万葉うたいびと風香®’s ブログ

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くれなゐ

2009年12月16日 | 心に留まった万葉一首
紅(くれなゐ)の 濃染(こぞめ)の衣(ころも)色深く 染みにしかばか忘れかねつる  巻11-2624

風香意訳:くれなゐ色に深く染めた衣のように、私の心に深く染みてしまったからでしょうか、忘れがたいわ。

正倉院展でみた巻きスカート。上部はこのくれなゐ色に近い色だったことから往時はその色そのものだったのかもしれません。
紅花で衣を色濃く、そして色深く染める。
凍りつくような冷たさの山清水にだんだん染み渡っていく衣。
それは色だけでなく自分の心も染まっていく・・・。
好きだ、愛してる、というストレートな表現でなく衣に比喩した愛情表現。
1300年前にタイムスリップできるなら一度くらい伝えてみたいものですし、伝えられてみたいものですが、現代に生きる私たちが果たしてそういった感性を持ち合わせているのでしょうか。




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