万葉うたいびと風香®’s ブログ

万葉うたいびと風香®のブログです。

レコーディング〜泊瀬川〜名張

2015年04月28日 | なごみ
前回に引き続きのレコーディングにいってきました。

新作、万葉歌物語用のオケ制作です。

あわよくば、歌も、、、予定していたのですが、この日は残念ながら前日より更に喉の調子が悪く歌は断念。
季節の変わり目、、、つらい時期に突入したようです。。。

さて、音の構成。

この日は「和」の音にこだわった制作となりました。


太鼓!


荘厳な響きを奏でて下さいました!ありがとうございます!


こちらはなんという名前かわかりませんが、古代を思わせるいい音色。線刻が施されている。仏具だったのだろうか。


2種類の響きを楽しみました。

翌日は、泊瀬川!
動画撮影が目的。
昨年は5月だったので、今回は雑草が伸びる前、且つ、ヘビが登場する前を狙って。
以前に撮っていただいた現地に向かうも、、、「ええっ〜!」水量多過ぎ!


命がけ!?で河原に下りて、やはりベタベタになりながらの撮影でした。


途中、朽ちた水車小屋を発見。


先人の知恵、いにしえの息吹がこんなところにも。


ここは泊瀬川でもお気に入りスポット。「プチ宮滝」と勝手に命名している。

泊瀬川を歩くのも数えきれない位だが、歩く度に新鮮な景色をみせてくれる。
万葉の風土は歩くに限る。
隠口(こもりく)の泊瀬(はつせ)。
胸に響く。

一路、名張へ移動。


夏見廃寺。いいお天気です。
秋もいいが、春もいい。


ひっそりと佇む犬養先生の万葉歌碑。
訪れる時は、決まって木漏れ日が差し込んでくれる。


馬酔木と共に。花は終わっているが、この赤みを帯びた感じがなんとも優しい。

「流らふる つま吹く風の 寒き夜に 我が背の君は ひとりか寝らむ」 万1−59誉謝女王
「宵(よひ)に逢ひて 朝面(あしたおも)なみ 名張にか 日長(けなが)く妹(いも)が 廬(いほり)せりけむ」
                                            万1−60長皇子
「宵に逢ひて 朝面なみ 名張野の 萩は散りにき 黄葉(もみぢ)早継げ」万8−1536縁達師

1、2首は、持統天皇が三河行幸(大宝2年702年10月10日出発11月25日還幸)の折に詠まれたもの。
1−59は、旅先の夫を思う妻の歌に対して、1−60は、旅先の妻を思う夫の歌となっている。

風香意訳:
流れ吹きつける秋風、その寒い夜に 愛しい君は今頃ひとりで寝ているのだろうか。(59)
宵にあって一緒に過ごし、はじらった君を朝は隠してしまう、その名張で愛しい人は幾日を過ごしていたのだろうか。(60)
(だから帰ってくるのが遅くなってるんだな)

その2首を受けて、縁達師が後の世に作ったと思われるのが、8−1536と考えられる。
宵に逢ひて 朝面なみ 名張、、、までが巻1−60と同形であることが証する。

この句については、学者の先生方はあまり重きを置いていない註釈が多く、読み解くのに時間がかかりました。
が、三河行幸が秋だったということを思うと、やはり1−59、60の双方の作者の思いを強く意識しての歌だったことが読みとれるのではないでしょうか。

風香意訳:
宵に逢って、朝にはじらった君を隠してしまう、その名張野の萩は散ってしまった。だから次は黄葉が早く続いてほしい。(そうすれば、二人はまた逢えるのだから)



美しき名張野で7月4日お待ちしております。
どうぞ宜しくお願いします。


文化財における調査報告書の分析

2015年04月19日 | なごみ
対象となる文化財の調査報告書にあたっている。

はじめに手にした調査報告書は、確かに立派なものであった。
が、机上のみでのデータ解析が主となっていた。

一方、更なる調査報告書にあたっていくと、実に長い年月をかけての調査と考察が繰り広げられているものが多い。
こちらは、現地を歩き調査にあたっていることがよくわかり、史料も豊富である。

歴史の中で積み重ねられた文化財は、歴史に背を向ける事なく古きを知って、今に甦っている姿、今後あるべき姿を描いていける調査結果を元に、古代の息吹に新しい叡智を吹き込んでいければ、どんなことがあってもゆらぐことなく伝え続けていけるのではないだろうか。。。

先人たちの叡智と知恵を知る。

研究者たちの努力と苦労が報われる瞬間なのかもしれない。





再会

2015年04月18日 | なごみ
2年ぶりの再会です。

訪ねてきてくれたのは、7年程前に我が家にホームスティしていたアメリカ人の男の子。
といっても、当時近隣大学の留学生で20代、今は○○才の立派な社会人。

でも、生活を共にしていた子だけに違和感なく家に溶け込んでいるなあ。

昼食後、懐かしい風景を肌で感じるため、近くの公園にウオーキングにでかけました。


(八重桜が満開)


(途中、在学していた大学構内を訪ねて。こちらは馬術部。出動開始!)

「ノスタルジックな感じだ」と感慨深げにいう彼のまなざしに、ひと回り成長した姿を垣間みたような気がしたのは、ホストマザーの名残だろうか。

こうして時折思い出して訪ねてきてくれることが何より嬉しい。

ありがとう。またいつでもおいで。
待っています。







万葉集の表現

2015年04月17日 | なごみ
年末に友人から頂いたカレンダー。


今月は、なんと小野老が飛んでおります。

あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり 小野老

いろんな万葉集の表現があっていい。

日々の喧騒から解放されるひととき。







Percussion(パーカッション)

2015年04月09日 | なごみ
先日に引き続き、楽曲制作が続いております。

今回は主にパーカッションの音を入れる作業です。

イメージを伝えると、出てきたのはスレイベル以外は、何やら見慣れない楽器ばかり。


アフリカなどの民俗楽器とか。
万葉歌に合いそうだと引き出して下さった。


いろんな音があるんだなあ。

こちらは、何やら椰子(ヤシ)の実に似ていて、中は空洞。

外側に紐で編み込まれたビーズのようなパーツが振るごとに音を奏でる。
古来は、木の実とか豆だったんだろうか。

椰子の実の外側には見事な線刻も。

まるで縄文土器のようであり、確かに万葉歌にはぴったり!

おかげさまで、生音の素朴な音が万葉歌を更に彩ってくれました。


こちらは、母へのお土産。
いざさの「吉野桜寿司」。

さより、サーモン、真鯛、エビ、たけのこの5種が桜の葉で優しく巻いてあって、今の季節のみらしい。


吉野の桜を自宅にお持ち帰り!








レコーディング ピアノの音色

2015年04月03日 | なごみ
頭を抱えていた原稿がようやく完成。

曲づくりも一段落。いよいよレコーディング開始です。

その前に、久しぶりの奈良県桜井市忍阪へ春旅。

いい日和に恵まれました。


祭神に衣通姫を祀る玉津島明神。
允恭天皇の娘で、産湯の井戸の伝承を持つ井泉は、生谷(うまれだに/いくだに)の小字名を持つ。


押坂内陵、舒明天皇陵。
昨年、ニュースになった舒明天皇の初葬墓、飛鳥の滑谷岡陵、小山田古墳は石舞台古墳を遥かにしのぐとか。


舒明天皇陵から更に上っていくと。。。。
春の優しい日差しが降り注ぐ。


犬養孝先生の万葉歌碑。「秋山の 樹の下隠り 逝く水の 吾こそ益さめ 御念ひよりは」
以前にも増して、苔むす歌碑が忍阪の風土に溶け込んでいるようだ。


鏡王女墓。
うぐいす、キセキレイ、アオジなどなどが、けだしや鳴きし 吾が念へる如


石位寺より忍坂山を望む。


こちらは山高き倉梯山方向を望む。一際高いこの山容がいい。


更に三輪山の山麓と桜井市内。隠口の泊瀬が感じられる風景がこれまたいい。


こちらは昨年晩秋、除幕式のあった句碑。
鏡王女の万葉歌碑のように忍阪の風土に溶け込んでいくことを静かに祈っています。


満開に咲き誇る桜の中、レコーディング前のささやかな時間、忍阪の春風にあたって身も心もリフレッシュできたひと時となりました。

一路、大阪のスタジオへと移動。

ピアノは、プロピアニスト 吉田幸生氏です。

タイトなスケジュールを組んだにも関わらず、快くお引き受け下さいました。



うっとりするような音色。

万葉歌には、ピアノが良く似合う。

ただただありがたいことです。

どの曲も、素敵な楽曲となって歩きはじめたようです。

深謝。