goo blog サービス終了のお知らせ 

高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

ムササビ 脱がしたムササビ

2018-11-17 21:01:27 | 研究
 腹側の中央にハサミを入れて、皮膚を首方向に切り、胸のあたりで、左右の腕に割(かつ)を入れ、それから足も同様に開き・・・という具合に切れ込みを入れ、皮膚と筋肉の間を開いて行きます。要するに着ている服を脱がすようなもので、どうしても皮膚を切らないといけないのは口、目、繁殖期、肛門など「外に開いている」部分です。剥製にするわけではないので、手首、足首もぐるりと切るので、文字通り「脱がす」ことになります。

 「脱がしたムササビ」はスリムで、ネズミの仲間とはかなりイメージが違います。まあ、普通の哺乳類ですが、ひとつだけ極めてユニークなのが前足です。


前足


ムササビは滑空することに特殊化しており、「空飛ぶ座布団」などとうまいことをいう人もいます。前足と後足の間に膜があって「座布団」になるわけです。飛ぶための幕なので「飛膜」と呼ばれます。その飛膜は飛ばないときは多分邪魔になると思います。いざ飛ぶという時には四肢をピンと伸ばすのでしょうが、状況によっては座布団が広げにくいこともある筈です。こうもり傘でもそうですが、膜状のものを広げるには「骨」が必要です。ムササビの前足の「小指」はこうもり傘の骨のようにビューンと伸びて飛膜を広げるのに役立っています。飛膜がないムササビはまるで、鎌を持っているようです。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ムササビ 空飛ぶ座布団 | トップ | ムササビ 飛膜 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

研究」カテゴリの最新記事