たびびと

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のびるアイス トルコの風

2010年04月13日 | トルコの風
トルコには少し変わったアイスが売っています。
のびるアイスです。
アイスに弾力があります。ゴムのようにのびるのです。

イスタンブールの寺院見学のとき、このアイスが通りで売られていました。
売店に少し太めのおじさんが立っています。そして、
「あらよっ」
というかけ声とともに、店頭でアイスをのばすデモンストレーションをします。
棒を使いながら、アイスをおもいっきりのばします。粘りけがあるのです。色は白。バニラ味のようでした。多くの観光客が目をとめます。

試しに買いたくなりました。
でもガイドさんは立ち止まりません。次の見学が迫っているからです。時間がないのです。

それから数日後、カッパドギアの不思議な岩石群見学の日を迎えました。
バスの中で誰かがガイドさんに質問しました。
「どこかでのびるアイスを食べることはできませんか」

どうしても例のアイスが食べたかったのは、僕だけではありませんでした。

「次の岩石パノラマポイントで、毎回のびるアイス売りさんをよく見ます。今日もいると思いますよ」
バスアナウンスが響きます。

妻と相談し、2人で一つを購入することにしました。
あまりおいしくなかった場合、全部食べるのが大変ですから。

パノラマポイントに到着。小走りでバスを降ります。
ガイドさんの話のとおり、駐車場の横に小さなアイススタンドがあります。そこで、おじさんがアイスを売っています。

何と全ツアー参加者が、いきなりスタンドに駆け寄ります。岩石の観光そっちのけです。
アイス売りさんはギョッとした表情。でも、すぐに大喜びの笑顔に変わります。

アイスは一日に何個売れるのでしょうか。
わかりません。
でも、今回は一度に数十人のお客様。大歓迎です。

アイスを混ぜ始めました。そして練りあげたアイスを引き上げます。白いアイスが見事にのびます。パフォーマンス開始です。

みんなデジカメで写真をとります。妻も楽しそうにシャッターを押します。

デモ大サービスの後、おじさんは一人ずつ、コーンの上にのびるアイスをのせていきます。
列が少しずつ減っていき、とうとう僕たちの番になりました。アイスを受け取ります。

値段は2ユーロ。小さなアイスです。
まあ観光地なので値段はこんなものでしょう。

なめてみます。
とってもおいしい。
味は普通のソフトクリームのバニラ味と変わりありません。でも、弾力が少しあります。味の深みもあります。コクがあるのです

このおじさんは、アイスを売った後も、写真撮影のために何回もアイスをのばしてくれます。他の団体客はいませんでした。僕たちだけのためのデモンストレーションサービスを繰り返してくれていたのです。