木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

エルカンタンテ

2009年08月23日 | 映画レビュー
私は、音楽がメインテーマになっている映画に弱い。
この『エルカンタンテ』もエクトル・ラボーというサルサシンガーを描いた伝記映画である。
全編に流れるサルサ。
エクトルを演じるのは、サルサの人気スター、マーク・アンソニー。彼は、実際に映画の中の歌も自分の声で熱唱している。
製作指揮は、出演もしているジェニファー・ロペス。
ジェニファーとマークは実の夫婦である。
映画は、エクトルの成功と、薬物中毒に溺れていく姿を核に進んでいく。
その中にちりばめられたサルサの名曲の数々。
マークの歌声は素晴らしく、トップシンガーとしての実力を遺憾なく発揮している。演技にも嫌味がないし、役どころ事体がはまり役である。
ジェニファーも、好演といっていいだろう。
流れる楽曲が素晴らしく、演技もまあまあ、カメラワークもよい。
それなのに、なにかもうひとつ映画に入り込めない。
映画の進展がジェニファー演じるところのエクトルの妻、プチへのインタビューに基づいて進めらていくという形式なのだが、そのインタビューの場面が多すぎて、その度に映画に入り込もうとする心を邪魔されるような思いだった。
「タイタニック」もローズの話から本編に入っていったが、「タイタニック」のようにインタビューの場面は最初と最後だけでよかったのではないだろうか。
夫婦共演による嫌味はあまりなかったと思うのだが、思い入ればかりが空回りしているような印象を受けた。
エクトルの栄光も、薬物中毒などの影の部分も共に描き方が中途半端で、音楽の素晴らしさだけが救いだったような感じである。
お勧め度は50%くらいかな。

エルカンタンテHP



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