従来の法的安定性は未来に通用しない
平成27年7月31日(金)
このごろ、首相補佐官が「法的安定性」に関して何か言ったと野党が五月蠅い(七月蠅い)。
何を言ったのか、と思っていたら、
おおよそ、国を守ることの方が法的安定性を守ることより大事だ、と言ったようだ。
あたりまえではないか。その通り。
そやけどなあ、もう少し、アホに分かるように言っておればよかったなあ、と言っておこうか。
従来の社会党的な法的安定性を守れば、
国家と国民を守ることができなくなる、とか。
しかし、当たり前のことを言ったのだから、堂々と弁明するべきは当然である。
幸い、参議院の特別委員会でその機会が与えられるようではないか。
鴻池委員長、その際は、果敢な采配を頼むよ。
委員会は、アホの質問者によるプロパガンダの場ではないのだから。
従来の社会党的な法的安定性が、この先、守られ続ければ大変である。国が滅ぼされる。
社会党的な法的安定性とは、
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼すれば」(憲法前文)平和だという安定性。
「憲法九条があるから平和が続く」という安定性。
この安定性のなかで、北朝鮮はやりたい放題、日本人を拉致した。
この安定性のなかで、今の野党の幹部連中は、拉致された日本人の救出問題に蓋をしていた。
この安定性を守るために、拉致被害者救出と尖閣防衛が、国防問題であるという本質が無視された。
さて、前回、言い残したことを言っておく。
(1)我が国は自衛権を保有している。従って、それを行使し得る。
(2)その自衛権には、個別的自衛権と集団的自衛権がある。
(3)自衛隊は自衛権を行使する組織であり、内閣総理大臣がその最高指揮官である。
(4)自衛権を行使する自衛隊は、国際の法規および慣例に従ってそれを行使する。
以上の四つの項目の内、(4)についてもう少し述べたい。
つまり、自衛権を行使する自衛隊は、国際の法規および慣例に従うのであるが、
国内法との関係は如何にということである。
それは、ネガリストの関係に立つ。
つまり、自衛隊は、法律で明確に禁止されていること以外は、総て行使し得るのが原則となる。
これに対して、警察はポジリストで動く。
つまり、警察は法律で規定されていることだけができて、規定されていないことはできない。
我が国の国防に関する議論の錯綜は、
ネガリストで運用すべき自衛隊を、
警察と同じポジリストで運用しようとしているところからもたらされる。
「国家と国家」もしくは「国家と非国家組織(例えば国際テロ組織)」の間には、
法律はないのである。
かろうじてあるのは、国際の法規及び慣例だけである。
テロ組織との間にはこれもない。
そして、自衛隊が運用される国防という事態は、まさにこの分野である。
従って、自衛隊はネガリストで運用されることになる。
領土を奪いにくる国家に対して、
国民を奪いにくる国家に対して、
国民を殺そうとするテロ組織に対して、
彼らを撃退して国家と国民を守るのが国防つまり自衛権発動の分野であり、
この分野に両者を律する法律はなく、自衛隊はネガリストで運用される。
従って、この分野には法的安定性の概念自体がないのである。
国を守る事と法的安定性を守る事。
どちらも大事です。
どちらか一つを選べ、と言われたら国を守る事を選ぶでしょう。
しかし、安倍首相は安保法制が違憲だとの指摘に
「従来の憲法解釈の範囲内で、将来にわたって法的安定性は確保できる」
「だから憲法違反という指摘はあたらない」と野党に反論しています。
ですから野党やマスコミに付け入る隙を与え
安倍首相を窮地に追い込むような発言は避けるべきです。
安全保障関連法案がより多くの国民が理解する為にも
国会議員は地元に帰り説明するのは当然です。
地方創生に力を入れている石破さんや小泉進次郎さん、
お二人とも「安保法案は自民党の説明不足だ」と言っていましたが
先週末有権者に説明をしたんでしょうか。
礒崎陽輔議員が地元での講演で説明した事自体は
批判される事ではなく当然の事です。
しかし船田氏にしても百田発言の関係議員も安倍さんの立場を考えるべきです。
安倍首相を支えるどころか足を引っ張ってどうするんでしょう。
首相が窮地に立たされる事は自分達の立場も危うくなる事です。
その事に気付かない議員は、傲慢だと言われても仕方がありません。
礒崎総理補佐官は来週月曜に参考人として参院に招致されています。
与えられた場で丁寧に説明をし、安保法制の必要性も述べる事を期待したいです。
毎日新聞の岸井成格氏が、TBSの「NEWS23」で「磯崎補佐官は参考人ではなく国会招致にせよ」と述べたそうです。
http://ponko69.blog118.fc2.com/blog-entry-3323.html
このおっさんと「23」のスタッフは「安保法案の廃案、引いてはアベを倒す材料が転がって来た」と喜んでいるのしょうね。お馴染みの南部義典氏の「中国の脅威は証明されていない」との趣旨のコメントで理論武装したつもりでいます。この人たちは現状を理解できないのか、工作員なのか、どちらなのでしょうかねぇ。
岸井成格氏ねえ。
古館以上に嫌いですね。
そう言えばあの反日番組「サンモニ」にも出ていたような。
いつも反日の出演者ばかりだから考えも麻痺していそうです。
というか、中国の代弁者みたいな人で愛国心は皆無なんでしょう。