北朝鮮による拉致問題の解決に向けた「拉致問題を考える国民の集いin三重」が8日、津市一身田上津部田の県男女共同参画センター「フレンテみえ」多目的ホールで開かれ、38年前に13歳で拉致された横田めぐみさんの弟、横田拓也さんが「姉にふるさとを見せてあげたい」と訴えた。

 拓也さんは「ひまわりのように明るい姉。食卓はいつもにぎやかだった。どこにでもあるような楽しい食卓があった」と振り返った。この後、「それが一瞬にして奪われた」と怒りをにじませ、海鳴りの轟音が響く海辺や廃屋になったホテルを探し回った体験を語った。また、救出を求めてきたが解決しないことに「北朝鮮は(最高指導者が)3代にわたり愚弄し、日本はだまされ続けている。国家の意思を持って実力行使で迫らなければ絶対に耳を貸さない」とアピールした。

 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)の西岡力会長は「すべての拉致被害者を救出するために」と題し講演。「北朝鮮への制裁と国連への働きかけが効き、日朝は緊張感のなかでやりあっている。こうした時期だからこそ国民世論の怒りの声が大事だ」と語った。

 出席した山谷えり子拉致担当相は「拉致問題は家族を引き裂く残酷な国家犯罪。すべての拉致被害者を帰国させる結果を出し国としての責務を果たしていく」と決意。鈴木英敬知事は北朝鮮が拉致問題の全面的な調査を約束したストックホルム合意に触れ「1年もなしのつぶてというひどい状況。県民の声で政府の努力を後押ししていこう」と呼びかけた。

 集いは政府拉致問題対策本部や県などが主催し、約220人が参加した。警察庁によると「拉致の可能性を排除できない行方不明者」は全国に877人で、うち県関係者が11人いる。