猛る鵙この身このまま老いゆくか 桂 信子
声高の鵙は作者自身の心の声だろう
歳々老いる身を身に染みながらの日常
これで終わる身なのかとの焦燥感が滲んでいて哀しい
(小林たけし)
【鵙】 もず
◇「百舌鳥」(もず) ◇「鵙の高音」 ◇「鵙の贄」(もずのにえ) ◇「鵙日和」 ◇「鵙の声」
モズ科の鳥で、山野、平野、人家付近にも繁殖し、高い木の頂や電柱に止まって、キーッ、キーッと鋭い声で鳴く。縄張りの確保のためといわれる。肉食どん欲である。「百舌鳥」とも書く。また、鵙は昆虫、蛙、蜥蜴、鼠などを捕獲し、それを尖った木の枝や有刺鉄線などに刺して蓄えるので「鵙の贄」という季語もある。
例句 作者
鵙日和手話の二人が通りけり 角川春樹
鵙の贅叫喚の口開きしまゝ 佐野青陽人
朝鵙に鑿を置きたる仏師かな 小澤 實
鵙日和床机を足して陶を干す 岩城久美
かなしめば鵙金色の日を負ひ来 加藤楸邨
初鵙や血判黒き起請文 安達光宏
鵙鳴くや寝ころぶ胸へ子が寝ころぶ 古沢太穂
声高にくらす山家や鵙日和 嶋田摩耶子
鵙啼くや医師に見らるる妻の肌 猿山木魂
フライパン重なり鵙の贄(にえ)増えた 金原まさ子
天網の疎にして疎なり鵙の贄 伊藤政美
鵙日和手話の二人が通りけり 角川春樹
鵙の贅叫喚の口開きしまゝ 佐野青陽人
朝鵙に鑿を置きたる仏師かな 小澤 實
鵙日和床机を足して陶を干す 岩城久美
かなしめば鵙金色の日を負ひ来 加藤楸邨
初鵙や血判黒き起請文 安達光宏
鵙鳴くや寝ころぶ胸へ子が寝ころぶ 古沢太穂
声高にくらす山家や鵙日和 嶋田摩耶子
鵙啼くや医師に見らるる妻の肌 猿山木魂
フライパン重なり鵙の贄(にえ)増えた 金原まさ子
天網の疎にして疎なり鵙の贄 伊藤政美