しんたく@下吉田

富士五湖キャンプ三昧三日目。私としてはこの日、「ちくぜん」という製麺所がやってるコアなラーメン店に行っておきたかったのだが、同行者らから「吉田のうどんも喰わせろ」という熱烈な要求に負け、それでは、ということで探し当てたのがココ。スマートフォンとカーナビでいとも簡単に辿り着けてしまうが、そうしたネットの支援がもしなければ、探し当てるになかなか苦労しそうな場所にある。まして、ノボリとノレンが無ければ、どう見てもただの民家である。

ノレンはつまり、このおウチの玄関であり、「いらっしゃいませ」の声を聞くとともに、おもむろに靴をぬいで上がる...なんだか民宿にやって来たかのような感がある。

通された席は畳の間。まったくリアル人ん家。

真夏でも冷涼な気候ということで、「店内」に冷房は無いかわりに、網戸越しの涼やかな風に乗って風鈴がチリンチリンと鳴り響く。

鴨居に架かる書に、夏目漱石のことを思い出したりするのだが、よーく見てみるとこの臨書、左のところに「建設大臣 金丸信」とある。サスガ、山梨である。
さーて、なに頼もうか...恒例お楽しみメニューみて迷い迷いタイム。

メニュー裏面はこんなでした。画像撮り忘れたけどメニューの傍らに注文伝票が置いてあって、客自らがソコに書き込んでお店の人に渡すというちょっと珍しいシステム。

まずは同行者注文のかけうどん到着。天かすはセルフサービスでお好きなだけドーゾなシステム。

私はちょっとゼータクかまして「肉天うどん」を注文(っていっても500円のワンコインです)。

今回は、いったい富士吉田のうどんって、どんなもんかという興味津々で訪れた。サヌキのうどんや、イセのうどんと、どう違うのか?
今回の旅ではここ「しんたく」だけなので、客観的な見方は出来そうにもないが、このお店に限っていえば、ワタシの中で標準となっている京都の井手のたなか家のふっくらモチモチ粘り腰の艶やかな麺に対し、ガッチリわしわしと力強い剛麵であること。京都で思い出すに、薪パカーンな綾部の竹松うどんの感触にも似ている。(ただし、麺線の太さと不揃いさにおいてはさらに豪快である)生麩的なグルテン感より、ボソボソとしたでんぷん感がはるかに強い。そして何より啜り込まれてしまうことを拒むかのような独特のハガネ感。コレに負けじと強制的に啜り込んだ時の征服感。それは、サヌキやイセやイナニワや、さらにはオーサカやキョートの麺自体がさほど主張してくるでもないごくフツーの「おうどん」の。あんな感じとも全然別の感触。
そして、醤油と味噌をブレンドしたところにしっかりとしたダシ感を伴う幅の広い素朴な旨味が豊かなツユ。
肉天うどんの「天」とは、つまりかき揚げのこと。ゴボウとタマネギのザックリバキバキな豪快サイズ。肉は牛細切れを甘く味付けした馬肉の煮込み。
テーブルに置いてある薬味は胡麻油、辣油、唐辛子、山椒などを合わせた吉田のうどん独特のもので「すりだね」と呼ばれるものだそうな。途中でちょっと加えてみるとけっこう味が変化する。そして、このすりだね、けっこう各店独自のチューニングがあるらしい。
今回、「吉田のうどん」はここ一軒だけしか味わうことが出来なかったが、独特で、素朴で、豪快で、なかなか美味しく楽しくいただいて来た。
帰りには富士急行の下吉田駅に保存されているかつての寝台特急「富士」のテールマークになっている14系寝台客車を愛で、


夜には、ダッチオーブンでスペアリブの甘辛煮なぞ作ってみた。適当に炒めて、適当にかき混ぜて、適当に醤油とマーマレードぶっ込んで、最後にちょちょっとネギとキャベツを加えて約30分。かなりアバウトな調理だが、炭火とダッチオーブン、ホント七難を隠してくれるもんだ。


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【しんたく】
 11:00~14:00
 木曜日定休
 0555-23-0136
 山梨県富士吉田市新倉1217
 P:あり

しんたくうどん / 下吉田駅月江寺駅

昼総合点★★★★ 4.5

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