き進みます)

怖かったのはいのししの存在だけ(笑)まあ、食べられる事はないだろうが、仲間と思って襲われたらかなわないな、、、とそんなことを思いながら、木の枝を片手に歌を歌いながら、ただひたすら山道を進み行く私。


途中、何カ所か二股の道が。
運命の分かれ道か!?
携帯電話をもっていたものの電波の届かない場所ではただの箱にすぎないし、近代の道具はどうしても使いたくなかった(笑)

そんな中、音のない世界で私の行くべき道を指し示してくれたのは、標結(しめゆひ)だった。
木に巻き付けられた赤いテープ。

いにしえ人も、きっとこうした「標」を頼りに、古道を歩いたのだろう。
私の歩いたのは、太陽の世界。

(ここまで歩いてはじめてあった看板。この道で合ってたと確信できた瞬間でもある。山頂が近いらしく、忍坂山頂上の看板もこの近くにあった)

(ここから下り坂)

万葉集に詠まれた歌には、夜の山道を歩く歌も何首もある。
月明かりがどんなに愛しかったことであろうか。。。
そんな想いにふけながら山道を歩く事、約1時間。

(忍阪側に入ると、整備された古道となる。安全面を配慮してのロープがありがたい)

(すべり止めに丸太がかってあった)
総工程は、1時間30分程であったが、見慣れた忍阪の景色が眼下に飛び込んできた時は、正直泣けそうだった。



静寂な空間。聞こえるのは鳥の鳴き声と樹の下隠り逝く水の音だけ。
人1人誰とも行き交うことはなく、今回はそれが一つの目的でもあった。

無の空間は、私の万葉歌への感性をいつも高めてくれる。



たまにはこんな旅もあっていい。

女心と秋の空。

翌日は、小寒い雨のお天気であった。










2013年万葉カレンダー

2012年11月19日 | なごみ
早々と2013年のカレンダーが手元に。




嬉しいことに、万葉花で綴られた素敵なカレンダーです。ありがとうございます。

月毎に、季節の万葉句とその歌に詠まれた万葉花の写真が添えられていて、自宅にいながらにしてまさに万葉花の世界へ。

しかも掲載写真の花はすべて、私設植物園「猪名川万葉植物園」(兵庫県・川西市)で育てられている四季のお花ばかり。

ここ3年程前に知ったまだ見ぬ花、「あざさ」の花も7月に掲載されていてとても嬉しい。。。。。



あこがれのあざさの花が咲く頃に、いつかおじゃまできたら、、、なんて思い焦がれ始めています。

カレンダーは、送料込みで1冊1,000円。

お問い合わせ等は、つらつら椿株式会社 さんまでどうぞ。













忍坂街道まつり「記紀万葉歌コンサート」

2012年11月07日 | ライブ
11月4日に行なわれました「記紀万葉歌コンサート」には多くの方々にお越し頂きました事、まずは御礼申し上げます。
ありがとうございました。

心配していたお天気にも恵まれ、まさに秋晴れの良いお天気となりましたのも、皆様のおかげです。
心より感謝しております。

この日は開催時間である10時以前より、早くも忍阪街道は行き交う人々であふれて、古道は賑わっていました。

橋本氏の講演は、午前中にも関わらず境内の特設会場は人であふれていっぱいに!

午後から、お一人も見えなかったらどうしよう、、、、そんな不安をよそに13時からの開演には、ステージ前はご来場の方々でいっぱい。。。。
皆さん、本当にありがとうございました。

記紀万葉歌を全10曲。
素敵なバンド演奏は、プロアマ混成のスペシャルバンドです。
練習は、、、9月にあったリハーサル1回のみ、、、。
今だから明かしますと、なんとギターの方とヴァイオリンの方とはこの日がはじめましてでした(笑)
レコーディングではみなさんお世話になった方ばかりですので、音には慣れていますし、何より皆さん日頃からステージ慣れしてみえる方ばかり!
1時間30分を乗り切れたのはまさにバンドメンバーのおかげでした!
みなさん、ありがとう!
さてラストを飾った日本書紀歌謡を用いた「文に麗はし」では、忍阪子ども会のみなさんが一緒にステージに立ってくれました!
子どもたちが入場するや否や会場にみえた温かい皆さんの拍手が響きわたりました!
リハーサルには来れなかった子どもたちも参加してくれたみたいで、ステージでびっくり!
子どもたちのパワーってすごい!
リーダーはじめみんなありがとう!
また子ども会役員の方々にも大変お世話になりました!ありがとうございました!
最後はアンコールを頂きまして、唱歌「ふるさと」を会場の皆さん全員で大合唱。

まさに記紀万葉のふるさと「さくらい」「忍阪」にふさわしい1日に、会場のみなさんが心1つとなって作り上げて下さいました!

今回のイベントは、まさに行政と地域が一体となり、そして区民の方々のおもてなしの心があったからこそ、他にはない素晴らしいイベントだったと感じた1日でした!

万葉歌を歌っているものとしては、桜井の風土に立ってそこに今も息づく風土の歌を歌わせて頂けたことがかけがえのない宝となりました。

役員のみなさま、そして随所でお声をかけて下さいました区民の皆様、ご来場頂きました皆さんに心から感謝、御礼申し上げます。

ありがとうございました!


(忍阪街道まつり前日に訪ねた鏡王女墓あたりの奥の谷の夕暮れ)

(同じく奥の谷でみつけたホトトギスの花)

(同じく前日に訪ねた生根神社で、灯明のお当番の方とお出会いを頂き、見学させて頂きました。風が強いと蝋燭に火を点すのも大変とか)



(感動しました!ご一緒させて頂きましてありがとうございました)


(音楽祭会場で頂いた花束と忍阪山と青い空)


(前日の音響器材のセッティング風景。森さんとお友達の○○さん!まっ暗な中遅くまでありがとうございました!)


(当日振る舞われたお神酒用の器。忍阪で採れた竹を利用されたそうです、もちろん手作り、温かな器でした)

そして一夜明けて、、、早朝。

(早くも役員の方々が朝露に濡れたパイプ椅子を丁寧に拭いて下さっていました)


(まだ月が、、、)

(ステージの朝)


(8時からは区民のボランティアスタッフの方々が一同に介してミーティング。総勢100人以上の方々だったとか、、、オレンジ色のスタッフジャンバーにまる1日心癒された私です!ありがとうございました!お世話になりました)




(会場のみなさまの様子、、、上田さん撮影によるもの。ありがとうございます!)


(たくさんお花を頂きました!ありがとうございました!)


(何人もの方にお声をかけて頂きました!みなさん本当にお疲れさまでした!お世話になりました!)














第10回万葉の歌音楽祭。

2012年11月05日 | なごみ
行って来ました!
第10回万葉の歌音楽祭。

思いもよらず、皆様のおかげで大賞を受賞させて頂く事ができました!

ありがとうございます!

受賞曲は、「泊瀬川」(はつせがわ)。
作詞/作曲 風香
編曲    小倉一起

演奏    結(ゆひ)
       ヴォーカル 風香
       ギター   岩田繁晶
       ギター   殿村嘉章
       ドラム   小倉一起

奈良県桜井市を流れる泊瀬川(はつせがわ)の楽曲です。

万葉集から2首を選び、意訳を載せて表現した曲です。

バンドのメンバーは、みなさん泊瀬川の流れる奈良県桜井市在住の方ばかり。

岩田さん、殿村さん、素敵なギターの音色が明日香に染み渡っていましたね!
ありがとうございました!
小倉さん、堰を越す水音を彷彿させてくれるドラム!ありがとうございました!

抜群に安定したバックバンドに支えられて、歌の世界に集中することができました!

そして何より会場に足をお運び頂きました皆様、ありがとうございました!

こんな素敵な歌を残してくれた万葉歌人にもお礼をいいたいです!
ありがとうございます!
またその流れの美しさを今に伝える桜井市にも感謝しています!

支えて下さった忍阪の自治区の皆様、ありがとうございました!

尚、音源は、後日奈良県桜井市忍阪自治区から発売予定のCDに収録されるみたいです。。。
尚、昨日、忍坂街道まつりにて、数量限定で扱われましたCDアルバムにも収録されていますが、こちらは会場のみでの扱いで即日完売だったとの事。
ありがとうございます!

今しばらくは原文のみでお楽しみ下さいませ。


【原文】
泊瀬川 白木綿花尓 堕多藝都 瀬清跡 見尓来之吾乎 (巻7-1107)

泊瀬川(はつせがわ) 白木綿花(しらゆふばな)に 落ちたぎつ 瀬をさやけみと 見に来し我れを
【風香意訳】
泊瀬川の堰を越してほとばしる波しぶき。まるで白木綿花が咲いたように、落ちては砕けて美しい。その美しい瀬を眺めに私はまた見にやってきたのだ。
 


【原文】
泊瀬川 流水尾之 湍乎早 井提越浪之 音之清久(巻7-1108)
【万葉歌訳文】
泊瀬川 流るる水脈の 瀬を早み いで越す波の 音の清けく
【風香意訳】
泊瀬川を流れる水脈。早瀬となって堰を越す波の音はとてもきよらかだ。


尚、「万葉散歩 フォトギャラリー」様から嬉しい便りを頂きまして、HPにステージでの様子と泊瀬川のお写真を掲載して下さっていますので、お知らせ致します。

万葉散歩さま、素敵なお写真と共にありがとうございます!

万葉散歩 







明日は万葉の歌音楽祭。

2012年11月02日 | なごみ
明日、11月3日(土・祝)は第10回万葉の歌音楽祭に出場致します。

挑戦する事、今年で7年目。

今年は、桜井市にお住まいの方々がお力をお貸し頂ける事になり、初ユニットで出場させて頂きます。

ユニット名は、結(ゆひ)。

音楽祭としても初の11月開催。
深秋の明日香は、どんな風が吹き抜けるのでしょうか。

どうぞ宜しくお願い致します。

             「第10回万葉の歌音楽祭」

     日時  平成24年11月3日(土・祝)

         正午から午後3時まで

     場所  国営飛鳥歴史公園 石舞台地区 野外ステージ あすか風舞台

     受付:午前11時30分~正午 ※プログラムと投票用紙が頂けます。

     ゲスト・特別審査員:歌手・麻生優作さん

忍坂街道まつりにおみえになる方へ

2012年11月01日 | なごみ
いよいよ11月 霜月です。

忍坂街道まつりまで、あと3日となりました。
お天気も心配なさそうで何よりです。

当日ですが、イベント会場周辺は交通規制がかかります。

お車でご来場の方は、当日駐車場として用意されています「桜井市グリーンパーク」駐車場にお願い致します。駐車場からは徒歩9分程です。

電車でお越しの方は、近鉄大和朝倉駅下車、徒歩15分程です。

忍阪区内には、イベントのぼりや五色の幡が会場まで随所に靡いているそうですので、それを目印にお越し下さいませ。

万葉歌コンサートは13時からの開演となります。

当日10時からは、桜井市教育委員会 橋本輝彦氏の講演会もございます。

ご来場頂ける皆様、どうぞくれぐれもお気をつけてお出かけ下さいませ。

               「忍坂街道まつり」
 
       日  時  平成24年11月4日
 
       開催時間  午前10時~午後3時まで

       場  所  メイン会場 忍阪坐生根神社
             サブ会場  石位寺 

          第一部 歴史講演会 
           午前10時~午前11時30分
           「古代の桜井・忍阪の里~考古学から見た古代の忍阪」
            講  師:桜井市教育委員会 橋本輝彦氏

          第二部 記紀万葉歌コンサート 
           午後1時~午後2時30分
           「記紀万葉さくらい」万葉歌コンサート
            語りと歌:万葉うたいびと 風香

            関連イベント 忍阪の名所・旧跡のご案内、
                   石位寺伝薬師三尊石仏無料拝観など
                   午前10時~午後3時
                        

        *1部、2部ともいずれもメイン会場特設ステージにて。
        関連イベントはサブ会場である石位寺及び区内随所にて。

        主  催  奈良県桜井市忍阪区
        後  援  (財)地域活性化センター、奈良県、桜井市、
              桜井市観光協会、歴史街道推進協議会
        協  力  (財)桜井市体育協会、
              桜井市観光ボランティアガイドの会、