秋田市内の「止まれ」の道路標識2題。「止まれ」標識が大きく傾き、それを警察も把握しているのに、少なくとも1年以上そのままで、今年2月にやっと復旧したものが、秋田市内にあった。
(再掲)修理直後
もう変化はないだろうと関心がなくなっていたが、4月に入って通ると…
!!!
以前は赤い↑の路面の色が違うところから立っていた標識がなくなり、右側に移っている!
ここに支柱が埋まっていた
裏側から
ここは車道と比べるとだいぶ広い歩道が確保されており、移設された標識はその歩道側に立てられた。
以前の場所は、民地側も駐車場で道路とシームレスだったから、周りに何もないところにぽつんと立つ形で、車がぶつけられやすい環境だった。
さっそく、再び車が引っかけてしまったのだろうか(予防としてならば、2月に復旧時点でこの位置にしていただろうから)。で、またやられたらたまらないということで、位置を変えたのか。
これで標識自体は安全になったが、見落としたり、民地の駐車場をショートカットされたりするおそれは増えたと思う。よその人はほとんど通らない道だけど。あと、以前の繰り返しだけど、停止線の路面標示がほぼ消えているのがいただけない。
【8日補足】移設前の標識は、車の接触を少しでも避けるため、標識が支柱に対してやや左(道路内側)寄りの位置に取り付けられていた(よく見られる手法)。しかし、移設後は、標識中央と支柱が一致している。したがって、単に前の標識を引っこ抜いて、支柱ごとそのまま移設したのではないことになる。
上の場所ではなぜか設置されなかったが、止まれの標識が破損した場合、復旧までの間、代わりが仮設されることが多い。
(再掲)かなり低いタイプ
これまでよく取り上げたのは、金属製の台座に緑色の水タンクを重しにしたもの。支柱の高さ、標識のサイズ、時系列からして、少なくとも3組が秋田市中央部で活躍していると思われる。最近も見かけている。
あるいは、
(再掲)
車のタイヤを台座とし、土のうを重しにしたもの。
台座だけでなく、支柱なども違いがある。設置された場所を踏まえると、管轄する警察署ごとに運用しているのではないかと考えていた。水タンクはすべて秋田中央警察署管内だし、1つしか見ていないがタイヤ&土のうは秋田臨港警察署管内であった。
では、秋田市内にもう1つある、秋田東警察署ではどうか。といっても仮標識がそう簡単に設置される事態にはならない(今回の冬は雪が少なく、事故も少なかったはず)し、あったとしても遭遇するのは難しい。
ところが、とても幸運なことに、東署管内で、しかも2つも仮設止まれを見つけてしまった!
まずは、自分でも驚くほど、ほんとうに偶然通りかかって発見できたもの。
住宅地の中
背の高さは、仮設としては一般的か。
全体にスッキリして洗練された印象。支柱は無塗装の鉄パイプでなく、本設置の標識と同じものだろうか、白く、てっぺんにカバーがついている。臨港署もパイプは同じだが、標識の取り付け位置が少し下がっていた。
台座はゴムタイヤで、ホイールから筒が出ていて、そこに支柱を差しこむ方式のようだ。ホイールと筒はオレンジ色で、それが遠くから目について、発見につながった。
角が空き地で、その敷地内に置いている
標識裏面は、製造年・業者名のシールがはがれた痕跡があるのみ。
以前の本設置標識をGoogleストリートビュー(2012年と2015年)で確認すると、写真にも写っているオレンジ色の道路管理者(秋田市)設置のカーブミラーの支柱に同居していた。なくはない設置例だが、秋田では珍しいと思う。
写真に写っているカーブミラーは、ストリートビューとは別物の色が鮮やかな新品。路面も工事された形跡がある。
以前のカーブミラーが何らかの理由(破損?)でなくなったため、それと共に標識が仮設になったようだ。とっとと新しいカーブミラーに取り付ければいいのでは?
臨港署エリアでもタイヤを台座にしていたが、土のうが乗っていた。こちらはスッキリとして、色も相まって見栄えは悪くない。
ホイールと筒は溶接か何かでしっかりくっついているようだ。
手を触れなかったが、おそらく中におもりが入っているのだろう。平らだから、いたずらっ子が乗って遊んで、倒したりしそうな予感もする。
タイヤそのものは、臨港署のよりも大きそう。「BLIZZAK W965」とあり、バン・小型トラック・バス用のスタッドレスタイヤ。警察車両の廃品活用?
もう1つ。生活道路がバス通りに出るところ。ここも年に数度しか通らないので、偶然の発見。
冒頭の傾いたままだった止まれの場所と同様、角地が駐車場で、道路との間は段差や歩道がない。そんなシームレスな場所に、ぽつんと止まれが立っていたので、ぶつかられたのだろう。
そこに置かれているのが、
止まれSTOP
背は、上のタイヤと比べると若干低めか?
それより、なんと2017年に登場したばかり(秋田県では2017年7月初設置)の英字入りの新しい止まれ。
裏面は、
「H30:アタペック」
2018年。初めて見た業者名。標識の業者も、警察署で分けているのだろうか。シールの年と業者名の間にコロンが入るもの初めて見た(これまでのはスペース)。
いったん設置され、ごく短期間で用済みとなってしまい、仮設用にストックされていたのか。それとも、最初から仮設もしくは予備用として、新品を確保していたのだろうか。
標識の表面を拡大
白い部分の反射材が、蜂の巣状のように六角形(?)が並んでいる。道路標識の分野では1世代前のタイプだと思っていた。
(再掲)秋田中央警察署管内に2017年に設置された止まれSTOP
現行の標識は、上の再掲写真のような、反射材が(原則横方向)帯状・縞状に見えるタイプに切り替わったと思っていたが、そうでもないのか。
台座
これも全体にスマートだけど、重しはコンクリートブロックが2つ載せられている。
台座本体は、四角錐・ピラミッド(の輪郭)型の無塗装金属製。ピラミッド頂上に穴が開いていて、タイヤ台座と同じくパイプを差す構造。このパイプは無塗装。
台座にもパイプにも、小さな赤いシールがたくさん貼られている。反射シールだろう。
※秋田県警では、ほぼすべての道路標識の支柱の正面側に、これと同じと思われるシールを1つずつ貼っている。車への夜間の注意喚起なのだろうが、だったらもっと大きいのにすればいいのに。他の目的もあるのか、謎に思っていたところ。
標識本体だけでなく、パイプも台座もまだ新しそうで、これが“新世代仮止まれ”か。せっかくなら、重しにも一工夫を…
あと、これまで紹介したどれにも、警察署名なり「秋田県警察本部」なりの記載が一切ない。連絡先があってもいいのでは。
※警察でなく、標識業者所有の可能性も考えたが、それならば、確実に戻ってくるように所有者名が書かれるだろう。
以上、やはり各警察署ごとに、仮設標識を作っているのではないだろうか。県内他署、他都道府県では、どんな仮設標識が使われているのだろう。
【7月19日追記】その後7月19日に、STOP入りの仮標識が置かれていた場所を通ると、復旧していた。更新後の標識もSTOP入りだが、裏面のシールがない(近年設置分では、ないこと自体珍しい)ので別物と思われる。反射材は確認忘れ。