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万葉うたいびと風香®’s ブログ

万葉うたいびと風香®のブログです。

御礼

2019年08月25日 | なごみ
長年にわたって綴ってきました当ブログ。

この度、筆を置くことに致しました。

多くの方にご愛読賜り、また、コメントもお寄せ頂きましたこと厚く、厚く御礼申し上げます。


令和に入り、ますます過熱する万葉集。

そんな時代だからこそ、消費から心の蓄積へ。

これまで応援してくださった皆様、ただただ感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

今後もみなさまにとりまして万葉集が日々の心の支えとなりますように。

深謝。

文に麗はし

2019年05月23日 | なごみ
隠口の 泊瀬の山は 出で立ちの 宜しき山 走り出の 宜しき山の 文に麗はし  (日本書紀 雄略紀歌謡)

奈良県桜井市忍阪区との取り組みの中で作らせて頂いたのが、8年前。
出典は日本書紀歌謡。

ちなみにこの歌、万葉集では挽歌に転用されている。

大和桜井の美しさに魅了されていた私は、迷わず歌のタイトルを「文に麗はし」(何とも言えず美しいの意)に決めた。

そのタイトルがファイルになりました! と先日お送り頂きました!




じわりと歌の心が広がったようで何とも幸せな気持ち。


忍阪と言えば、石位寺の伝薬師三尊石仏。
一説には額田王の念持仏とされており、こちらも区民の方々の石仏に込めた思いを歌にした「祈り」の楽曲を提供させて頂いている。

この白鳳時代の最高傑作とも言われるこの石仏が、2020年に東京国立博物館にて展示されます。




その展示に向け、先月忍阪から石仏が初めて出座されたそうです。


2020年は万葉集編纂1300年を迎える年。

元号も令和となり、ますます万葉ファンが増えますように^^

 


万葉と江戸の人間模様

2019年04月23日 | なごみ
万葉集には庶民から天皇までの様々な身分の人たちのうたが約4516首おさめられている。

政治の舞台で歌われたものから恋のうた、亡き人を思って歌われた挽歌など生活と風土の中で常に歌われてきた。

ただ読んでいるだけでは全く訳がわからず面白くないが、歌の原型が見えてくるとその人なりの人間らしさが古代習俗などと相まって作者の姿がおぼろげながらみえてくるのも楽しい。

『令和』の元号が万葉集からとなり、色んな立場の方とお会いするたびにありがたいことにこの話題に。

万葉のうたいびととして、感心を持って下さっていることは非常に嬉しいことだが、歌が読まれたのは720年。元正天皇(氷高皇女)の御代。

藤原京(持統朝)までの万葉の歌にこだわって曲づくりをしてきた私には易々と語れるほど博がないのが毎回申し訳なく思っている。

裏を返せば、歌は想像以上に歴史的背景とからみあって歌われているのだ。

しかしそこを紐解いてこそ、作者の真の思いが浮かび上がりその瞬間こそが意外にも曲づくりの頂点にある。

さて、こちらは江戸時代。



岡崎城内にある三河武士のやかた家康館で行われた企画展。


石像になった家康様。

グレート家康公 葵 武将隊の家康様!かたじけのうござる!

江戸期にあった岡崎市の事件記録を古文書からテーマごとに拾い出し、一つの事件を立場を変えた文書から結論を見出していくという展示に釘付け!
まるでサスペンス!
















オチも随所にあり、心は既に江戸時代!訳文もあるが、ここはなんとしてでも!と古文書のガラス前に貼り付きながらとかなり時間がかかる(^^)結果一度だけでは終わらずに、さらに足を運んで堪能した。

その全てが今まで私が出会ってきた企画展、特別展の中ではトップに君臨!

聞いたところによると30代の学芸員さんらしい。

ちなみに近隣博物館でもテーマは違うが江戸期を取り上げており、この盛り上がりのままに足を運んでみたが、残念ながら力の差を見せつけられたのみで足早に退散。

今回の岡崎での企画展。
学芸員さんの遊び心とキャパシティの広さ、直筆の古文書から伝わってくるぬくもりも手伝って、江戸時代を生き抜いた人間らしさになんだか今を生かされている自身の存在も感じることができた。

やはり遺物はありのままを語ってくれるんだな^^

持統天皇 そして 改元

2019年04月01日 | なごみ
奥山田のしだれ桜。

持統天皇お手植えの伝承を持つ岡崎市にあるエドヒガンのしだれ桜。

以前友達に連れて行ってもらった時は、時すでに遅しで満開の桜を見ることがなかった。

あれから数年。

当時はまさか、、、と半信半疑だったもののなかなかどうして、、、地形図をみると当時の海岸線はずっと陸地に入り込み、三河行幸の折という伝承がまんざらでもないのでは、、、と感じているだけで、なかなか本格的に調べてみるには時間がかかりそう。。。根性なしです。。。

額田王は、相変わらず文献にあたっている。
読みは悪くないはずだが、かすりはするもののなかなかズバリこれだ!というほどの文献にあたらない。
滋賀をホームグランドにしている先生の本は史料学がご専門の上史料批判が多くて、、、万葉集と考古学よ、いづこに〜〜〜。

直木孝次郎先生はまだまだ書き足りなかったこと、書けなかったことがあったはず。できればあの世でたっぷりとお聞きしたい。。。

額田王だけでは史料が少なすぎるので、その周囲からせめているが。。。
まだまだ遠い。

閑話休題。

そんな日々模索の中、力をもらうべく奥山田のしだれ桜を訪ねた。


村積山(むらづみやま)遠景。
見事な円錐形。この山の麓にある。










古代は眼下に矢作川を挟み三河平野が広がっていたんだろうな。


ちなみに村積山頂上部には、村積神社があると古老の方が教えて下さった。

この方偶然にも地元史に詳しい方で持統桜にまつわる色々なお話を聞かせて頂く事ができた上、公民館の中まであげて頂きご案内頂いた。岡崎の山里、奥山田と大和の薬師寺との繋がりがあったとは。
桜のとり持つ縁。





帰路の途中、改元のニュースが。

令和。

出典が万葉集とはなんとも嬉しい。

調べてみると、巻5ー815からの梅花の歌32首の前文。天平2年正月13日、730年正月の宴席でのものだった。

時に初春の令月にして、気淑(よ)く風和らぐ、、、、
折しも初春の佳き月で、気は清く澄みわたり風は柔らかにそよいでいる。。。。

折しも万葉集が出典の改元佳き日に満開の持統桜を愛でたものです^^

時間はかかるが自身が生ある限りなんとか読み解きたいと切に願う。

近所の公園、早くも見納めの椿。





蒲生野

2019年01月12日 | なごみ
天皇の、蒲生野に遊猟(みかり)したまひし時に、額田王の作れる歌

茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流

あかねさす 紫野ゆき 標野ゆき
野守は見ずや 君が袖振る

額田王

ついに蒲生野へ。

近江鉄道 八日市線 平田駅下車。
そこは蒲生野ど真ん中。




心で思い描いていたより断然開けた平野だ。

きてよかった。

狩猟の場の空気感を感じて、次の目的地へ。


市辺駅下車。

駅にある看板。

おー!ここにも万葉への情熱を注いでみえる方たちがいらっしゃるのね。


船岡山遠望。



万葉の森 船岡山。

蒲生野方向を望む。


巨大レリーフが。


歌のままに。


頂上に万葉歌碑。



万葉歌植物園。



ひとつひとつ丁寧に歌が添えてある。
枯れてしまった木は再植してあるのも思いがじんじんと伝わってくるようだ。


1年経ってないのね、手書きが温かい。


これが看板の前にあったのだが、はたして紫草なのか、はたまた雑草なのか、、、。
思いは十分!記念にパチリ。


レリーフ前辺りから蒲生野方面を望む。

整備された万葉の森 船岡山からも蒲生野を堪能。

息してるだけで嬉しい。
病気だわ(笑)

淡海は想像以上に奥深い。
一歩ずつ積み重ねていくしか道はない、、、。

お越しの際は近江鉄道が熱いっ!











鳥見初め

2019年01月10日 | なごみ
1月の季語、弾初、読初、、、ならば鳥見初めがあってもいい(笑)

ほんの一時間ほどだったが、冬の空の賑わい。


ノスリさま。いつもの電柱。今日はカワラヒワもお招き。







ミサゴ。


チョウゲンボウかな。。。(後日ハイタカと教えて頂きました!)



遠景には御嶽山。

青天に 雪の遠山 見えにけり

新しき年

2019年01月03日 | なごみ
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事

ゆるりと深くじっくりと万葉の時代に向き合う2019年にしたいと思っております。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。



越の国の郵便局で見つけました。
地域限定、2/2000をゲット!
歴女宛の手紙専用と決めております^ ^
早くも運を使い果たした、、、(笑)

夢の途中

2018年12月28日 | なごみ
残すところあと数日。

今年も思いをかけてくださって心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

今年は例年にない喉の不調が現在に至るまで続いており、結果は喘息の悪化が原因だとわかりました。
もともと上部咽頭アレルギーも持っており、ちょっとした気温の変化に喉だけでなく身体が敏感に反応してしまっているようです。
また春以降、喉とは別に体調を崩し、ご依頼頂いたコンサートはなんとか乗り切ったものの、最近ようやく体調を取り戻してきたところです。

そんな中で、長年思い描いていた淡路島、そして夢の途中でもある滋賀県 鏡山、蒲生野探訪ができたことは、人生の中でも大きな出来事でした。
念ずれば叶う、
まさに万葉の心が動いた平成最後の年となりました。

来年は未完成になっているレコーディングを進めつつ、、、と思っていますが、レコーディングはまさに声が命。
ちょっとした不調は隠しきれないことを過去に嫌という程実感。
歩みをゆるめて無理なく進めたいと思っています。

そしてなんといっても、夢の途中である新たな作品作り。
自身の枠を超えたものになるといいなあとまだ見えぬ作品に思い巡らせています。

今年1年もありがとうございました。
来年も皆様にとりまして更に良い年となりますように。



奈良 飛火野


万葉の森 船岡山より蒲生野方面を望む


平成最後のお稽古

2018年12月26日 | なごみ
平成の世、いくつかの習い事。

それぞれ、プロフェッショナルの師に学べる幸せを改めて感じている。

楽典
一巡した机上の理論の展開形でピアノのお稽古に発展し、楽典理論を自作の楽曲でおさらい。ピアノプレイは未熟だが、先生におだてられながら人生最大ピアノに向き合っている。

二胡
D調、G調を経て、ようやくF調に。先生の奏でる旋律のようにはいかないが、簡単な練習曲は何とか曲らしくなってきた。しかし、相変わらず難しい!それでもいつかは自分の曲をと、密かな野望!?生きてる内に叶うのだろうか!?

着付け
万葉うたいびととなって、日本文化の良さを改めて実感。当初習い始めた先生の教室がなくなり、現在2人目の師に学んでいる。先生方それぞれに良さがあり学びの友たちにも恵まれ楽しんでいます。先生のおかげで万葉装束の着方が明らかに違ってきているのを実感できる自分が嬉しい!

俳句
お仲間たちに支えられて無事に1年が経過 !季語と万葉集の繋がりを季節ごとの出会いの中でひしひしと感じている。空前の俳句ブームと言われているが、波には乗らずあくまで心の発散としての俳句を静かに楽しんでいきたい!句会のみならず、先生の添削指導も受けている。赤ペンの一言一言が成長に繋がるといいが。

お習字
今年最後のお稽古となったお習字。普段は仮名ばかりだが、毎年最終日のお稽古は、小型条幅でいわゆる書き初め。
新たな年に向けて好きな言葉を書くのよ、と。
うーん。
選んだ言葉は「一陽来復」。
先生の頭の柔らかさに日々感謝。
あー、墨をたっぷりと含ませ、大胆に書けるのもいいなあ、、と、この時期がくると毎年今後の方向性に悩むが、やはり仮名を続けている。

継続は力なり。



さて、体調を崩しかなりお休みしていたバードウォッチング。
久しぶりに再開。
まずい、かなり鈍った。
ルリビタキを撮り逃がし、カシラダカの群れを散らす。


カシラダカ。


ジョウビタキ。



カワラヒワ



それでも変わらずあり続ける野鳥たちの営みをファインダー越しに見つめ安堵。

いつの世にも変わることのないもの。

時折荒波に飲まれそうになる自分を見つめ直せる時間。

鳥たちに学び、ぶれることなくありたい。


おまけ。淡路島にて。