たびびと

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まだまだまだ続くトイレの話 ホンジュラスの風

2010年02月26日 | ホンジュラスの風
僕が住んでいたホンジュラスの地域は田舎でした。

しかし、電気もない、もっとすごい田舎があります。そこは、ぼっとん式トイレです。
正式名を何というのかはよくわかりません。
日本では、水洗式に対して汲み取り式と言われているような気がします。

若い方はどんなトイレか体験したことがなく、イメージがピンとこないかもしれません。

地下に穴をほったトイレです。
水で汚物を流すのではなく、直接下の穴に汚物がたまります。

かつての日本。下水道が完全に整備されていませんでした。
僕が子どもの頃、このぼっとん式便所が数人の友人の家にありました。
定期的にバキュームカーという小型トラックが汚物の回収にきます。すごいにおいを放ちます。その車が近くで仕事をしているときは、鼻をつまんで小走りに横を通り過ぎました。

ホンジュラスにそのようなシステムはありません。バキュームカーも存在しません。
地下の穴が埋まったら、場所を移動して次のトイレを作ります。

ホンジュラスにバキュームカーはありませんが、ゴミ収集車は首都を走っていました。定期的にゴミ回収場でゴミを集めています 。

首都にホームステイしていたとき、ある朝、突然ホストファミリーのお母さんとお父さんが、僕を呼びます。
「今こっちへ来てごらん」
一緒に外へ出ます。

ゴミ回収車がゴミを集めています。

「ほら、あのトラックの横のマークを見て。日本とホンジュラスの国旗があるでしょ。
日本がホンジュラスに寄贈してくれたからだよ。どうもありがとう。
とっても役に立っている」
そう言うと、普段無口なお父さんは、僕に手を差し出し握手を求めました。
ニコニコしています。

市内の水洗式よりは、こちらのぼっとんタイプのトイレの方がきれいでした。
においもそれほどひどくありません。

ちなみに、このぼっとん式トイレの材質はコンクリートです。
プラスチックの椅子、トイレのふたはもちろんありません。
座るとザラザラしています。


多くの方に楽しい旅をしていただければと思います。
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