万葉うたいびと風香®’s ブログ

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大伯皇女の嘆き~斎王として 姉として~

2014年04月23日 | なごみ
5月2日、名張で行なわれる万葉歌コンサート「大伯皇女の嘆き~斎王として 姉として~」。

今回、大伯皇女と大津皇子の万葉集及び懐風藻に詠まれた歌を、歌物語としてご用意しております。

私にとって、はじめて作った万葉歌が、大伯皇女と大津皇子の歌でした。
ですが、この曲は一度もライブで歌ったことがない、今思えば未熟な曲だったのです。

歴史背景共々万葉歌をどう伝えたらいいのか。
歌物語の形は自然な形で始まりました。はじめてのライブで持統天皇の即位までを歌ったのが最初です。

本格的な歌物語は、4年前の広島県東広島市安芸津町風早での「嘆きの霧」。
遣新羅使の夫婦の絆を4首の万葉集を用いて作った歌物語でした。
風土のど真ん中で歌わせて頂く事ができました。

あれから4年。

奈良大学 文化財歴史学科を卒業した今の自分だからゆえの作品作りとなったように思います。

今回の歌物語の制作期間、約9ヶ月。

万葉の風土を歩く大切さを知り、大切にしていきたいという思いを抱いた近年だからこその曲作りともなりました。

完成した今、蓋をあけてみれば、全9曲。全曲新曲です。

当日は、万葉歌で綴る歌物語に加え、更に映像も準備致しました。

この映像については、やはり風土ありきの万葉歌ですので、歌が歌われた景色=万葉の風土を感じて頂くためにこだわったものです。

映像も音とのバランス。

ひいては、歌との共生。

そんな思いも感じて頂ければ幸いです。

本番は、5月2日(金)。開場12時30分。開演13時です。

チケットは当日券のみ。全席1000円。

場所は名張市 ふれあいホール。
近鉄名張駅西口下車、徒歩5~10分程です。駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用下さい。

名張でお待ちしております。























磐余の池

2014年04月15日 | なごみ
「磐余の池」

万葉集をご存知の方なら、知らない人はいない程。「いわれのいけ」と読みます。

この磐余の池、近年発掘調査が更に進み、最近の発掘結果により磐余の池の推定地とされる全貌が次々と明らかにされています。

大学で文化財歴史学科という学問を学んだ結果得たもの。

それは、文献のみならず遺物や遺跡からもみえる古代を知って、相互に複雑に関係している歴史を学ぶということの大切さ。
どれが欠けても成立しません。

そして、実践。

近年、万葉歌への取り組みに実に生かされているように自身で感じています。

ですので、原文にあたり文献から得られた考察を得て、現地に赴き、歌詞や語りにしたたためる。
自分自身の創造は、必要ないのです。あくまでも基本は史実に忠実に。
万葉歌に加えるのは1滴のエッセンスのみ。
こうした活動に重きを置きつつあります。

そうはいっても、まだまだ風土を歩き足りない。
入会した全国万葉協会でも毎月さまざまな歩く会が催され、ズバリの万葉故地が企画されていると行ってみたいのですが、脊柱感狭窄症と椎間板ヘルニアの腰痛が容赦なく襲ってくるので、距離が歩けません。
ですので、自分のペースでしか歩けないのです。

自分で歩く時は、時間も忘れ休憩しながら歩くものの3キロが限度でしょうか。
これ以上、ついついやってしまった、、いや、歩いてしまった時は、翌日からしばらく痛みにこらえる生活でぐったりしております(苦笑)

閑話休題。

この磐余の池ですが、現代はもとより、1300年以上も前に生活していた人々にとって、どういった池の存在であったのか、どういった位置づけの池であったのか。

気になるところですし、今回歌のキーワードの1つとなっているようにも感じています。

その答えは5月2日に。
万葉歌の世界でも音も通じて明らかにしてみました。

万葉歌終了後には、ずばり奈良大教授、上野誠先生からそのお話が伺えますので、私も上野先生の講演会、すごく楽しみにしております。

さて、現在この磐余の池は、残念ながら水の張った池でなく田んぼになっています。
詳しいことを話しはじめるととまらなくなりそうですので今日はおいておいて、、、。

発掘調査結果によると、その池の周囲から堤の跡が確認されました。

そして、その堤の上には、池を観賞する為の建物だったのかはわからないが建物跡も確認されています。

もし、この堤が、万葉集題詞にある「大津皇子、死を被(たまわ)りし時に、磐余の池の堤にして涙を流して作らす歌一首」とある堤だとしたら、この堤跡からみた光景は、大津皇子がみた光景そのものということになるのです。

そこで、この田んぼを何とか大津皇子のみた景色に再現できないものか、、、、歌の風土をそのままに伝えられないものだろうか、、、色々と苦慮しました。。。。

現在の磐余の池推定地の様子。堤付近から。



こちらは三輪山方面を望む。車がみえる付近右手奥が堤跡。現在はガードレールで整備されてしまいました。。。。。かすかにその名残を残しています。

では、私の汗と涙の結晶、、、いえ、この続きは当日の映像をお楽しみ下さいませ。






色重ねから音重ねへ

2014年04月06日 | なごみ
5月のイベントの準備が日々続いています。

万葉装束の色重ねも決まり、今回は音重ねをメインにスタジオへ行って来ました。

スタジオへと向かう途中の町中を貫く川沿いは春真っ盛り。



さて、まずは、先日のパーカッションの録音の様子から。(過日のブログでは前回と同じ写真をアップしちゃってました~。ごめんなさい)


なかなか珍しい楽器らしいです。
なんともいえない深い音。

続いてボンゴ。




さすがプロですね!音の高低差を確認しながらの音入れとなりました。

そして、今回!待ちに待ったボーカル入れです!

といっても、本番で歌わない部分のみですが。

永遠の課題である「喉(のど)」の調子もようやく整いつつある中での録音となりました。



万葉集など、古代歌謡には当然その歌を歌った作者がいます。

ですので、その本来あるべき歌の姿=作者の思いを、まずはオリジナルの現代語訳を織り交ぜた歌詞で表現することに重きを置いています。
そして、音に乗せてそれらを歌うことは、音でもってその原文のあるべき姿をどう再現するのかが私にとってとても重要な課題となってきます。

さてさて、いかに仕上がったのでしょうか。

音の重なり合いは、1300年以上も前の万葉歌人本人の思いの深さ。

そんな思いを抱いた一日となりました。


打合せ

2014年04月01日 | なごみ
万葉歌制作もいよいよ大詰め。

あと数回のスタジオ入りで、全曲完成のところまできた。

そんな中、今日は急遽万葉装束の打合せとなった。

歌物語の進行にあわせての衣裳選びとなるので、色合わせもさることながらやはり全体のイメージが大切であることを再確認。

最終的な形を確認したところでお開きに。

と同時に、今度は万葉アクセサリーの打合せ。
といっても、彼女は東京在住なので電話会談。

曲の仕上がりと同時にあれもこれも詰めていくことが増えていくのは本当にありがたいし、何よりお力をお貸し頂けるのはただただ御礼申し上げます。

今回は更に書の先生、美術の先生とプロフェッショナルな方々にお力をお貸し頂いています。

皆様へのお届けは、5月2日(金)、三重県名張市での「夏見廃寺1320年祭」でお楽しみ頂けます。

日々感謝。


(写真は先日行なったドラムの音入れの様子。プロシンガー&プロドラマーの森智彦さんにお力をお貸し頂いています。ありがとうございます!当日は万葉歌の内容に添った細やかな音の再現にも耳を傾けてみて下さいね。)