木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

幕末のイケメン・渋沢平九郎

2009年08月08日 | 江戸の人物
「悲劇の戊辰戦争」という本を読んでいると、南條範夫氏が書いた榎本武揚の項の文が目に付いた。

榎本は、堂々とした体つきの、非常な美男子であった。この点では、明治元勲のだれもかなわない。彼が宮中に出仕すると、女官たちが騒ぎ立てたといわれる。

そう言われてみると、榎本も整った顔立ちのように思えるが、稀代一と言い切っていいものかどうか。
では、誰が幕末一番のイケメンだったであろうか。暑い夏の暑気払い程度に考えてみたい。

まず、思いつくのは新撰組土方歳三。沖田総司はそんなに二枚目でなかったというのが通説となっているが、歳三は函館で田本研三が撮ったと思われる写真によりイケメンの座を獲得している。
おまけに歳三の写真は、目元に修正も加えられイケメン度を増している。

続けると、木戸孝允なども男前で、よく一緒に写った伊藤博文は木戸の引き立て役のようになっている。
勝海舟も小柄ながら母性本能をくすぐりそうな顔をしている。財閥の大物となった薩摩の五代友厚もなかなかいい顔である。個人的には、山岡鉄舟などもいい顔だと思う。
中には徳川慶喜をイケメンという人もいる。龍馬をイケメンという人もいるが、贔屓倒しのような……。

歴史的には著名ではないが、イケメンとして人気ある人物に池田筑後守がいる。筑後守は、遣欧使節団の正使として巴里に赴いた人物であるが、若くして政治から離れしかも、早世してしまったためあまり知られていないが、「いい男」であるのは間違いないであろう。
下に島霞谷の手になるスケッチを掲載したが、同じ時期に描かれた同じ遣欧使節団の一員、河田相模守も甘いマスクの「いい男」である。

その中であえてイケメンNo1を選ぶとしたら、個人的には渋沢平九郎を推したい。

平九郎は、天野八郎一派により彰義隊を追われた渋沢成一郎の養子である。平九郎は、振武軍参謀として現在の埼玉県本能市の入間川と高倉方面で官軍と激突。激闘のすえ、敗戦した平九郎らは顔振峠から黒山方面に逃走したが、追い詰められてこの地で自決した。

越生町のHP

幕末の人物といっても、何回も写真を撮っている伊藤博文のような人物は例外で、一葉の写真しか残っていない人物が多い。そうすると、その一枚の写真写りというのが、その人の評価にも関わってくる。
たとえば、中原中也も帽子を被った例の写真の写りがよかったから更に名声を得たとも言える(?)し、松平容保なども写真写りがよかったといえる。
平九郎も、残っている写真は紛れもなくかっこいい。
いかがでしょうか?



池田筑後守


河田相模守


渋沢平九郎

幕末諸隊 秋田書店 栗原隆一
悲劇の戊辰戦争 小学館
島霞谷 松戸市戸定歴史館
幕末の志士199 学研

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