たびびと

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空港エトセトラ ホンジュラスの風

2010年05月10日 | ホンジュラスの風
米国を出国し、ホンジュラスのトンコンティン国際空港に無事着陸しました。
飛行機の出口横に移動階段が取り付けられ、ゆっくりとドアが開きます。外から生温かい風が機内に入ってきます。日本出国時の季節は冬。ホンジュラスの風は初夏のようです。

歩くこと数百メートル。入国審査のため小さな建物に入ります。
パスポートチェックのボックスが3つありました。一つはホンジュラス人専用。一つは外交官用。残りが一般人のためのものです。
一般人用のラインに長蛇の列。係員の指示で、空いている列に次々と移動させられていきます。
入国手続きはすべて手動で行われています。パソコンは置いてありません。一人の入国審査に結構時間がかかり、なかなか列が進みません。

のんびりと自分の番を待ちながら、ふと天井を見上げます。

びっくりしました。

天井は木造ですが、かなりの部分が腐っているのです。そして大きな穴を多数発見します。蛍光灯が取り付けられていますが、こちらも多くが点灯していません。
買い換える予算がないのでしょうか、あるいは単に無頓着なだけ。

「これが国際空港か。さすがに開発途上国だな」
驚きを通りすぎ、妙に感心してしまいます。

ホンジュラスでの地方空港では更なる驚きがありました。

休暇を利用して、パラシオスという「超」のつくど田舎に旅行をしたことがあります。
テグシガルパからラセイバまで小型旅客機で移動。そしてラセイバからパラシオスに向かうとき、小型プロペラ機に乗り込みました。

飛行機は海岸線上空を飛行します。
数人乗りの小型プロペラ機は機内まですごい音と振動が伝わります。会話はできません。それでも美しいカリブ海の景色が心を癒してくれます。
眼下には、真っ白な砂浜と青い海が広がっています。

飛行機に揺られること約1時間、アナウンスの後、飛行機が降下し始めました。着陸です。
ところが前方に空港は見えません。

「一体どこへ…」
一抹の不安がよぎります。

どんどん高度が下がっていく飛行機。まだ空港は現れません。

何と、飛行機は、目前に見えていた芝生が所々生い茂るグラウンドにそのまま着陸してしまいました。

飛行機が停止し、タラップを駆け下ります。静かな田舎の風景が周囲に広がっています。
着陸したその地は、一応空港と呼ばれているようですが、そんな代物ではありません。
舗装はされておらず、事務所もありません。柵もありません。古い民家が搭乗手続きの事務を代行しています。

僕の短い人生、後にも先にも野原に離着陸したのはこの時が最初で最後でした。

ホンジュラスの名誉回復のため、一言付け加えておきます。
数年後にホンジュラスを再訪問したとき、トンコンティン国際空港内の設備は一新されていました。天井はきれいに修復されていて、入国審査にはパソコンが導入されていました。
空港敷地の大きさはそのままでしたが…。

また、ホンジュラスにも立派な空港が一つあります。
サンペドロスーラという大都市の空港です。この地域は産業が活発で、首都よりも開発が進んでいます。
マヤ文明のコパンルイナス遺跡訪問時は、こちらの空港を利用することになります。

ホンジュラス訪問の機会があったら、是非、空港観察も楽しまれてください。

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