たびびと

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最後の手段

2012年06月05日 | こころの旅
仕方なく、レーザーで痛みどめの対処ができる品川の歯科医院で治療を受けることにした。

奥歯の根っこのまわりの歯肉の部分にレーザーを照射する。素早い動きだ。
少しでも同じ場所にレーザーがとどまると、焼けるような痛みがはしる。

何回か通院するなか、歯の白いプラスチックの詰め物を、エステニアというセラミックに変更した。


毎月東京の歯科で治療の継続。半年が経過。痛みが継続。そして1年が経った。
レーザーを歯肉にあてて痛みが完全になくなるのを待ったが、改善されない。治らない。
悪化はしないが、よくもならない。歯の芯から痛みがにじみでる。

プラスチックのレジンを削り、エステニアというセラミックをつめるために歯の型をとった。
神経削除についていろいろと質問をした。

「神経は何も問題ないから、神経をとる必要はないですね」
先生の見解だった。

毎朝、歯の痛みで目が覚める。1年間耐えたが、限界が近づいてきた。
レーザー治療の効果にも疑問がわき始める。

いろいろと考え、先生とも相談。右上の奥歯を抜歯することにした。

神経を抜けば痛みが軽減する可能性が高い。でも、神経を抜くことに抵抗があった。
全身衰弱がはじまる一週間前に歯科治療をした。体調不良の原因が歯からきていることも考えられる。
「思い切って歯を抜いたら、全身の症状もよくなるのでは」
という期待感もあった。


要は急げで、相談したその日に歯を抜くことに決まる。

もともと、歯の根は何も問題がない。頑丈だ。
麻酔で痛みは感じないが、なかなか抜けない。

右に左に何回も歯をゆらす。歯の奥がだんだん緩む。
5分が経過したが、抜けない。

大きなかぶの物語を思い出した。
うんとこしょ、どっこいしょ。それでも歯(かぶ)はぬけません…

歯を削り、分割してから抜く作戦に変更された。
ドリルで歯を奥まで削る。すごい勢い。なかなか割れない。

途中、麻酔注射を追加。

最後にようやく3つに切断し、歯を抜ききった。
歯のかけらが内部に残っていないか、確認のためのレントゲンもとる。

無事…とはいえないが、何とか終了。
抜いた歯は記念にもらうことにした。




家に帰り麻酔が切れる。
予想していたとはいえ、すごい痛み。

問題はそれだけではなかった。

翌朝、鼻の上部の右側がはれる。違和感がある。おすと痛みがある。

「なんで歯を抜いたのに鼻が痛くなるのだろう…」

抜いたあとの部分の洗浄と消毒に歯科へ行く。

歯の抜いた部分の穴の奥が顔の内部の空洞の部分につながっていることが判明した。

歯の根っこの部分が顔の内部の空洞まで出っぱっていた。
抜歯により、口内と顔面の空洞部分が貫通してしまったのだ。


抜歯した部分から大量のうみ。
ばい菌などが感染をひきおこし、鼻の上部のすごい腫れをおこした。
鼻の奥からも大量の黄色いがうみがでるようになる。

上顎洞炎という病気であることがわかった。
蓄膿症なら聞いたことがるのでは。同じ病気らしい。
上の奥歯を抜歯すると、まれに見られる症状らしい。

何回も消毒に通う。鼻の上部の痛みは日増しに増加。
抗生物質の服用を指示される。

「抗生物質を飲むと、頭痛で眠れなくなるんです」
「腫れがひくまで、何とかがんばってください」

代替医療を取り入れている先生だか、このときは抗生物資をしっかり飲むように言われた。

覚悟を決めて、その日から服用を開始する。
いつもの頭痛。

眠れない。


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