人はみな「オレオレ」詐欺なんかには引っかからないと思っている。
もう十五六年前のことです。あれは東京への引越しの帰りでした。夜です。海老名のSAで、名古屋と書いた看板を掲げたヒッチハイカーの青年に会いました。なんとなく・・です、乗っけてあげることになりました。
彼の話は、なんともアワレなもんでした。北海道から実家の九州への過程でした。アワレのとどのつまりが・・・・青森で金を取られてしまった?とのことです。なんとか海老名まで乗り継いできたというわけです。夏でしたので、なんだか汗クサイ。当時ワタシはタバコをやっていたのでハコごとあげたらむさぼるように吸った。乗り合わせた船です。替えのTシャツもやりました。ヒッチハイクで、見た目がわるくクサイ青年なんぞだれも拾ってくれませんから・・
道中はながい。アレコレ話す。なんだか気の毒に思う。名古屋近くのSAで降ろして・・とのことでしたので、上郷SAでおろしました。また西行きの誰かさんに拾ってもらうとのことでした。 下り際に、節約すれば一週間くらいはもつであろうメシ代をわたしました。
時々思い出すアイツは同情をえさに小銭を稼ぐものだったのか・・それとも本当に困惑してたのか・・・?わかりません。一つだけいえるのは、自分は「だまされてない」と今だに思ってることです。もし彼がサギをしたのなら、一流ですね。だまされた?ワタシがいまだにだまされたと思っていないんですから。
夏の暑い夜、高速のSAで休憩すると思い出すムカシバナシです。