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「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

ヒミズの骨格標本

2022-06-23 10:47:25 | 最近の論文など
2022年6月18日に乙女高原に行った時、ヒミズの死体を手に入れました。地面に無造作に転がっていて、新鮮なものでした。

見つかったヒミズの死体 2022.6.18 山梨県乙女高原

顔の辺りをよく探すとごく小さな目がありました。そのつもりで探さないと見つからないほど小さなものでした。


ヒミズの目

よく見ると体の3,4箇所にハエの卵が産んでありました。死体を察知して素早く産んだもののようで、たいした能力だと思います。後で剥皮したとき、卵はしつこく離れず何か粘着物質で毛にくっつくようになっているみたいです。

生みつけられたハエの卵

ヒミズの前肢

ヒミズの後肢

 それを骨格標本にしました。

ヒミズの骨格標本

丁寧に扱ったつもりですが、頭骨が割れていました。もともと割れていたのか、処理途中で割れたか不明です。1ミリの何分の位置という薄い骨なので皮を剥ぐときに割れたのかもしれません。この「薄さ」ですが、顕微鏡に使うカバーグラスというのがありますが、あのくらいです。カバーグラスの暑さは0.1 mmくらいのようです。ヒミズの頭骨は薄いので半透明で脳がみえ、処理の段階で取り出すとそれがわかります。
 特徴的なのは肩甲骨で、背中にある細長い骨です。モグラと共通ですが、多くの哺乳類で面的な三角形なのに、線的です。上腕骨も特殊ですが、モグラほどではありません。

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