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「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

リスの陰茎骨

2019-03-19 22:08:29 | 標本
山中湖の近くに住む半場さんはちょくちょく死体を拾ってくれます。ムササビとモモンガは標本を作りましたが、今度はリスを送ってくれました。残念ながら交通事故で頭は割れていました。


リスの死体 2019年2月9日 山中湖町


それでも全身骨格ができそうだったので、頑張って作り、頭は粘土で補修しました。


リスの骨格標本


作ろうと思って驚いたのは睾丸の大きさです。それにペニスも大きい。それで皮を剥ぎ、筋肉を取り、少しずつ骨だけにしてゆくのですが、ペニスは皮膚もとても丈夫そうなので、残しておきました。そして最終的には骨にくっついた状態で乾燥させました。当然、乾燥で縮みましたが、それでもこの大きさです。


腰の部分


乾燥したペニス


 ペニスの中には骨があり「陰茎骨」といいます。英語ではpenis boneと言うのだろうと思っていたら、baculumという特別の言葉があるようです。その長さたるや34mmもありました。3センチなんて小さいと思われるかもしれませんが、前肢の半分、上腕骨や尺骨に匹敵します。人で言えば肘から手首までですから、とんでもない長さです。


リスの陰茎骨


 ヒトは陰茎骨のない数少ない哺乳類なので、どうもこれがあるのがどういう感覚なのか想像もできませんが、大概の哺乳類にはあるそうで、これだけを趣味で集めている人もいるそうです。これだけ大きいということは何か意味があるのだろうし、社会構造などにも関係するはずです。リスの繁殖や社会、不勉強でよく知りません。ちょっと勉強してみようかな。
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