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柿本人麻呂の見た志摩情景

2015年04月01日 | 万葉集と風土
嗚呼見の浦に 舟乗りすらむ をとめらが 珠裳の裾に 潮満つらむか(1−40)

釧着く 手節の崎に 今日もかも 大宮人の 玉藻刈るらむ(1−41)

潮騒に 伊良虞の島辺 漕ぐ舟に 妹乗るらむか 荒き島廻を(1−42)


692年。持統天皇、伊勢行幸の折、何らかの理由で都に留まった柿本人麻呂が詠んだ歌である。
歌に志摩の情景が詳細に記されていることから、この歌を詠む以前に、人麻呂自身が志摩に足を運んだことがあると思われ、行幸に先立ち、旅先を偲んで歌われた偲び歌の1首であろうとも考えられている歌群である。

歌い込めば込む程に、ぐんぐんと心に近づいてきて、それはあみの浦に寄せる波音そのもの。
そして現代に生きる私の心の波動となって響く……。

この歌ができてから、どうしても映像として甦らせたく、今回あみの浦での撮影を試みた。
撮影には、鳥羽郷土史会の濱口会長にもお力添えを頂いた上、先般の訪問を知って下さった答志島 美多羅志神社の宮司様が現地にかけつけて下さった。ありがたいことです。
更に、あみの浜に係留してある舟の持ち主の方にも写真撮影の許可をとりつけて下さり、当日は岸から見守って下さったのは、小浜に暮らす人々の懐広きお人柄にも触れることができたことは、何とも嬉しい。

春霞漂うあみの浦。

歌の季節そのままに、志摩の情景が再現できた日となりました。


(モデルはかわいい姪っ子)











                   

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