今は昔
僕は、中央アルプス大田切本谷を、仲間二人と空木岳を目指し登っていた。
山頂まで小滝がいくつもいくつも、延々と続いた。
そして空木岳頂上へ。
ここで、仲間二人は下山、僕はそのまま南下し縦走を続ける予定だった。
登攀具は下山する彼らに任せ、炊事用具と一泊二日分の食料を背負い。
別れを告げた・・・
天気は下り坂で、百間ナギの避難小屋に着いた頃にはずぶ濡れになった。
入り口に雨水を貯めるためか、お釜が置いてあった。
寒い寒い・・・
さあ、バーナーを付けてラーメンを作ろう!
ザックを開けて中身を出す。
ありゃ あれえ バーナーはあるのだが鍋がない。
荷物を分けた時に、確認しなかったのだ。
困った。
食料はラーメンを一袋。 それと僅かばかり行動食だけだ。
雨で体が濡れて、寒い。 温かいラーメンが食べたい!
しかし、鍋は無し_| ̄|○
寒さに体が震えてきた。
ラーメン齧って寝ちまうか、と思っていた。
用足しに外へ出た。 そして気がついた!!
雨水を貯めているお釜が使えないかな?
水をあけ、小屋に入れて眺めてみた。
一升炊き、いや二升炊きかな。
ガスバーナーの五徳にのせてみた、うう、不安定だ。
しかし、支えていればなんとかラーメンが出来そうだ^ー^
十分後。 サッポロ一番みそラーメンが出来上がった。
食器も持っていないので、お釜から直接ラーメンを食べた。
鍋を傾かせるのが難しく、お汁を飲もうとすると顔中がラーメンになった。
お釜自体が重いので、相当腕力を使ったがとても美味しいラーメンだった。
次の日、行動食のチョコやらビスケットを齧り越百岳まで登り下山した。
そして街に出た。 このまま、白馬岳から後立山連峰へ行くつもりだった。
食料を買い足し、なにより鍋を買わなければ。
そして1リットルの片手鍋を買った。
そして、その鍋は随分といろいろな山で活躍したのだが・・・・
鍋を買った。
このままだと、柄が邪魔なので、自転車さんでノコギリを借りて。
三分の一の長さに切り。自転車のハンドルに巻く布テープを巻いた。
ところが、この鍋も別れる時が来た。
そう、カザフのゲルでこの鍋は無くなった。
いやプレゼントしてきたのかな?^ー^」」
お終いなのだm(_ _)m
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