僕が子供の頃にテレビを通じて見たアメリカは、誠に裕福な国という印象が強かった。
名犬ラッシーという番組では、僕らが滅多に飲めない牛乳が冷蔵庫という便利な入れ物に大きなビンで絶えず入っていて、僕らは親にお願いして買って飲んだ牛乳を、アメリカの子供は親に言われてしぶしぶ飲むという、とても大きな違いが有りました。
又、日本の家庭の殆んどに無かった自動車が、アメリカの家庭には二台以上有る現実を知り、アメリカは凄い国だと子供心に思ったものでした。
そして僕が小学校五年生の頃(今から50数年前)に、学校の先生から、もう少しすると日本も一家に1台以上の自家用車を持てる様になる話を聞いて、本当にそうなるだろうかと、当時の僕には信じられない気持ちで聞いていました。
何故なら我が家に有ったのは、中古で買ってもらった僕の自転車と、人力で押して動かすリヤカーしか有りませんでしたからです。
アメリカ人はいつもステーキやハンバーグ等の肉料理を日常的に食べているらしいが、日本人は肉は何かの祝い事が無ければ食べられないし、食べる量も本の少ししか食べられませんでした。
ケーキもクリスマス以外には食べられませんでした。
当時の僕達子供のおやつは、その季節に取れるグミ、スグリ、桑の実、栗、柿、リンゴ、梨、ブドウ、桃、スモモ、アケビ、ナツメ、イチジク 等の他に、キュウリやスイカ、そして土手に生えている野草(当時の子供達は食べられる野草を知っていました)等でした。
梨やブドウ等を育てていない家庭の子供は、よその家庭の梨やブドウを黙って食べていたものでしたが、それを見つかると、其所の家の人に大きな声で叱られたものでしたが、子供の仕業と大目に見る風潮が有りました。
話が逸れましたが、当時は今よりも日本とアメリカはなの暮らしに大きな差が有ったのは事実です。