疥癬のお話の続きです。
日本に疥癬が入ってきたのは、性病としてだったそうです。
今でも、その何割かは性感染によるらしいのですが、私たちはもっぱら老人の疥癬が相手です。
疥癬の原因は「ヒゼンダニ」です。
0.4㎜という小ささですが、ものすごーく目がよければ、肉眼でも見えるようです。
講師の和田先生が面白いスライドを見せてくれました。
10円玉のアップがスライドで映し出されました。
<この中にヒゼンダニがいるよ。わかるかな?>というもので、私はわかりました!
10円玉に描かれている平等院鳳凰堂の、屋根の上にある鳳凰の屋根飾りのお腹の横に、やつはちょこんといました。
屋根飾りの鳳凰のお腹って見えますか?(ここには、いませんよ。)
そのお腹の横に、先生はわざわざダニを置いて写真を撮ったわけで、凝ってますね~
さらにメロンパンとタケノコの里で、模型まで作っていましたから頭が下がります。
何が言いたいかというと、ヒゼンダニのお腹は白っぽく半透明で丸いのですが、頭と前足は黒いのでそれを目印に見つけようということです。
ちなみに、ヒゼンダニは蜘蛛やサソリの仲間だそうで、足が8本あります。
あんなものが、肉眼ではっきり見えるほど大きかったら、怖いですねー。
皮膚科の先生は、ダーモスコープという光源付のレンズで皮膚に顔をくっつけるように診ていくわけです。
和田先生曰く、しっかり光を当てれば、100均のルーペでも何とか見えるかも・・と言っていました。
ダニは、皮膚に取りつくとしばらく皮膚の上を移動します。
和田先生の皮膚を移動するダニは、かなりのスピードで移動していました。
でも、皮膚に潜り込むとその動きは急に遅くなります。
一日に数ミリいくかいかないか・・
でも確実にダニは皮下にトンネルを掘りながら進んでいきます。
疥癬トンネルと言っても、よーくみないとトンネル自体見つかりません。
トンネル自体、指紋と同じくらいの大きさです。
でも、好発部位をよく見るとチョロット白い線がみつかります。
皮膚は、古い方から落屑しますから、皮膚がボロッとしている方が入り口です。
なので、入り口からたどってトンネルの先端を見て、皮膚を透かしてものすごーく小さい黒い点があれば、それがダニの頭ということになります。
一番の好発部位は手のひら。
特に小指側の指間、手相の線に沿ったところや、手首の内側の筋のあたりを、ルーペ等でよく見ると疥癬トンネルを見つけられます。
また、男性の場合は陰部に結節を見ることが多く、陰部の結節の上に疥癬トンネルが診られるので、とにかく観察が重要ですね。
疥癬を疑う動機として
1.強いかゆみ
2.疥癬患者との接触
3.ステロイドが効かない
ということで、難治性の湿疹があったら、その辺の背景を確かめた方がいいですね。
また、全身にひどい発疹があっても、ダニが見つからないことがよくあります。
和田先生のスライドには、ダニが一度入った後でアレルギー反応が起こって水泡になったり、強い炎症が起こる過程が撮影されていました。
そして、このダニのすみかの後は、ダニが死滅しても瘢痕として残り、数年たっても強いかゆみが残ったりするといいます。
和田先生も7年たった今でも痒いと言っていました。
最後に治療です。
日本ではイメルベクチンの内服が主流です。
まず、診断したらすぐ1回目の投与、1週間後に2回目の投与を行います。
その後は継時的に皮膚の確認をしながら繰り返し診察をすることが必要だそうです。
また、外用としては硫黄製剤、オイラックス、安息香酸ベンジルを使用します。
γーBHCは現在は使えなくなってしまいましたが、在庫で残っているものを使ったりもします。
あとは、拡大の経路を追って、感染した人がいないかを確認し、なるべく早く治療を行い拡大を抑えることです。
患者さんからスタッフ、スタッフから家族やほかの患者さん、その家族から孫、孫から保育園・・・そんな爆発的な大流行にならないよう、最初の発見者になれればいいなと思います。
ちなみに、米国はじめ先進国はベルメトリンという薬がとっくに使われていて、これは安全で効果が大きく、妊産婦にも使えるそうです。
日本で認可がおりるのは、残念ながらまだ先のようです。
ということで、これからが疥癬の旬です。
注意一秒怪我一生。
この湿疹にピンときたら皮膚科まで。
日本に疥癬が入ってきたのは、性病としてだったそうです。
今でも、その何割かは性感染によるらしいのですが、私たちはもっぱら老人の疥癬が相手です。
疥癬の原因は「ヒゼンダニ」です。
0.4㎜という小ささですが、ものすごーく目がよければ、肉眼でも見えるようです。
講師の和田先生が面白いスライドを見せてくれました。
10円玉のアップがスライドで映し出されました。
<この中にヒゼンダニがいるよ。わかるかな?>というもので、私はわかりました!
10円玉に描かれている平等院鳳凰堂の、屋根の上にある鳳凰の屋根飾りのお腹の横に、やつはちょこんといました。
屋根飾りの鳳凰のお腹って見えますか?(ここには、いませんよ。)
そのお腹の横に、先生はわざわざダニを置いて写真を撮ったわけで、凝ってますね~
さらにメロンパンとタケノコの里で、模型まで作っていましたから頭が下がります。
何が言いたいかというと、ヒゼンダニのお腹は白っぽく半透明で丸いのですが、頭と前足は黒いのでそれを目印に見つけようということです。
ちなみに、ヒゼンダニは蜘蛛やサソリの仲間だそうで、足が8本あります。
あんなものが、肉眼ではっきり見えるほど大きかったら、怖いですねー。
皮膚科の先生は、ダーモスコープという光源付のレンズで皮膚に顔をくっつけるように診ていくわけです。
和田先生曰く、しっかり光を当てれば、100均のルーペでも何とか見えるかも・・と言っていました。
ダニは、皮膚に取りつくとしばらく皮膚の上を移動します。
和田先生の皮膚を移動するダニは、かなりのスピードで移動していました。
でも、皮膚に潜り込むとその動きは急に遅くなります。
一日に数ミリいくかいかないか・・
でも確実にダニは皮下にトンネルを掘りながら進んでいきます。
疥癬トンネルと言っても、よーくみないとトンネル自体見つかりません。
トンネル自体、指紋と同じくらいの大きさです。
でも、好発部位をよく見るとチョロット白い線がみつかります。
皮膚は、古い方から落屑しますから、皮膚がボロッとしている方が入り口です。
なので、入り口からたどってトンネルの先端を見て、皮膚を透かしてものすごーく小さい黒い点があれば、それがダニの頭ということになります。
一番の好発部位は手のひら。
特に小指側の指間、手相の線に沿ったところや、手首の内側の筋のあたりを、ルーペ等でよく見ると疥癬トンネルを見つけられます。
また、男性の場合は陰部に結節を見ることが多く、陰部の結節の上に疥癬トンネルが診られるので、とにかく観察が重要ですね。
疥癬を疑う動機として
1.強いかゆみ
2.疥癬患者との接触
3.ステロイドが効かない
ということで、難治性の湿疹があったら、その辺の背景を確かめた方がいいですね。
また、全身にひどい発疹があっても、ダニが見つからないことがよくあります。
和田先生のスライドには、ダニが一度入った後でアレルギー反応が起こって水泡になったり、強い炎症が起こる過程が撮影されていました。
そして、このダニのすみかの後は、ダニが死滅しても瘢痕として残り、数年たっても強いかゆみが残ったりするといいます。
和田先生も7年たった今でも痒いと言っていました。
最後に治療です。
日本ではイメルベクチンの内服が主流です。
まず、診断したらすぐ1回目の投与、1週間後に2回目の投与を行います。
その後は継時的に皮膚の確認をしながら繰り返し診察をすることが必要だそうです。
また、外用としては硫黄製剤、オイラックス、安息香酸ベンジルを使用します。
γーBHCは現在は使えなくなってしまいましたが、在庫で残っているものを使ったりもします。
あとは、拡大の経路を追って、感染した人がいないかを確認し、なるべく早く治療を行い拡大を抑えることです。
患者さんからスタッフ、スタッフから家族やほかの患者さん、その家族から孫、孫から保育園・・・そんな爆発的な大流行にならないよう、最初の発見者になれればいいなと思います。
ちなみに、米国はじめ先進国はベルメトリンという薬がとっくに使われていて、これは安全で効果が大きく、妊産婦にも使えるそうです。
日本で認可がおりるのは、残念ながらまだ先のようです。
ということで、これからが疥癬の旬です。
注意一秒怪我一生。
この湿疹にピンときたら皮膚科まで。
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