竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

雲の峰かたちいずれも余生めく  法夢子

2014-06-11 | 
雲の峰かたちいずれも余生めく  法夢子






梅雨の晴れ間に積乱雲

豪雨 竜巻 表 冷風 スコールがあったりと

今年の梅雨はおちつかない

男梅雨 女梅雨という言葉を聞いたがあたらない

暴走少年の奔放自在の行動のようだ



余生の私にとってはどんなに表情が変化しても

いつか経験したような感じで新しい発見にはならない
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この世には飽いたふうなり蟇  法夢子

2014-06-10 | 
この世には飽いたふうなり蟇  法夢子






蛙の生体はなんとも不可思議

その種類も多種にして多様

木の葉に飛び乗って一匹の牝に複数の牡がむらがり

木の葉の上で孵化してから下のイケやらかわやらに落ちて生息する

こんな不思議な蛙もいるという



蛙という生物は誕生以来

果敢に生きる工夫をして生きながらえてきたのだが

最近の地球に「そろそろ飽きた、愚図愚図していると根絶やしにされそうだ」

と抗議しているふうに感じる
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甚平はなにもしないというしるし  法夢子

2014-06-09 | 
甚平はなにもしないというしるし  法夢子







夏のくつろいだ気分には甚平が良い

ひとむかし前は浴衣を用いやが何かおちつかない

おそらく下半身が半裸状態になるからだろう

夏物のジャージはほとんどパジャマに変わらない

甚平は「今日はおしまい、なんいももうしませんよ」との

意思表示 宣言をしているようだ
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胸反らしからかう仕草蜥蜴の子  法夢子

2014-06-08 | 
胸反らしからかう仕草蜥蜴の子  法夢子








自宅の庭はかまわないので荒れ放題

小動物のは楽園のようである

この季節は蜥蜴 蛇 もぐら 各種の蛙

先日は2メートルを超える蛇をみたと妻が言う

私は蜥蜴をよく見かける

小さな蜥蜴が胸を反らしてちょこまかとしてなかなか可愛い

「ここまで来い」 とからかわれているようでもある
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橋杭の痩せたる先に浮巣かな 法夢子

2014-06-07 | 
橋杭の痩せたる先に浮巣かな 法夢子






自宅から15分ほど南に歩くと河畔である

30年前に檀家にばった墓のある寺も近い

川べりを所在なく歩くのが気に入っている

何度きてもいつも新しい何かを発見する

今回は浮巣

木製の橋杭は痩せている

そのあたりに浮巣がみえる

鳥の姿はみえないがうれしい発見だった




うき‐す 【浮(き)巣】
アシの枯葉などで水水面に作ったカイツブリの巣。

《季 夏》「流さるる浮巣に鳰(にほ)の声悲し/子規」
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香水瓶閉じ込めし過去捨てきれず 法夢子

2014-06-06 | 
strong>香水瓶閉じ込めし過去捨てきれず 法夢子




使い古しに少し残りのある香水瓶

あの日からこの瓶を開けることはない

もう半世紀もまえの甘酸っぱい記憶



古い香水瓶が妻のドレッサーの抽斗にある

勝手に妻の青春を創作してみる
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得たるかな全速の無為蝸牛 法夢子

2014-06-05 | 
得たるかな全速の無為蝸牛 法夢子





蝸牛は哲人のようだ

つねにマイペース 急いでいる姿をみせることなど全くない



限界の範囲での努力は現状維持と現状への妥協

その先の成功と栄光はない

限界を超えてこその未来だ



こうした青春の無為な徒労

蝸牛はいつ悟ったのだろう
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足利学校干されし古書に糞の染み 法夢子

2014-06-04 | 
足利学校干されし古書に糞の染み 法夢子





日本最古の学校といわれる足利学校

古書の蔵書は数万冊ともきく



毎年 虫干しをするのにも工夫があるらしい

定期的に周期的に それは大変な作業だ


訪ねた時は広い座敷に整然と並べられていて係員が

作業をしながら監視をしていたように感じた



古書にはところどころに茶黄色のシミがある

虫の糞の染みだそうだ

気にきいた呼称があったはずだが失念した
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柚子の花病みたる妻に香りたり  法夢子

2014-06-03 | 
柚子の花病みたる妻に香りたり  法夢子









柚の花が咲いている

その香りの心地よさはなんなのだろう

人が長い進化の歴史の中の記憶に大切なものとしてあるのかも知れない

苛立ち、欝気、辛気などは落ち着いて癒される

病気もひとやすみしそうでさえある

香り自体に優しさがあるのだろう



実際の妻は元気だが元気な妻よりも病める妻のほうが相応しい
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絶叫をあずけた記憶夏怒涛 法夢子

2014-06-02 | 
絶叫をあずけた記憶夏怒涛 法夢子




海は激しいのが良い

逆巻く波が好きだ

凪も悪くはないが怒涛の音を聞くと嬉しくなる

半世紀以上もの昔だろうか

たくさんの絶叫をあずけた記憶がある
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いただきは四葉の白き山法子  法夢子

2014-06-01 | 
いただきは四葉の白き山法子  法夢子









山帽子の樹容の変化が好ましい

春の芽吹きは早い 若葉のさみどりはなんとも美しい

どこからか鳥がやってきて巣作りをしたりする

囀りがうれしい 良い朝を届けてくれる

若葉が育ち青葉が茂始めると白い花をつける

枝葉のてっぺんに咲くのできづかないうちに花をつけている

この花が少しずつ散り落ちると夏は本番だ

大きく枝をはって大きな日陰をつくる

落花の形は白い十字架 みな四葉だ

秋口になると落葉して冬は肌鍵になる

四季それじれに敏感で忠実だ
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