こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
看護師さんも募集中!!

作業所の健康調査

2013-03-18 21:36:41 | 訪問看護、緩和ケア
例年、地域にある知的障害者の作業所にほうもんして、健康相談をやっています。

検診結果があるだけで、あとは一人一人と面談して、担当者やご家族の健康上の相談に乗っています。

知的障害者の作業所といっても、軽度者の方が多い施設から、重度の身体障害を伴う施設まであります。

その作業所ごとの傾向もあり、なかなか面白いなと思っています。
毎年行っているとだんだんと馴染みの顔が増えて、1年ぶりとは言っても「あら、○○さん、今年もマラソンできたの?」とか「○○さん、もう30歳になったの?!」などと勝手に声をかけています。

その中でも、重度の方が多く通う作業所では、身体障害や内部疾患も合併されている方が多いので、健康相談といっても、とても慎重になります。
お母さんやお父さんが同伴されることも多く、担当の職員さんもとても熱心なので、ついつい私も力が入ります。

ここで問題がある場合は、なるべくスムーズに医療機関につなげられるよう病院をご紹介したり、なるべく負担のない方法をご紹介したりしていますが、これがなかなか難しいのです。
親御さんが一緒に来て相談される方もいれば、ご高齢でとてもそんな余裕のない方や、あまり聞く耳を持たない介護者の方もいて、そこをどう動かすかが問題になります。


健康診断の結果を見ていると、時々ヘモグロビンA1Cが、8とか9とか10なんてことがあって、「医療機関にかかっていますか?」と聞くと「いいえ。」と返ってきたりします。
総じて、ジュースや缶コーヒーを好まれる方が多く、一日に何本も飲んでしまい、は止めが効かなかったりするようです。
ジュースやビタミンドリンク、缶コーヒーなどで砂糖が入っているものは、かなりの量が入っているので、それを毎日1.5リットルとか飲んでいれば、そりゃあ体重も血糖値もあがります。

女性には、かなり貧血の進んだ方もいて、婦人科系や内科への受診を進めることも多くあります。

先日は、胃瘻の管理で悩んでいるお母さんと、30分以上話し込んでしまい、かなり時間を押してしまいました。

去年、胃瘻からの滴下注入前後に、かなりゼロゼロしてしまうとの相談を受け、半固形化での注入を試してみたらと提案した方です。
その話を受けて、お母さんは通院先の病院にやり方を教えて欲しいと言ったら、「これでとろみをつけてピストンで注入しなさい。」と言って、とろみ剤の「つるりんこ」を渡されたそうです。

「これでやっています。」とみせられた「つるりんこ」にびっくり。(゜д゜lll)
「これでゼロゼロ落ち着きます??」と聞くと「ぜんぜん。変わらないので、最近はあまりしません。」とのこと。

そりゃあそうです。

これは、ただのとろみ剤なので、半固形化に一番大切な粘度はうまれません。
さらには、「胃瘻のチューブが動いて、こすってしまうんです。」とのことで、見せてもらうとボタン式の胃瘻が眺めに飛び出していて、薄い不織布のスリットガーゼ一枚が入っていました。

「こより法って聞いたことある?」と聞くとないとのこと。また、チューブ内があまり綺麗にならないので酢水を入れる方法を知りたいけれど、どのくらいの酢水を入れればいいかわからないとのこと。

結局話しきれずに、今回その資料を持っていき、担当のワーカーさんに説明し、お母さんに渡してもらうことにしました。

半固形化やこより法などは、病院によってはほとんど導入されていないところも多く、見た目でとろみが付けば良いと勘違いしてしまう医療関係者もまだまだいるようです。

ただ、気がかりなのはどうしても半固形化だと費用がかさむということです。

女手一つで障害を持つお子さんを育てるのは、並大抵ではありません。

処方の栄養剤に固形化剤を入れる方法、既製品の固形化製剤を使う方法を比較し、コストパフォーマンスも書いて渡しました。
ただこれでも費用が問題ならば、寒天を利用する方法もあるにはありますが・・。

健康相談では、お教えできるのはここまでです。
あとは、現在ご利用の訪問看護師さんや、再度病院の看護師さんにご相談いただくか、それでもわからなければ口頭で電話でお伝えするぐらいでしょうか。
うまくいくといいな、と思います。

そんな感じで今年の健康相談もやっと終わりました。
去年、やっとつなげた区役所の栄養相談ですが、今年は動いてくれるのかな??
1年だけで終わりだったりして・・心配です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿