こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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ピンと来たら・・。

2013-04-04 23:36:48 | 訪問看護、緩和ケア
夕方、居宅の訪問を済ませ、車に乗り込む寸前に、私の携帯が鳴りました。

うちの専任ケアマネから「大至急帰ってきてください!すぐに一緒に訪問して欲しいんです。包括のKさんが、訪問先から連絡をくれました。すぐに入って欲しいって!」とのこと。

こういうことは時々あります。

今回、包括支援センターに介護申請をしに来たご家族の話を聞いて、包括のスタッフであるKさんは「直ぐに見に行かないと危険!」と感じたようです。
直後に実際患者さん宅を訪ね、状況を見て直ぐにうちのステーションに連絡をくれました。

一旦ステーションに戻り、ケアマネちゃんを車に載せて、すぐに患者さん宅に向かいました。

とりあえず向かう前に、在宅往診医に受けてくれるかどうかを確認し、OKをもらいましたので、すぐに行動に移すことができました。

うちは医師会立ということもあり、実際の訪問看護に繋がらないかもしれないケースでも、しかるべき要請があれば一緒にどう対応したら良いかを確認に行きます。

今回もそのつもりで訪問すると、包括のKさんもまだいてくれました。

患者さんは、遠方にある某大学病院から、通院が困難になったということで、市内の某総合病院に紹介状を持って今日受診したそうです。

けれど、そこで「こんな状態では、うちでは診れない。ホスピスとかを捜しなさい。」と言われ紹介状ごと返されたのだそうです。
しかし、ご本人は重度のリンパ浮腫も伴い、前日からリンパ漏も発症し、歩けくなっていました。食事量も激減し、痛みも吐き気もあり、浮腫は全身に及んでいました。
また、すでに何日もマッサージチェアに座りっぱなしで昼夜を過ごしていたため、仙骨は褥瘡が出来始めていました。

こんな状態で受診したのに、そのまま返すなんてびっくりですが、病院には病院の事情があるのでしょうか・・。
困り果てた妻は、まず介護申請を勧められたことで、包括に相談に行ったのです。

ここで感の良い、動きの速い担当者に出会ったことがラッキーでした。
(ここが分かれ目ですね。ここでピンと来ないで、申請だけ受理して返しちゃう人、たくさんいますから。)

入ってすぐに状態を確認し、必要なサービスを説明しました。
まずは、ベットと高機能のマットを一時間後には入れることができました。
荷物の山の室内を、ケアマネちゃんが必死に片付け、そこに6時過ぎにはベットを導入しました。
その間、包括のKさんは新規申請を済ませ、ポータブルトイレを持って来てくれました。
私は、全身状態をチェックし、情報提供書や現在の処方などを持ち、往診のクリニックに持っていき、あすの訪問を入れました。

夕方4時過ぎに訪問し、18時20分にはほぼ外枠を固めることができました。
その後、往診医も急遽訪問し、レスキューなどの処方もしてくれることになりました。
あすは、今日できなかったケアや契約などをしに改めて訪問することとしました。


在宅の醍醐味は、こういうところにあるのだと思います。

ピンと来たら110番じゃなくて、とにかく確認、とにかく連携。
その連携の接続がうまくいくかどうかは、普段から地域の中で密接に関わっているかどうかによると思うのです。

そうして、短時間のうちに環境とサービスが整っていけば、あとは流れに任せて在宅サービスの歯車が回り始めるのです。

「ピンとくる。」人がいかに多いかどうかで、その地域のレベルが決まってくるのかもしれませんね。
このピンは、どこから始まってもいいと思います。
包括からでも、医師からでも、看護師からでも、となりの誰かさんからでも、ピン!からタイムリーにつながれる地域でありたいと思います。

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2 コメント

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タイミングと運ですかね〜(^_^;) (こぶた部屋の住人)
2013-04-08 23:04:35
うまく時ばかりじゃありませんが、地域のかなで、阿吽の呼吸で動いてくれる仲間が、ひとりでも多く見つけらればいいですね。諦めず、頑張ってくださいね!
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凄い! (ひろみ)
2013-04-07 23:03:36
すばらしい連携力と勘の良さに驚かされました
こんな仕事が出来たら楽しいでしょうね
これぞ在宅の醍醐味ですね

しかしこの連携力って言うのがなかなか
難しくて日々難儀しております
(なかなか思いが通じなくて結構片思いだったりして・・・)
皆が同じ方向に向いていれば良いんですけどね

最近ちょっぴり行き詰まっておりまして・・・・
こぶたさんのブログを見ては気合いを入れ直しております
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